宇宙の果てで謎の種を拾いました

くずもち

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第63話しばし休憩

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 キジムナー君達をなんとか突破し、僕らは目的地の城に飛び込む。

 そう言うギミックなのかギリギリで閉まった自動の門を背に、僕らはなんとか呼吸を落ち着けた。

 白熊さんは未だに興奮気味の声を上げた。

「ハァハァハァハァ……あっぶなかった! 何あのビームメリーゴーランド、どういう攻撃手段なんだ!」

「し、死ぬかと思った……」

「死なないんじゃない? だって死後の世界だし」

「どうなんだろ? あのキジムナーロボはバカスカ壊れてたからなぁ」

「確かに。あの中に命が入っているって言ってたけど、そんなことある?」

「あんまり考えたくないかも……次来たら躊躇っちゃいそうだ」

 正直魂が入ってるなんて言われても、あまりピンとこないけれど、あのロボに昨日の夕食が入っているかと思うと、もう食べられなくなりそうだ。

 しかし恐ろしくも騒がしい時間も、いったんは小休止らしい。

 あの遊園地モチーフの趣味の悪い兵器の姿はなく、城の中はとても静かだ。

 僕なんかはほっとして気が緩んでいたけれど、白熊さんはどこか緊張感を保っていいるのが分かった。

「それはよくないね。相手をあんまり特別に見ると動けなくなるよ?」

「まぁ確かに……でもやっぱり抵抗はあるかなぁ」

 苦笑いで僕がそう言うと、白熊さんもまた苦笑していた。

「なんて言っても……ボクもよくわかんないんだけどね。宇宙で実験部隊なんてやってる奴らは大抵そうだと思うけど、どうにも命ってやつが軽く感じてさ」

「命が軽くかぁ……」

「あ、ゴメン。あんまり重く受け止めないでくれよ? ただクローンやら、人体改造やらが身近だと、命って言われてもなんかピンとこないっていうか……やっぱりなんか重いこと言ってるな」

 ウームと自分で言って、首をかしげる白熊さんだが無理もないことだと僕は思った。

「いや……いきなり魂とか命なんて言われても普通は戸惑うと思うよ。白熊さんは地球の生まれなんだよね?」

「さぁ? 実は肝心なところは覚えちゃいないんだよ。でも地球には住んでたよ。ボクがいたところはとにかく生き残ることに必死でね……でも実はボクはなりふり構わない感じは嫌いじゃないんだよね。なんとしても生き残ってやろうって気概を感じると言うか……その結果生まれたのがボクらなら、それなりに誇らしい気分にもなるのかな?」

「そうなんだ」

「前はこんなこと考えもしなかったんだけどな。ここに来てから考えるようになったよ。こうやって目に見える形で命なんてものを見ているからかな?」

 曖昧な笑みの白熊さんだが、僕は背中に一筋汗を流した。

 いやそれは、シュウマツさんが解呪の魔法を掛けたせいという可能性もちょっとある。

 しかし、そうやって色々考えることが出来ているのならよかったと思う僕もいた。

「いいんじゃないかと思うよ? 色々考えるのって案外難しいから。僕はそんなに何かを考えて生きてるわけじゃないから、ちょっと恥ずかしい」

「そうなんだ」

「いや……むしろ考えないようにしていたのかもしれない。でも思ってもみなかった疑問を言葉で聞くと動揺するね。自分の中にある停滞感を自覚させられる感じがする」

 白熊さんの話に限ったことではないが、今まで当たり前に考えないようにしていたことを自覚すると、気持ちが落ち込む。

 それが今更どうしようもないことだとわかっていてもそうなのだから、不思議なものだった。

「停滞感……ああ。うん、それは、ボクもしっくりくる。良くないってわかってるのに、現状維持から抜け出せないんだよね。このもやもやは一生付き合っていくものだと思っていたから……考えないようにするのもわかる。ああでもきっとカノーはボクよりも自分がどうしたいのかよく考えてるんだよ。じゃなきゃ、この宇宙の果てに自分一人で来ようとなんて思わないだろう?」

「―――」

 僕は、彼女の言葉に驚いていたのだと思う。

 思わぬところに共感してもらって、気持ちとしては複雑だった。

 きっと冥界なんてところにいるからなのだろう。

 気分が重くなってこの慌ただしい状況なのにもかかわらず、ついつい思索に耽ってしまう。

 しかしそろそろ来るべきところに来たわけだし、この騒ぎも終わりが近づいていた。

「とても興味深い話をされていますね。停滞感……確かに無視できない問題です」

「「!」」

「お疲れさまでした。楽しんでいただけていますか?」

 僕が声のする方を見上げると、炎ではなく本物のオペ子さんがそこにいた。
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