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終わらない責め苦
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素直に流れる亜麻色の髪を振り乱しながら必死に少年に縋りつく美しい少女。
その身体は細かく震え、時おり激しく跳ね上がる。
「あああっ!! まだイってるからっ! もうだめ、ゆるしてえっ」
「なに言ってんの? 君のここ、しっかり僕を咥え込んで離さないのに」
少年は天使のように美しい顔を紅潮させながら彼女の片脚を持ち上げ、身体を交差させて繋がりを深くする。そのまま腰を強く打ち付け、時おり回すように動く。
「そこっ、もうやだぁ! おく、むりぃ! んんんっ!!」
「またイったね。なんて愛らしくていやらしいんだ、ヴィヴィ。君は最高に美味しいよ。
もっと悦ばせてあげるから、良い声でいっぱい啼いてね」
愉しげに攻め立てる少年は、その赤い瞳を細め唇を彼女の胸元に寄せる。
「そこ、もっ、だめぇ」
「ああ、君はここも弱いからねえ。すぐにイっちゃうよね?」
そう言いながら尖りきった先端を口に含み、軽く歯を立てながら舌を絡める。
堪えようのない快楽に抗えず、言葉も紡げずに達し続ける彼女を容赦なく穿ち、少年は耳元に囁く。
「憐れな僕のご馳走ヴィクトワール。
皮肉だよねえ。君は負けっぱなしで、勝利なんて名前には相応しくないのに」
そう、彼女は負け続けている。
だけど彼に出会ったあの夜までは、彼女は輝かしい人生を歩んでいた。
「ヴィクトワール・ド・サンテール!
君は聖女フルールを虐げ、殺害を試みた。よって婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
寝耳に水とはまさにこのことだろう。
今日はヴィクトワールを含めた卒業生たちが責任ある大人として生きていく門出を祝す日だ。
卒業を祝う式は午前中に終わり、今は舞踏会の始まりを皆が心待ちにしている時間。
昨年に卒業したピエール第三王子殿下は婚約者であるヴィクトワールを祝い、彼女をエスコートし共に過ごすためにここに来ていた筈。
なのに一体何を言っているのだ、この男は。
目の前の阿呆、いや、王子の言葉の意味は分かるけれど、理解できない。
ヴィクトワールは表層では静かに王子と向き合っているが、深層は非常に混乱していた。
「は? あの、殿下、わたくしは聖女フルール様にはお会いしたこともないのですが?」
聖女フルールはヴィクトワールの二学年上に在籍していた卒業生。しかも学生時代から聖女として忙しく働いていた彼女と会う機会など滅多に訪れない。
彼女と入れ替わりで入学したヴィクトワールはただでさえ王子妃教育に明け暮れ、聖女と会おうなどという考えに至らなかった。
「見苦しいぞ!! 連れて行け!」
ヴィクトワールの言い分を聞きもせずに騎士に連行させる王子の口元が醜くつり上がるのを見て、彼女は気付く。
彼は騙された訳でも勘違いをしている訳でもない。自分が何もしていないのを承知の上で、冤罪を被せているのだと。
「卑劣です! わたくしがお気に召さないのなら、婚約を解消して下されば良かったではないですか!!」
そう言った瞬間、王子の目に危険な光が宿る。
「気に入らないどころの話じゃないんだよ、ヴィック」
そう言うなり背を向ける婚約者に気圧されて何も言えないままに、会場の外に連れ出され馬車に乗せられた。
罪人とは思えない華美なドレスのまま、明らかに貴族の女性を乗せていると分かる豪華な馬車に揺られている。こんな状況だと、自分が追放されたのが嘘のようだと思うヴィクトワール。
馬車には外からしっかりと閂がかかっている。でも中には彼女だけで誰も乗り込んでいないせいか、余計に連行されているという認識がない。
周囲を取り囲み、騎乗で並走している騎士たちも一切の無駄口を叩かず、蹄と車輪の音だけが夜の静寂に響く。
どれ程経ったのか、もう時間の感覚すらおかしくなり始めた頃、やっと馬車が停まり、閂が外される音がした。
