鬱陶しい勇者が背後霊になった件

りん

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 背後から魔力の動きを感じた瞬間、形振り構わずその場を離れた。
 一番厄介そうなのを取り逃がしたのは誤算だったが、命には変えられない。

 自身が居たはずの場所を風の刃が通過したのを見て、間違いはなかったな、とエイラはそう思った。
 命のやり取りは未だ終わっていない。だが、戦いが始まってからずっと、頭と心の底は冷えたままだ。
 怪我の痛みも、死の恐怖も判断と行動には何の影響も及さなかった。
 泣き出したいほど痛くて怖いのに、涙の一つも溢れなかった。

 何故か。
 言うまでもない。

『泣くな。視界が滲む』

 姿は見えないくせに、上から目線で指示を出す男がいたからだ。
 死なずに済んだ。という意味では彼がいて良かったのかもしれないが、彼がいたせいでこんな痛くて怖い思いをした。だから、また一つ嫌いになった。

 迫る風の刃を、ほぼ無意識に結界で防いだ。

 そういえば、まだ終わっていないのだったか。
 魔力残量が少々厳しくなっていたため、問題はないだろうと思い追撃はしなかったが、もう一発【爆破】を打ち込むべきだった。

「行くぞ! 勇者!!」

 勇者と呼ばれるのが、堪らなく不快だった。
【爆破】の影響が大きいのだろう。ふらつきながらではあったが、死力を尽くしエイラを倒すという意気は感じられた。

 ただ、最早エイラが何かするまでもない。
 直撃でなかったとはいえ、人体を簡単に爆散させる威力を持った魔術の余波を受けたのだ。
 吹っ飛んだ衝撃により、骨の数本が壊れていてもおかしくはない。内臓だって無事ではないだろう。歩けるだけで大したものだ。

「っ……ぐぅ……」

 大きくふらつく男。剣を支えに踏みとどまったが、限界であることは明白だった。
 けれど、どこまでも無慈悲にエイラは【爆破】を使った。

「ぐっ! かっ……!」

 結界で防いだようだが、強度が足りていない。
 直撃は避けたが衝撃は殺し切れず、余計に苦しい状況に陥ってしまっている。
 そして男は倒れたまま動かなくなった。

 どうやら本当に限界らしい。
 エイラは投げ捨てた剣を拾い、引き摺りながら男に近づいていく。
 間合いに入ったとき、男が剣を振った。最後の力だったのだろう。それなりの速さはあったが、逃げ出した男に比べれば、遊びのようなものだった。

 随分とあからさまに使ってきた結界だったため、自信有り気だった剣を防ぐのに使うのは避けていたが、この程度なら問題はないだろう。
 念のために二枚張り、間合いから出る準備は整えておいたが、剣は一枚目に食い込むことすらなかった。

 結界を一枚解く。これでもう一つ魔術を使える。
 エイラは【身体強化フィジカルアップ】を起動して、両手で剣を振りかぶる。
 あぁ、そういえば。

「言い遺すことは?」
「っ! いずれ、我らの王が、必ず貴様を滅ぼす!」
「そう」

 無関心に返事をして、特に躊躇わず重力と腕力に任せて剣を振り下ろした。
 そして硬い手応えを残して、男の首が転がっていった。

 遺された恨言はエイラに何の影響も与えなかった。



 ◆



 念のため、護衛たちを確認したが、生き残っている者はいなかった。
 残念ではあるが、エイラが見捨てた結果だ。あそこで躊躇えば、エイラも助からなかったのだから。

「どうしようかな……」

 馬車は無事だが、馬も御者も死んでしまった。
 ユリアとベルはどこに行ったか分からない。エイラは今、一人ぼっちというやつだ。いや、厳密にはもう一人いるのだが。

『いやぁ、どうにもならないかな。ここから歩くのは君の足じゃあ無謀だ。君が着かなければ聖国から確認とか迎えが来るだろうし、雨風凌げて食料もある馬車で待つのが無難だと思うよ』
「でも、あいつが戻って来ない?」
『一人で来るなら仕留めれば良い。仲間を連れて来るまでには迎えも来るだろうから、大丈夫だと思うよ』
「ならまぁ、いいか」

