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2巻
2-1
プロローグ
「ふぬぬぬぬぬ……」
「むー……」
早朝、大小二つの影が気合いを溜めていた。
おっきい方は俺、紅野太郎。この異世界に日本からやってきたちょっぴり魔力多めの駆け出し魔法使い。
そしてちっさい方は、虫のような羽を持った妖精のトンボ。
赤毛にちょこんと乗ったゴーグルがかわいい彼女は、難しい顔をして唸っている。
俺達はそれぞれ、黒と赤の傘を持って不思議な動きを繰り返す。
もっとも、その場でくるくると回りながらしゃがみこんで、背伸びをするという単調な動きを繰り返しているだけだ。もちろん、これにはちゃんと意味があった。
目の前には畑。植えてあるのはイチゴの苗だ。
目標を定め、極限に達した気合いを解き放つべく、俺達は声を揃えて背伸びをし、傘を天高く突き上げた。
「「バ!」」
ぽこぽこぽこぽこ!
一斉に花を咲かせるイチゴの苗。
俺達は目の前で起きたイチゴの奇跡に、手を鳴らして歓声を上げた。
実験は大成功である。
「やった! いけるよこれ!」
「だろ! 俺の生み出した新魔法『傘を持って踊ると植物が育つ魔法』だ!」
「長い! そして踊りの意味がわからない! でもなぜか楽しい!」
「だろ!?」
今度は果実を実らせるべく再び気合いを溜めていると、家から出て来たカワズさんと目が合った。
見た目は服を着た巨大な蛙。そしてこの蛙こそ、俺を異世界に連れて来た魔法使いなのだ。カワズさんは、畑で傘を振っている俺達を見つけると、優しい微笑みを浮かべ、そっと踵を返した。
「いや! そこはなんか言おうよカワズさん!」
俺は思わず叫ぶ。
「魔法の実験とは言いつつも、ツッコミ待ちだったのに!」
「……いや、ずいぶんと楽しそうじゃから、邪魔しちゃ悪いと思ってのぅ。別に関わらないようにしようと思ったわけではないんじゃよ?」
口ではそう言うものの、カワズさんの目は泳ぎ気味。実に不愉快な蛙である。
俺達は気分を切り替え、カワズさんは放っておいて、作業の続きに戻る事にした。
「……いーよいーよ。これ、結構楽しいんだからな?」
「そうだよ。イチゴができてもカワズさんにはあげない!」
そしてまた俺達は、傘を構えて唸り出す。
くるくる回って背伸びを繰り返し、気合いが溜まりきったところで……解放!
「「バ!」」
ぽこぽこぽこぽこ!
あ、でっかいイチゴの実が生った。
今日の朝食にはイチゴミルクもいいかもしれない。
結局、朝食のメニューは、はちみつをたっぷり塗ったトーストに目玉焼き、トマトとレタスのサラダにイチゴミルクとなった。
ちなみにイチゴはもちろん、トマトとレタスも今朝がた俺の畑で採れたものである。トーストは魔法でどうにか調理した。卵とミルクは、竜の谷に棲むスケベなドラゴン、スケさんからの頂き物。なにから生まれたかわからない、まだら模様の不思議な卵。ミルクは、ヤギの物らしい。
うむ、なかなかの充実度。そのうち魔力を使う事なく、いろいろ作れるようになればいいなと思う。
しかし、さらなる食の充実に限界を感じているのも確かだ。食材の種類をもっと増やすには、やっぱり人間社会へネットワークを広げないとダメかもしれない。これについてはおいおい考えるとしよう。
今日の朝食は全部で四人分。
俺、カワズさん、トンボの分と、あと一つは昨日の珍客の分。
来客用の席では、金髪碧眼の美少女が、自分の前に並べられた朝食を驚いた表情で見つめ、ごくりと喉を鳴らしていた。
俺はその娘をセーラー戦士と呼んでいる。セーラー服と鎧姿が印象的な、俺と同じく日本からこの異世界に来た女の子だ。
「すごい。昨日から驚かされてばっかりで、なんだか疲れてきちゃうよ」
「そう? なんの変哲もない朝食でしょ? この目玉焼きとヤギの乳は珍しいとは思うけど」