「着きました。下りて下さい」
ここで声をかける騎士に反抗し拒否したところで、無理やり引きずり出されるだけだろう。
「ここはどこです?」
連れ出された場所は森の入り口だ。
今は夜だが、鬱蒼としたその様子から、昼もあまり日が差さないだろうと推測される。
「国境近くの森です」
「国外追放なのに、まだ国境の手前なのですか?」
普通は隣国に入るところまで見張るのではないのか。
不思議に思い質問するも、何も答えない騎士にこれ以上訊いても無駄だと悟り、これからどうするべきか頭を悩ませる。
もしも本当に隣国に連れて行かれていたなら何も問題はなかった。叔母が隣国の伯爵家に嫁いでいる。そこに連絡をとり、そこから父に取り次いでもらえば当面の計画は立てられた。
そう言えば、父はどうしているのだろう。
サンテール侯爵家の当主である父とは特に仲が良くも悪くもない、一般的な高位貴族にありがちな淡々とした間柄だ。
しかしれっきとした契約に基づく婚約の相手を一方的に糾弾し追放したやり方には抗議するだろう。しかもあのクソ王子は、それが冤罪だと認識している。
それを水に流しては貴族として失格だろう。
思索にふけっていたヴィクトワールの前に大きな男が立つ。言うまでもなく、ここまで連行してきた騎士だ。
気付いて見回すと、前どころか全方位を囲まれている。五人もの騎士たちに。
「何ですか?」
「何ですか、だって? 呑気だな、流石は箱入りのご令嬢だ」
「アンタ、自分の置かれてる状況が分からないのか?」
下卑た笑いを浮かべる彼らに思い知らされる。まさかとは思ったけれど、やはりこれは〝そういう〟ことか。
何とかして逃げないといけない。しかし既に周りを取り囲まれている。
そうでなかったとしても、重いドレスを着た女の自分が、武装した騎士たちから逃げ切れるとも思えないが。
「あれえ? こんなところで何してるの?」
緊迫した空気を引っかき回すような能天気、もとい明るい少年の声が聞こえる。
思わずそちらを見たヴィクトワールは目を瞠った。
夜でも輝く銀の髪に赤い瞳の美しい少年が楽しそうにこちらを見ている。
年の頃はヴィクトワールより一つか二つ下だろうか。成長途上にあると思われる背丈と体格が、屈強な騎士と比べると如何にも頼りなさげだ。
こんな夜に人気のない森の入り口にいるのもおかしいけれど、こんな状況に出会して楽しそうに笑うのはもっと変だと思う。普通ではない。
普通ではないけれど、どう見ても戦い慣れているということはないだろう。
そして多勢に無勢、おまけに体格差からして彼が騎士たちに敵うとは思えない。
それでも今の彼女には選択肢がない。どんなに怪しく頼りにならない相手だろうと、藁をもすがる思いで手を伸ばすしかなかった。
「助けて下さい!」
「え? 何のために?」
その身体は細かく震え、時おり激しく跳ね上がる。
「あああっ!! まだイってるからっ! もうだめ、ゆるしてえっ」
「なに言ってんの? 君のここ、しっかり僕を咥え込んで離さないのに」
少年は天使のように美しい顔を紅潮させながら彼女の片脚を持ち上げ、身体を交差させて繋がりを深くする。そのまま腰を強く打ち付け、時おり回すように動く。
「そこっ、もうやだぁ! おく、むりぃ! んんんっ!!」
「またイったね。なんて愛らしくていやらしいんだ、ヴィヴィ。君は最高に美味しいよ。
もっと悦ばせてあげるから、良い声でいっぱい啼いてね」
愉しげに攻め立てる少年は、その赤い瞳を細め唇を彼女の胸元に寄せる。
「そこ、もっ、だめぇ」
「ああ、君はここも弱いからねえ。すぐにイっちゃうよね?」
そう言いながら尖りきった先端を口に含み、軽く歯を立てながら舌を絡める。
堪えようのない快楽に抗えず、言葉も紡げずに達し続ける彼女を容赦なく穿ち、少年は耳元に囁く。
「憐れな僕のご馳走ヴィクトワール。
皮肉だよねえ。君は負けっぱなしで、勝利なんて名前には相応しくないのに」
そう、彼女は負け続けている。
だけど彼に出会ったあの夜までは、彼女は輝かしい人生を歩んでいた。
「ヴィクトワール・ド・サンテール!