 仕留められることを前提に話している辺り、随分と思考回路が変わったようだ。
 実際、現在のエイラなら、ツヴァイ相手と一対一であればまず負けることはないだろう。

「怪我、大丈夫かな?」
『【微風】で飛んだ負担の分に関しては、放っておけば治るから大丈夫。最後に剣を受けた掌はあんまり良くないね。放っておくと化膿しそうだ』
「でも、わたし【治癒ヒール】使えないし」
『馬車の中に傷薬くらいならあるだろう。探してみると良い』

 初陣を済ませてからそう経っていないとは思えない、落ち着いた姿だった。

「これかな」
『多分ね。軟膏みたいだし塗っておけば良いんじゃないかな』
「ちょっと沁みる」
『薬なんて大体はそんなものさ』

 掌の傷に塗るとすぐに出血が止まったため、強い効果の薬だったのだろう。
 さすが王国が持たせてくれただけのことはある。

「お腹空いた……」
『そりゃあ、あれだけ動けばね。氷室の中には腐りやすい物が入ってるから、それから食べよう』
「お肉って、焼けばいいの?」
『そうそう、馬車の中だと危ないから、外に出て焼こう。【発火】を維持していれば焼けるよ』
「簡単だね」

 言葉通り、【発火】を維持することで燃料なしでフライパンを温め、危うい手つきながらも、中まで火が通った肉を焼くことができた。

「……かたい」
『まぁ、初めてだから仕方ないさ。機会があったらまた練習すればいい』

 出来は然程良くなかったようだが。



 そんな感じの日々を送って三日ほど経った頃、次に寄る予定だった街から迎えがやって来た。

 馬車周りの状況――地面が抉れ、焼け焦げ、ある程度集めてあるとはいえ無惨な死体が散乱している――に困惑していたものの、勇者の紋章を見せたエイラの拙い説明と、魔族の死体という動かぬ証拠が提示され、彼女は無事保護された。

 聖国の騎士とやらに無闇矢鱈と称えられ、うんざりはしたが、久し振り(王女比)に雑な調理ではない食事を摂れて実に満足していた。
 また、騎士の一人が【治癒】を使えることが分かったので、教えてもらうついでに掌を治してもらうことになった。

「では、失礼いたしまして、【治癒】。」

 騎士が患部に手を当てそう呟くと、掌の傷が淡く光った。
 じくじくと、ずっと感じていた痛みが和らいでいく。

「【治癒】は、傷を塞ぐ魔術ではありません。治癒力を向上させるための魔術なのです」

 つまり、魔術で直接傷を塞いでしまうと、効果が切れればまた傷が開いてしまう。だから、違う方法で傷に干渉しなければならない。
 その方法が、身体が傷を治そうとする力を『もっと強かった』ことにする魔術を使うことなのだ。これならば、効果が切れてもその力が元に戻るだけで、傷が治ったという結果は変わらない。
 あるいは別の方法もありそうだが、エイラにはいまいち思いつかなかった。まぁ、お手本のお陰で【治癒】は使えるようになったので、特に問題はない。

「でも、これだと千切れたりすると治せないね」
「えぇ、そちらには【再生リジェネレイト】という魔術が必要になります」
『【再生】は適性がないと使えないタイプの魔術だからね。その分効果も強いんだよ』

 適性とは、努力では決して超えられない壁。端的に言えば才能のことである。
 魔術の腕、強さの上限というものは、この適性である程度決まってしまう。

 なんてやり取りをしているうちに、【治癒】が完了した。

「申し訳ありません……跡が残ってしまいました。この罰は如何様にも……」
「……いや、ちゃんと動くし、痛みもない。これで良いよ。ありがとう」
「寛大な処置、ありがとうございます!」

 一瞬、罰として死ねとか言ったらどうなるんだろうな、と考えたが、すぐさま『普通に死ぬよ。周りの人も勇者様が説明すれば何も言わないし』という恐ろしい答えが聞こえたので素直に礼を言った。
 敬われること自体は慣れているが、さすがにここまで過剰なのは慣れていない。若干恐怖すら感じていた。