未知の食材を使っているぶん、地球の一般的な朝食に比べるとグレードは下がると思うのだが、セーラー戦士はとんでもないと手を振った。
「そんな事ないよ。異世界の人間が食べるパンはもっと固くてぼそぼそしたやつだし、サラダにマヨネーズをつけて食べたりしない。イチゴミルクに至っては存在すらしてないから」
「うわぁ、マジで? それはありえないな」
こう、スプーンで潰して食べるのが好きなんだけど。
これを発見していないなんて、異世界人というやつはだいぶ損をしていると思う。
だがセーラー戦士は、俺とは別の意味で呆れているらしい。
「私はこの状況の方がありえないと思うけど……。あ、そういえば昨日はありがとう。ずいぶんぐっすり眠らせてもらったよ」
「あー。寝心地よかった?」
「うん! おかげさまでね! お風呂に入ってトリートメントまでできて、あれだけぐっすり寝られたのはどれくらいぶりだろう? ウォーターベッドなんて向こうの世界でも使った事なかったし! もう元の硬いベッドには戻りたくないなぁ」
久しぶりの地球らしい生活にご機嫌な様子のセーラー戦士。こっちの生活に不満が溜まっていたのだろう。
疲れていたようだったから、寝床を提供してあげたのだ。彼女には俺の部屋を譲り、自分はリビングでぷかぷか浮いて寝た。これは一回やってみたかっただけ。
昨日も美少女だと思ったが、完璧に身だしなみを整えたセーラー戦士はより美しさに磨きがかかって、俺としても眼福である。
……いや、ちょっと待て。
トリートメントとか言っていたけど、そんな洒落たもの、うちの風呂場にあっただろうか?
ちなみに俺は、シャンプーだけで洗う派だ。
「トリートメント的なものなんて風呂場にあった?」
尋ねてみると、セーラー戦士は困惑した表情で答える。
「え? あったよ? なんだかよさそうだったんで使わせてもらったんだけど……まずかったかな?」
「いや、俺はそんなの使わないし……」
「あ。それ、わしの」
突然、手を挙げて主張したカワズさんに視線が集まる。
なんというか……。
「……予想外すぎるだろ、カワズさん。どこに毛があるんだよ」
「髭! お前が生やしたんじゃろう! わし調合の魔法薬トリートメントで、洗い上がりもしっとりさらさらじゃよ!」
自分で言うだけあって、カワズさんの髭は枝毛もなくしっとりさらさらだった。
「そんなものを開発してたのか……」
「当たり前じゃろ? わしは身だしなみには気を使う方なんじゃ」
「……艶なんてどう考えたっていらないだろう? ちゃんと蝦蟇油が滲み出してるって」
「それは身だしなみじゃない!」
いろいろな意味で予想外のカワズさんではあったが、そのトリートメント効果は確かな物らしい。
セーラー戦士の髪も、キューティクルの艶やサラサラ具合が見るからに増している。
まじまじと観察していたトンボも思わず唸るほどだった。
「むー。これはあれだね。わたしのポジションが揺るがされている気がする」
「なんだよポジションって?」
いつになく真剣なトンボに俺が尋ねると、手をじたばたさせてトンボは力強く主張した。
「ヒロイン的なポジションに決まってるじゃん!」
「ほっほっほ、マスコットの間違いじゃないかの」
「なにさ! マスコットはあんたでしょ! ケロちゃんのくせに!」
「それはさすがにやめてくれんかの!」
放っておくといつまでも続きそうな不毛な言い争いに、苦笑いしたセーラー戦士がまあまあと割って入った。
「大丈夫だよ。二人ともかわいいから」
「わかってるじゃん!」
「わしも☆?」
星を出すな気持ち悪い。
しかしこう言ってはなんだが、セーラー戦士もおかしな事を言ってくれるものだ。
「あっはっはっは。わかってないなセーラー戦士は。カワズさんはかわいいじゃなくて気持ち悪いだろ?」
