Select Life Online~最後にゲームをはじめた出遅れ組

瑞多美音

文字の大きさ
42 / 85

42 メンバー

しおりを挟む
 案山子さんと連れだってやって来たのは全部で4人。
 女のひとが3人と男のひとが1人。うん、なんだろうね、みなさん美男美女ですねー……わたしが気後れしちゃったらどうするんだよー。ま、しないんだけどさー……気分的に言ってみたよ。
 案山子さんはへのへのもへじといっても過言でないお顔だから気にならないけど、やっぱりみんな顔とか少しは変えてるのかな?あんまりいじりすぎると不自然になるらしいけど……
 ベルやシュウはアニメちっくなこと以外リアルと変わらずほぼそのまま……うん、キャラメイクすらもゲームを早く開始したいためにすっ飛ばしたんだろうなーって簡単に想像できちゃったよー。
 でもさ、みんなデフォルトでこの顔だったらすごい集団だよねー。

 「おーい、リリー聞いてる?」
 「え、なに?聞いてなかった、ごめん」
 「リリーにメンバー紹介したいんだけどいい?」
 「あ、うん」
 「右からアリッサ、ルティ、タミル、常夏だよ。常夏以外は一緒にパーティ組んでるメンバーだよ。で、こっちがリリーね!」
 「「「「よろしくね(な)」」」」
 
 アリッサさんは青く長い髪をポニーテールにしたクール系美女でシュウや常夏さんのリアフレらしい。そしてお胸がボイーン……う、羨ましくなんて……あるっ。ぐすん。
 ルティさんはピンクの髪をツインテールにしている。格好は魔法少女風。うん、昔アニメで見たことあるやつに似てる。それが似合っちゃう美少女さんで、わたしやベルと同い年なんだって。
 タミルさんは金髪のウェーブボブ。背も女性陣の中で1番大きい。しかし、わたしはそれよりもタミルさんの後ろで揺れる尻尾とぴょこんと飛び出たお耳が気になる。はっ、なんともふもふ獣人さんだったのですね!でも、優しそうっていうかマイペースな感じがする。
 なんか、このパーティって目立ちそうだよねー……ほら、さっきより視線が増えた気もするし……

 で、常夏さんは日に焼けた肌に金の短髪、そしてむきむき筋肉……うん、名前同様若干、暑苦しい雰囲気だけどいい人感もすごいあるよ。シュウのリアフレってことはもしかしたら会ったことあるかもなぁ……全く思い浮かばないけれどっ!

 「よろしくお願いします。リリーです!こっちは……あ、もう知り合いか」 
 「ウン。リリーノトモダチ、ボクノトモダチ。トモダチノトモダチ、ボクノトモダチ?」
 「あー……うん」

 なんだか案山子さん、その理論でいくといつか騙されてしまいそうで怖いなー……た、多分大丈夫な、はず。

 「常夏は俺とあと3人でパーティ組んでるんだ。そしてなんと!クランのリーダーだぞ」
 「ほー」
 「ホー」

 クランとはなんぞや……ふむふむ。プレイヤーの団体か←

 「ま、シュウも副リーダーだけどなー」
 「おー……ふたりともお偉いさんでしたか」
 「オエライサン……グランツミタイ」
 「確かに」

 グランツさんも元ギルマスだもんね……

 「お、おおぅ……ただ押し付けられたともいうぞ」
 「へー……で、みんなはなんでここに?ベルのパーティは次のステージに行くためなんだよね?」
 「ベルのパーティが次のステージへ行くのに手間取ってるから俺らはヘルプなんだよ」
 「ぐぅ……火力不足なんて悔しすぎ」
 「だよね~」

 アリッサさんは剣士、ルティさんは後衛の回復……そこは神官風だろって突っ込まれても我関せずなんだよってベルが教えてくれた。タミルさんは鎧を身につけ大きな盾を持っている。ベルは魔法で戦うっていってたけどそれでも火力不足って洞窟?のモンスターどんだけ強いんだろ……
 あ、ちなみにシュウも剣士で常夏さんは拳闘士らしいよ。もちろんみんな見習いなんてとっくに卒業したってさ……

 「そうだ!リリーに教えてもらったやつ情報屋で売ったから!」
 「おー、お役に立てたようで」
 「えっ、あれってリリーちゃんが教えてくれたの?」
 「はい」
 「わー!あれすっごく助かったの!称号もアイテムボックスも!ありがとう」
 「いえ」

 アリッサさんと話しているとルティさんから視線を感じた……なんだろ?