 まぁ、エイラと騎士たちの関係は、大体こんな感じであった。



 ◆



 その後は何事もなく聖国の首都、聖都まで辿り着いた。
 逃げた男がいつやって来るかと警戒していたのだが、特に意味はなかったようだ。警戒していたから来なかった可能性もあるのだが。

 聖都は美しい街だった。
 建物の構造自体は王国とそう変わりないように見えるが、全体的に白い。
 白い建物など、すぐに汚らしくなってしまいそうなものだが、そのように薄汚れた建物は民家であってもない。それだけ住人の意識が高く、管理が行き届いているのだろう。

 そんな美しい街並みを見ても、エイラは新鮮味というものを全く感じなかった。むしろ、どこか懐かしさすら感じるほどだ。
 言うまでもなく、奴のせいである。

『まぁ、僕が一番長い時間を過ごしている街だからね』

 最早悪びれすらしないウィレームだった。
 今回に関してはエイラもそれほど気にしていないから構わなかったが、そうでなければまたエイラからの高感度が下がるところだった。既に底辺近いという事実は、置いておくとして。

 護衛の騎士を伴って、エイラの乗った馬車は聖都を進んでいく。
 今までの街とは違い、ここでは馬車を見物しにくる者が多いようだった。

 何故分かるのかと聞かれれば、外からやたらと歓声が聞こえるからだ。勇者様、と不快な呼び方が混ざった歓声は、間違いなくエイラに向けられたものだろう。

 それでも、馬車が急停止したり、今以上に減速したりもしないことから、聖都の人々はかなりマナー良く見物しているのだが、そんなことがエイラに分かるはずがない。
 不機嫌なエイラを載せて、馬車はゆっくりと進んでいく。

 聖都の中央、大聖堂へと。



 ◆



 大聖堂の中は、荘厳という言葉が似合う。

 けれど、そこで一番偉いらしい教皇にそのような雰囲気はなく、好々爺といった言葉が似合う雰囲気だった。

「お初にお目にかかります。勇者教会の教皇を務めさせていただいている、カイザと申します。御名を受けてもよろしいでしょうか?」
「エイラ・フォン・アレイアスと申します」

 ご立派な椅子を降り、跪いてエイラと視点を合わせて来たカイザに戸惑いつつ、素直に返事をした。

「ありがとうございます、エイラ様。念のため、紋章の確認をさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」

 ごそごそと袖を捲り、肩を出す。
 この世界の価値観であれば、いくら五歳児とはいえ、本来ならはしたないと叱られる行為ではあるが、必要なことである以上は仕方がないだろう。そもそもエイラは一切気にしていないが。

「えぇ、えぇ、確認させていただきました。ありがとうございます。そして改めて、勇者様、よくぞお戻りになられました」

 答えに窮していると、カイザは緩く微笑んで言葉を続けた。気を遣ってくれたのだろう。

「ところで、勇者様の御名には慣例がございまして、『ウィレーム』を名乗ることが許されているのです。エイラ様も、もしよろしければ、今後はエイラ・ウィレーム・フォン・アレイアス、とお名乗りください」

 気を遣ってくれたにしては随分と頷きづらいことを言ってくれたが、慣例であるのなら仕方がないだろう。
 エイラは鬱陶しいウィレームは嫌いだが、『初代勇者ウィレーム』は嫌いではないのだ。

「あとは、そうですね。聖都に来るまでに、魔族に襲撃されたと伺いましたが」
「あぁ、はい。馬車で移動していたら、いきなりでした。護衛たちも皆、よく戦ってくれていたのですが……」

 全滅したと、言外に告げる。
 侍女二人のことは言わなかった。勇者を見捨てて逃げ出したと言えば、色々と良くないだろうから。

「ふむ、襲撃して来た魔族は四匹だったのですな?」
「はい、そのうち三匹は仕留めましたが、最も強かった一匹は取り逃してしまいました」
「御身が生き残ったことが最善です。更に三匹も仕留めたというのであれば、何も言うことはございません」

 護衛を務めていた者たちは、しっかりと弔っておきましょう。
 カイザのその言葉で、二人の初対面は幕を閉じた。
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