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第一夜 (7)
しおりを挟む「私の話を信じてくださるのですね」
「信じるも何も、僕には分かりますから。昨日まで此処で過ごした人たちとは、異なる波長を。
ふふふ、泣くほどのことではありませんよ」
心細かったのかもしれない。どうしたら良いのか分からないけれど、誰にも頼れなかったから。
アルフィー様は親指の腹をつかって、溢れそうになる涙の雫を拭っていく。
「こんな情事の最中に泣かれては、僕が役立たずみたいじゃないですか」
冗談を言って笑わせてくれる、このお方なら、身を任せても良いかな、と思える。
「どうして貴方がこうなってしまったのか、そこまでは分かりかねます。
ですが、物事にはいつも必然性というものがあります」
「それなら・・・お恥ずかしい話を申し上げますが、独り寝の夜の楽しみさえ無くすほど、疲れ切っていたのです。もしかして、快楽を求める私の願望がそうさせたのかも・・・」
「貴方は正直な人ですね。欲求に忠実になってしまっていると自覚している。
それも素晴らしいですが、他の意味も考えられます。僕は、クロエ嬢のお母上が亡くなられた日の夜、訃報を知らないのに、国の護りが脆弱化していることに気づいてしまいました。護りの力の真実を知った時、僕たちは愛の力によって幸せに暮らしているのだと、心が打ち震えたのです。
人を愛し、愛されるという喜びで強く強く護られ、平和が続く。
民も、その護りの力で健やかでいられるのです。
こんな素晴らしいことは無いと思いました」
「私、自分ことばかりでそこまで考えていませんでした」
「貴方が気にすることではないのです。僕が言いたいことはこの先なのです。
愛を知る必要がある二人を女神が世界や時空を超えて、結びつけようとしているのではないか、と。
貴方がこの世界に来られた時、僕の仮説は確信に変わりました。
貴方の存在に強く惹かれている、つまり、存在そのものを意識できるのは僕だけである、と。
きっと、僕こそが貴方に相応しいのではないか、と。
誰よりも先に貴方に会いたかった。
だから、馳せ参じたのです」
「つまり、私の・・・」
「運命の相手は、きっと僕なのです」
「これが運命・・・」
「これはまだ僕の感情に過ぎません。自分の想いをぶつけてしまいましたが、貴方がどう思われるのかが一番大切です。
好きになってもらえる、努力は惜しみません」
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