「それはいくらなんでもかわいそうだよ。せめて、キモかわいいとか」
「いやむしろ、生キモい?」
「……それ、なんの略?」
「生々しくて気持ち悪い」
「お前ら……わしの太極拳を見せる時が来たと、そう解釈してもかまわんのかの?」
こめかみに血管を浮かべるカワズさんは太極拳のDVD訓練をまだ続けており、もうすぐ達人編に突入するとのことである。
1
騒がしい朝食が終わり、俺はさっそくやらなきゃいけない事を済ませておこうと考えた。
今食堂に残っているのは、俺、カワズさん、セーラー戦士の三人である。
トンボはすでにどこかに行ってしまったが、今は好都合だ。
「そんじゃあ、これからの事を少し話しておこうか? 昨日と違ってセーラー戦士も少しは余裕が出来ただろ?」
「……そのセーラー戦士ってもう決定なのかな? 普通に名前で呼ぶんじゃダメ?」
「それはダメだ。俺は誰かさんのせいで、異世界に住む人達の名前だけが聞こえないという、よくわからない呪いじみた翻訳魔法をかけられているんだから。おかげで、俺は初対面の人に愉快なニックネームをつけていくというキャラを強いられているんだよ。はっはっは」
別段面白くもなさそうに笑う俺を、セーラー戦士はジト目で見ていた。
「……絶対楽しんでるでしょ?」
「ば、馬鹿な! そんな事ありえないね! と、とにかく、公平を期すために例外を作るわけにはいかない! 涙ぐましい努力だとわかっていただきたいのですよ」
「……ずっとやってるんだ」
「そうだよ? 名づけるのはいつも苦労するんだ。妖精のトンボだろ? 竜の谷だと、長老さんの息子さんに対してスケさんってつけたりとか」
「スケさん? なんで?」
「すごい、スケベだったから」
「……」
セーラー戦士の視線が冷たい。
「……それはともかく話を戻そう。帰る方法を探すって昨日言ってたけど、その考えは変わらないの?」
俺の言葉に、彼女は強い瞳で頷く。
一晩経っても気持ちは変わらないか。
となれば、俺も手伝える事があるのなら力になりたいし、色々と話しておいた方がよさそうだ。
「まぁ、ええんじゃないかのう?」
そう言うカワズさんも巻き込もうと目配せを送るが、肩をすくめて傍観の姿勢である。
「あー、それじゃあ、とりあえずセーラー戦士の知ってる魔法について聞いておこうかな?」
「私の? 魔法なら太郎さん達の方が詳しいんじゃないかな?」
名前の件は諦めたらしいセーラー戦士が質問で返してくる。
「んー、セーラー戦士がどんな風に魔法について教わっているのか聞いておきたいなと思って。そこのところを、ひとまずはっきりさせておきたいんだよね」
「……じゃあ、わかった。まず、お互いの情報をすり合わせる感じで」
「うん。そういう感じでお願いします。それじゃあまずは言い出しっぺの俺の方から。もうわかっていると思うけど、俺はちょっと変わった魔法使いだ。珍しい魔法も相当数持っているし、君よりもかなり魔力は多い。俺が使えるのは属性魔法と……後はこんなのだね」
俺は手の平に魔法陣を展開し、ポンと煙の中から赤ぶちの眼鏡を作り出す。セーラー戦士は目を丸くして驚いている。
「すごいね。魔法で召喚したの?」
「いいや、こいつは今作った」
「作った!?」
更に驚くセーラー戦士に、俺はなんでもなさそうに軽く頷く。
「まぁこんな感じで大抵の事は出来るし、かなり自由に魔法を使えると思ってくれたらいい。はい、これ」
「……なに?」
「次は君が先生役だ」
真剣に俺の話を聞くセーラー戦士に、魔法で製作した伊達眼鏡を差し出す。途端、彼女は呆れ顔になった。
「はぁ……ひょっとして、コスプレキャラで定着させようとしてない?」
セーラー戦士はため息をつきつつも、眼鏡をかける。
案外ノリのいい子だ。
