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説明よりも?
しおりを挟む「100%俺かよっ!」
青年は何か意味のわからない事を言った。
聖女はアレを隠して貰った事で、やっと青年の方を真っ直ぐに見る事が出来た。
青年がどんな力を持っているのか?
悪人なのか善人なのか?何もわからない。
自分がどれだけ危険な状態にいるのか………肌に感じていた。
勿論、青年が下半身裸だという状態が一番の理由だが。
早く事情を説明して協力をお願いしないと………聖女は焦っていた。
しかし先ほど青年が叫んだ意味がわからない。
もしかして言葉が通じないのでは?まずそれを確認しなければ……
「あ、あの、私の言葉わかりますか?」
聖女は青年に向かって声を掛けた。
青年は頷き、「大丈夫わかるよ、日本語上手だよ。」
またわからない言葉を聞いたが、言葉の種類なんだとわかった。
「え?ニホンゴ?私の話してるのはクリエステ語です。あなたもクリエステ語で会話してますよ。」
「え?クリエステ語?え?俺が?」
青年が声に出している言葉は間違いなく、聖女の母国語のクリエステ語。聖女は青年に向かって頷く。
そして説明をしようと
「と、とりあえず会話は大丈夫なようなので、事情を説明させてもらってもいいですか?」
勇者の時は、事情の説明をする為に聖女や王や兵士で対応したが、今回は聖女1人。
王もやはり過労気味で部屋で休息をとっていた、王女も勇者の妻達も呪いで青年を襲う可能性が高い。
生き延びている男兵士も過労で寝込んでいる、女兵士ばかり元気だが武術に長けている者を青年の前に連れてくるのは目に見えて危険だ。
現在、呪いの影響を受けてないのは神の加護を持っている聖女だけなのだ。
青年も今の状況に混乱して早く知りたいはず……そう思っていた聖女だったが、返ってきた返事は違った。
「すいませんが、説明よりティッシュないですか?あとパンツとかズボン欲しいです。」
説明よりも?ティッシュ?パンツとズボンはわかるけど………とりあえず準備して説明を聞いて貰わないと
「わ、わかりました。今準備させますの………テッィッシュって何ですか?」
「え~とペーパー?あ~もう!何か手を拭く物ください。出来れば洗いたいんですけど」
青年との会話には所々わからない言葉が出てくる、今度はペーパー?会話の内容で拭く物の事らしい。なぜか手を洗いたいらしい………勇者の時は洗いたいとは言わなかったのに………
「ペーパー?拭く物の事なんですね。わかりました、水差しがありますからそれで洗えますから。今全部準備して貰いますから、そこから動かないでくださいね。絶対ですよ!」
本当に動かないで欲しい。今の青年の姿で部屋から出たら間違いなく襲われる………襲われたとしても青年がどんな力があるかわからない………襲った方も命の保証は出来ない。
聖女は強く青年にお願いした。
「お願いします!」
しかし青年は頷き……逆に必死な口調でお願いされた。
何をそんなに………聖女はそう思ったが気がついた。
下着がないから落ち着けない事に………
すぐに廊下に出た聖女は待機させていた侍女に、簡単に召喚が成功し青年が現れた事と青年の下半身の衣服が無い事、そして拭く物が欲しいと伝えた。
伝えたのだが、侍女は意味が理解出来ずすぐには動いてくれなかった。
ましてや侍女も呪われていた為、青年が下半身に何も着けていないなど聞かされては[この部屋にすぐに食べられるごちそうがありますよ?]と言われているに等しい。
しかし侍女は歯を食い縛り泣く泣く衣服と拭く物を取りに行った。
聖女は侍女が帰ってくるまで、必死にドアを押さえて待っていた。青年が出ないように………
すぐに侍女は持って来てくれた………くれたが、荷物を渡そうとしてくれない。それどころか部屋に入ろうと………
侍女を何とか止めて荷物を無理やり受けとる。そして急いで部屋の中入った。
歴代の勇者には転移の魔法を使える者もいたと教会に残っていた文献にあった。もしかして………と危惧していたが、青年は先ほどの所から一歩も動いていなかった………いなかったが、ガタガタと足が震えていた。
聖女はすぐに先ほどトレー(おぼん)を置いた所に荷物を置いて、距離をとった。
「と、とりあえず大きさ合うかわかりませんが、ズボンと下着とタオル持ってきました。あっ水差しも今そこに持って行くので動かないでくださいね。」
水差しの事を思い出しすぐに、もう一度置きに行った。勿論、警戒しながら………
青年は素直に聞いてくれている。もしかして危険は少ないのかも………少し気持ち的に軽くなった聖女は青年の動きを静かに眺めていた。
青年はヨタヨタと荷物に近づいて行ったが………荷物を取ろうとしない。
右手はトレー(おぼん)を持っているが、左手は空いている。
衣服が気にいらない?
「あ、あの、とりあえずなので、お気に召さないかもしれませんが後で他にも準備しますから。着て頂けませか?」
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