君は聖女フルールを虐げ、殺害を試みた。よって婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
寝耳に水とはまさにこのことだろう。
今日はヴィクトワールを含めた卒業生たちが責任ある大人として生きていく門出を祝す日だ。
卒業を祝う式は午前中に終わり、今は舞踏会の始まりを皆が心待ちにしている時間。
昨年に卒業したピエール第三王子殿下は婚約者であるヴィクトワールを祝い、彼女をエスコートし共に過ごすためにここに来ていた筈。
なのに一体何を言っているのだ、この男は。
目の前の阿呆、いや、王子の言葉の意味は分かるけれど、理解できない。
ヴィクトワールは表層では静かに王子と向き合っているが、深層は非常に混乱していた。
「は? あの、殿下、わたくしは聖女フルール様にはお会いしたこともないのですが?」
聖女フルールはヴィクトワールの二学年上に在籍していた卒業生。しかも学生時代から聖女として忙しく働いていた彼女と会う機会など滅多に訪れない。
彼女と入れ替わりで入学したヴィクトワールはただでさえ王子妃教育に明け暮れ、聖女と会おうなどという考えに至らなかった。
「見苦しいぞ!! 連れて行け!」
ヴィクトワールの言い分を聞きもせずに騎士に連行させる王子の口元が醜くつり上がるのを見て、彼女は気付く。
彼は騙された訳でも勘違いをしている訳でもない。自分が何もしていないのを承知の上で、冤罪を被せているのだと。
「卑劣です! わたくしがお気に召さないのなら、婚約を解消して下されば良かったではないですか!!」
そう言った瞬間、王子の目に危険な光が宿る。
「気に入らないどころの話じゃないんだよ、ヴィック」
そう言うなり背を向ける婚約者に気圧されて何も言えないままに、会場の外に連れ出され馬車に乗せられた。
罪人とは思えない華美なドレスのまま、明らかに貴族の女性を乗せていると分かる豪華な馬車に揺られている。こんな状況だと、自分が追放されたのが嘘のようだと思うヴィクトワール。
馬車には外からしっかりと閂がかかっている。でも中には彼女だけで誰も乗り込んでいないせいか、余計に連行されているという認識がない。
周囲を取り囲み、騎乗で並走している騎士たちも一切の無駄口を叩かず、蹄と車輪の音だけが夜の静寂に響く。
どれ程経ったのか、もう時間の感覚すらおかしくなり始めた頃、やっと馬車が停まり、閂が外される音がした。
「着きました。下りて下さい」
ここで声をかける騎士に反抗し拒否したところで、無理やり引きずり出されるだけだろう。
「ここはどこです?」
連れ出された場所は森の入り口だ。
今は夜だが、鬱蒼としたその様子から、昼もあまり日が差さないだろうと推測される。
「国境近くの森です」
「国外追放なのに、まだ国境の手前なのですか?」
普通は隣国に入るところまで見張るのではないのか。
不思議に思い質問するも、何も答えない騎士にこれ以上訊いても無駄だと悟り、これからどうするべきか頭を悩ませる。
もしも本当に隣国に連れて行かれていたなら何も問題はなかった。叔母が隣国の伯爵家に嫁いでいる。そこに連絡をとり、そこから父に取り次いでもらえば当面の計画は立てられた。
そう言えば、父はどうしているのだろう。
サンテール侯爵家の当主である父とは特に仲が良くも悪くもない、一般的な高位貴族にありがちな淡々とした間柄だ。
しかしれっきとした契約に基づく婚約の相手を一方的に糾弾し追放したやり方には抗議するだろう。しかもあのクソ王子は、それが冤罪だと認識している。
それを水に流しては貴族として失格だろう。
思索にふけっていたヴィクトワールの前に大きな男が立つ。言うまでもなく、ここまで連行してきた騎士だ。
気付いて見回すと、前どころか全方位を囲まれている。五人もの騎士たちに。
「何ですか?」
「何ですか、だって? 呑気だな、流石は箱入りのご令嬢だ」
「アンタ、自分の置かれてる状況が分からないのか?」
下卑た笑いを浮かべる彼らに思い知らされる。まさかとは思ったけれど、やはりこれは〝そういう〟ことか。
何とかして逃げないといけない。しかし既に周りを取り囲まれている。
そうでなかったとしても、重いドレスを着た女の自分が、武装した騎士たちから逃げ切れるとも思えないが。
「あれえ? こんなところで何してるの?」
緊迫した空気を引っかき回すような能天気、もとい明るい少年の声が聞こえる。
思わずそちらを見たヴィクトワールは目を瞠った。
夜でも輝く銀の髪に赤い瞳の美しい少年が楽しそうにこちらを見ている。
年の頃はヴィクトワールより一つか二つ下だろうか。成長途上にあると思われる背丈と体格が、屈強な騎士と比べると如何にも頼りなさげだ。
こんな夜に人気のない森の入り口にいるのもおかしいけれど、こんな状況に出会して楽しそうに笑うのはもっと変だと思う。普通ではない。
普通ではないけれど、どう見ても戦い慣れているということはないだろう。
そして多勢に無勢、おまけに体格差からして彼が騎士たちに敵うとは思えない。
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