 「あれ?麦わら帽子に初期装備でサーディアスをウロウロしてる……って掲示板にのってたよね?」
 「うん、だね~……私、それ見たな~」
 「ってことは……リリーのことなのか」
 「え、なにそれ?なんのこと?」

 かくかくしかじか……

 「え、わたしプレイヤーと遭遇してたのっ?声かけてくれればいいのにー」
 「あっ、驚くとこそこなんだ……普通は掲示板の内容なんだけど」
 「リリーはマイペースだからなー」
 「あ、そうだ!私たちともフレンドになってくれないかしら?」
 「もちろんですよー!」

 早速、みんなとフレンドになった!今日だけでたくさんフレンドできちゃったよー!わーい!それに敬語じゃなくていいって!なんだか距離が縮まった気がするねー!

 「そういえば次のフィールドってどんなところなの?……あ、これって聞いちゃいけないやつ?」
 「いや……リリーが掲示板に流したりしないなら平気だけど」
 「それは大丈夫!掲示板?のやり方知らないから!」
 「そう。次のステージは洞窟の先にあるんだけど……なんと、ドワーフの国なんだよ!ルガルフって言うんだけど、かつて国をおこした伝説のドワーフの名前をそのままとったんだって」
 「へー、こことは違う国ってこと?」
 「うん、どうも洞窟のどこかに国境があるらしいよ」
 「だからこの国の他の街にも行けるはず……」
 「うん、さすがに大きな街が3つしかないなんてありえないわよねぇ」
 「ルティやアリッサみたいにプレイヤーの中には他にもここから行ける街があるからじゃないかって言ってる人もいるんだよ?」
 「へー」

 その洞窟は北の山脈にあるらしい……西の森しか行ったことなかったけど、東は第2の街セカンディルへ続く街道が、南は海があり水棲モンスターがいるらしい!海の幸……じゅるり。

 「あっ!そうだった!リリーにお金渡さないと!」
 「ん?お金ってなんのこと?」
 「ほら、さっき言ったじゃん!情報料!」
 「あー……」

 そんな話もしたような……

 「さてはすっかり忘れてたな?まぁ、いいや。早速送るから」
 「ん?送るってどうするの?」
 「フレンドならお金もウィンドウ上で簡単に送れるの」
 「へー」

 あ、送られてきた!

 「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん……ちょっ、これ多くないっ?ベルの分もきてるとかっ?」
 「いや間違ってないよ。それでわたしと分けた半分だよ!」
 「まじかー……情報ってすごいんだね」
 「今回のは誰でも取得できる称号だっだし、アイテムボックス拡張はプレイヤーにとってかなり重要だったからねー」

 わたしお金持ちだー……わーい!はっ!案山子さんに貢がなくては!


 ー今日の案山子さんメモー
 ・案山子さんはコミニュケーション能力が高いみたいです
 ・ただし、わたしの友達だったら安心だと騙される可能性ありそう
しおりを挟む
感想 106

あなたにおすすめの小説

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。

branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位> <カクヨム週間総合ランキング最高3位> <小説家になろうVRゲーム日間・週間1位> 現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。 目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。 モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。 ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。 テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。 そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が―― 「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!? 癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中! 本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ! ▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。 ▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕! カクヨムで先行配信してます!

俺の職業は【トラップ・マスター】。ダンジョンを経験値工場に作り変えたら、俺一人のせいでサーバー全体のレベルがインフレした件

夏見ナイ
SF
現実世界でシステムエンジニアとして働く神代蓮。彼が効率を求めVRMMORPG「エリュシオン・オンライン」で選んだのは、誰にも見向きもされない不遇職【トラップ・マスター】だった。 周囲の冷笑をよそに、蓮はプログラミング知識を応用してトラップを自動連携させる画期的な戦術を開発。さらに誰も見向きもしないダンジョンを丸ごと買い取り、24時間稼働の「全自動経験値工場」へと作り変えてしまう。 結果、彼のレベルと資産は異常な速度で膨れ上がり、サーバーの経済とランキングをたった一人で崩壊させた。この事態を危険視した最強ギルドは、彼のダンジョンに狙いを定める。これは、知恵と工夫で世界の常識を覆す、一人の男の伝説の始まり。

ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。 理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。 今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。 ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』 計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る! この物語はフィクションです。 ※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜

きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。 遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。 作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓―― 今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!? ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。 癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

処理中です...