「じゃあ……私は実践レベルで使える魔法はだいたい習っているから、普通の魔法使いくらいの力はあると思う。奴隷みたいな名ばかりの勇者だったけど、魔法については教わっていたからね。それと、太郎さんみたいなものも少し使えるかな?」
「ほほう?」
そう言ってセーラー戦士は自分の服を軽く叩く。すると魔法陣が現れ、着ていた服の汚れがきれいさっぱり消えてしまった。
「おおっ。洗濯の魔法?」
この魔法が、常にセーラー服を着ているという現在のセーラー戦士を作ったわけですね。わかります。
「そうだよ。これ、地味に便利なんだ。こういう魔法は使う魔力が一定で、量もすごく少ない。補助魔法って呼ばれる事が多いかな」
「補助魔法?」
のっけから初めて聞く単語が出てきた。
「そう。それと属性魔法だね。基本の属性は火・水・地・風・空の五つで、こっちは一度に込められる魔力は一定じゃなくて、量にも上限がない。私が教わったのはこれくらいかな。基本的に属性魔法が上位の魔法で、それ以外は補助魔法って括りだと聞いてるよ」
「ん? それって本当?」
「まぁ、聞いた限りだとね。私が今までに会った魔法使いは五属性の魔法、それにさっき見せたみたいな補助魔法をいくつか使えるだけって人が大半だったかな? こっちの世界の魔法使いは、だいたいTVゲームに出てくるみたいな感じって考えればわかりやすいかも」
「あー、手から火とか水とか出す感じね」
「うん、そんな感じ」
セーラー戦士はそう言って説明を締めくくる。
だが、彼女の説明を聞いて、俺にはいまいち納得出来ない部分があった。
属性魔法の方が上位だと?
しかも今聞いた分類でいくと、俺の魔法はほとんど補助魔法って事か。翻訳や解析魔法は補助って感じだが、死者蘇生や異世界転移もそうだとするとかなり疑問だ。補助って言葉の範疇を超えている気がする。
「カワズ先生、セーラー先生はこう言っておられるが、なんか俺が教わったのと少し違わないか? 補助魔法なんて初めて聞いたんだけど?」
俺はギロリとカワズさんを睨む。するとカワズさんは気まずそうに目を逸らした。
そういえば、セーラー戦士が話し始めたあたりから居心地悪そうにしていたな。途中からは明らかに挙動不審だったし。
己の失策に気づき、打開策を練っていたようだが――。
「……しらんな」
結局、思いつかなかったらしい。俺はカワズさんの頭を片手で掴み、その顔を至近距離で凝視する。
「嘘だな。この期に及んで往生際が悪いぞ? 食い違いについて、きっちり説明OK?」
しかしカワズさんは俺の圧力にじっと耐えるだけで、こちらを見ようともしない。この蛙、自分の置かれている状況がまだわかっていないらしい。
俺はカワズさんに、努めて平坦な声で囁いた。
「カワズさん……あんたは今、意見を主張出来る立場じゃない。もしだ……もし、あの、人を人とも思わない、不眠不休のカンヅメ状態で叩き込まれたお勉強になんの意味もなかったんだとしたら……俺、なにするかわかんねぇよ?」
「……!」
カワズさんがゲコリと喉を鳴らす。しばらく目が泳いでいたが、ガクリと肩を落としてようやく観念したようだった。
「はぁ……ええい、クソ。まさかこんな展開になろうとは……。まぁあれじゃ、今の一般的な魔法理論なんぞ、お前さんに教えてもなんにもならんからじゃよ」
セーラー戦士はきょとんとしている。カワズさんは続けた。
「……そもそも、補助魔法なんて呼び方自体が実態を正しく表していないからのぅ。大体お前さんの魔法のほとんどは高度な物ばかりじゃし」
「そうなんだよね。私も、私を呼び出した魔法が補助っていうのはおかしいなって思ってたんだ」
セーラー戦士が同意するとカワズさんもまた深く頷いた。
「そうじゃろう? 属性魔法は、ただ使うだけなら難易度が低いからのぅ。しかし、まず属性魔法を使えるようにならねば、補助魔法は使えんのじゃ」
「でも、そのなんでやたら複雑な補助魔法よりも属性魔法が上位かって話だよな。そこんとこどうなの?」
ずいぶんと面倒な事になっているようだが、そこでカワズさんのトーンが一段落ちた。
「……それは、魔法使いが属性魔法を特別視しとるにすぎん」
「つまり、魔法使いの実力を象徴しているのが属性魔法の強さってことじゃないかな?」
カワズさんが先を続ける前にそう言ったのはセーラー戦士だった。
その言葉に俺も納得する。俺自身も、すでに属性魔法の威力は体感しているのだ。……山に大穴あけたもんなぁ。威力が目に見えてわかる以上、特別視するのも頷ける。
セーラー戦士は、少し考えるそぶりを見せ、記憶をたどるように話し出した。
「今の話とどこまで関係があるかわからないけど、魔法使いの家系に代々魔法陣が受け継がれているって聞いた事がある。家系ごとに優秀な魔法を持っていて、自分の代でその魔法をもっと威力があって効率がいいものになるように研究するんだって。威力、っていうくらいだから、きっと属性魔法なんだと思う。そういう意識が現状にも関係してるとか?」
セーラー戦士の話を聞いて、代々伝わる魔法陣とかなんかかっこいいな、などと考えていると、カワズさんが口を開いた。
「……まぁ、そういうことじゃな。そして改良出来るのはなにも属性魔法ばかりではない。ここからがお前さんにとっての本題じゃ。昨日も話したが、古代の書物を紐解くと、たまに魔法陣が見つかる事がある。じゃが、そのどれもがかなりの魔力を使うんじゃよ。わしら魔法使い達は、最初それを欠陥魔法と呼んでおった。使えぬ机上の空論だとな。しかし、その内のいくつかを改良して日常的に使えるようにもしておる。おぬしの使った洗濯の魔法然り、おそらくは異世界人召喚もそうじゃろう。今ある補助魔法の多くは、これらを復元して改良したものなんじゃよ。見つけられればじゃが、送還の魔法陣もこの欠陥魔法ということになる」
カワズさんの説明に、俺とセーラー戦士は聞き入る。
「そうして考えれば疑問もわいてこよう? なぜ古代の魔法使い達は、魔法を使い勝手の悪い状態で残したのか? 独自の魔法陣を生み出せるほどの力を持った先達が、わしらでもまだ改良の余地があると思える状態で残している意味がわからない」
「なんか見えてきた。昔はそもそもそんな改良なんてしなくても、魔法を使えていたって事なんじゃないか?」
俺がダウンロードして使っている魔法を、こっちの世界の人間はおいそれと使えない。それは魔力の消費が大きすぎるためだ。
そんな魔法を俺が気軽に使えるのは、膨大な魔力の下地があってこそ。
俺の台詞にカワズさんはしぶしぶ頷いた。
「おそらくな。言っておくが、竜や妖精すら神代と伝えるような時代じゃから、ここからはあくまで想像でしかないぞ? 要因はわからんが、時が経つにつれて魔法使いの扱える魔力が少なくなってしまった。その結果、今日、補助魔法と呼ばれる類の魔法は、改良なしに使うのが難しくなってしもうた、と。そして、一番他者と優劣をつけやすく、力の強さがわかりやすかったのが攻撃に使える属性魔法だった。それが属性魔法の優位に繋がったのだろう。魔法使い達は大量の魔力を必要とする魔法を捨て、少ない魔力でいかに威力を出すか、それに固執するようになった」
それがこの世界の現状というわけだ。俺はポンと手を叩くと、カワズさんに言った。
「要するに今の魔法使いは……自分達の低い魔力に合わせて魔法を使っているだけって事か?」
「ああそうじゃよ! だから話したくなかったんじゃ!」
ぷんぷんと頬を膨らませて怒るカワズさん。確かに、魔法一筋で生きてきたカワズさんにとって、今の話はプライドが傷つく事だろう。
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