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金色の髪のレティシア。
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それからしばらく数日はあたしは軟禁とまではいかないけれど王宮に留め置かれた。
移動する自由がないだけでそれ以外は食べるのも寝るのもわりと自由にさせて貰えて。
結局アリシアとクラウディウス様の話はそれ以上の進展は無かった。サンドラ様が結局どうして居なくなったのか、誰も本当のところは知らないのだという話で。
急にふっと居なくなったサンドラ様は、自分は死んだことにして欲しいと書き置きして誰にも何も言わずにその姿をお隠しになったのだと言う。
当然上層部は混乱した。しかし、クラウディウス様が外遊中であった事もあり、とにもかくにもまず次代の大聖女を選出する選定の儀を執り行ったのだという事だった。
その混乱の最中だったのだ。あたしがここから追放されたのは。
メッサリーナ様は知らなかったとクラウディウス様は言って居たけど、どうだか。
聖女長様だけの判断にはあたしには思えなかったんだけどな。
に、しても。
一体何があったんだろう。自分を死んだことにだなんて、そんなの普通じゃないよね。
アリシアは何か考え事があるようで奥に篭って出てこない。
あたしが寝てるときに少し身体使わせて欲しいっていうからいいよって返事したけどどうせここから出られないのだしそんなにできることって少ないだろうにね。
まあたまには身体をちゃんと動かしたいんだろうと思って好きにさせてあげることにした。
朝起きるとなんか疲労が抜けてなかったりする気もしたけどどうせ1日何もすることがないのだ。お茶を飲んだり本を読んだりしながらうだうだと部屋にいるだけなんだから夜中に少しくらい動いて居たって大丈夫。そうも思うし。
そして今日も一日ただただ何もすることもなく過ぎて。
ベッドに伏して、少し涙が出て。
窓からは月の光が覗いていた。カーテン越しだけどはっきりわかる。
寂しいよカイヤ。逢いたいよティア。
「カイヤ……、ティア……」
そう声が漏れたそのときだった。
コツン
と窓に何か当たる音?
コツン
はう。もう一回。気のせいじゃ、ない。
あたしは用心深く窓を見て、ゆっくりとベッドからおきあがった。
カーテン越しに見る窓の外には何も人影らしきものは見えない。
コツン
あ。また。間違いじゃない。誰かが外にいるの?
ゆっくりと窓を開けベランダに出たあたし。周囲に目をこらしてみる、と。
「レティーナ!」
小さい黒いもふもふが飛んできてあたしの胸に抱きついた。
「はう! カイヤ。カイヤカイヤカイヤ!! 会いたかったよカイヤ!」
「ボクもだよ。会いたかった!」
「もう、会えないかとおもった……」
「何を弱気なこと言ってるの! ティアがね、レティシアは絶対にここに居るって」
「ティアも、いるの!」
「二人で夜通し飛んで四日も掛かったよ。君の龍玉とティアの龍のシズクは引き合うんだ。そのおかげかな」
ごそごそっと茂みから顔を出したティア。でも、ちょっと不思議そうな顔をしてあたしを見てる。
「レティシア、髪の色が金色になってる?」
驚いたような顔でそう首を傾げるティアに思わず笑顔になって。
「うん。ごめんティア。あたしの緑の髪は変装? だったんだ」
って答えたあたし。
ベランダにふわっと降り立ったティアに抱きついて。「ごめんねティア」と呟いた。
ごめんねティア。ずっと話せなくって。
移動する自由がないだけでそれ以外は食べるのも寝るのもわりと自由にさせて貰えて。
結局アリシアとクラウディウス様の話はそれ以上の進展は無かった。サンドラ様が結局どうして居なくなったのか、誰も本当のところは知らないのだという話で。
急にふっと居なくなったサンドラ様は、自分は死んだことにして欲しいと書き置きして誰にも何も言わずにその姿をお隠しになったのだと言う。
当然上層部は混乱した。しかし、クラウディウス様が外遊中であった事もあり、とにもかくにもまず次代の大聖女を選出する選定の儀を執り行ったのだという事だった。
その混乱の最中だったのだ。あたしがここから追放されたのは。
メッサリーナ様は知らなかったとクラウディウス様は言って居たけど、どうだか。
聖女長様だけの判断にはあたしには思えなかったんだけどな。
に、しても。
一体何があったんだろう。自分を死んだことにだなんて、そんなの普通じゃないよね。
アリシアは何か考え事があるようで奥に篭って出てこない。
あたしが寝てるときに少し身体使わせて欲しいっていうからいいよって返事したけどどうせここから出られないのだしそんなにできることって少ないだろうにね。
まあたまには身体をちゃんと動かしたいんだろうと思って好きにさせてあげることにした。
朝起きるとなんか疲労が抜けてなかったりする気もしたけどどうせ1日何もすることがないのだ。お茶を飲んだり本を読んだりしながらうだうだと部屋にいるだけなんだから夜中に少しくらい動いて居たって大丈夫。そうも思うし。
そして今日も一日ただただ何もすることもなく過ぎて。
ベッドに伏して、少し涙が出て。
窓からは月の光が覗いていた。カーテン越しだけどはっきりわかる。
寂しいよカイヤ。逢いたいよティア。
「カイヤ……、ティア……」
そう声が漏れたそのときだった。
コツン
と窓に何か当たる音?
コツン
はう。もう一回。気のせいじゃ、ない。
あたしは用心深く窓を見て、ゆっくりとベッドからおきあがった。
カーテン越しに見る窓の外には何も人影らしきものは見えない。
コツン
あ。また。間違いじゃない。誰かが外にいるの?
ゆっくりと窓を開けベランダに出たあたし。周囲に目をこらしてみる、と。
「レティーナ!」
小さい黒いもふもふが飛んできてあたしの胸に抱きついた。
「はう! カイヤ。カイヤカイヤカイヤ!! 会いたかったよカイヤ!」
「ボクもだよ。会いたかった!」
「もう、会えないかとおもった……」
「何を弱気なこと言ってるの! ティアがね、レティシアは絶対にここに居るって」
「ティアも、いるの!」
「二人で夜通し飛んで四日も掛かったよ。君の龍玉とティアの龍のシズクは引き合うんだ。そのおかげかな」
ごそごそっと茂みから顔を出したティア。でも、ちょっと不思議そうな顔をしてあたしを見てる。
「レティシア、髪の色が金色になってる?」
驚いたような顔でそう首を傾げるティアに思わず笑顔になって。
「うん。ごめんティア。あたしの緑の髪は変装? だったんだ」
って答えたあたし。
ベランダにふわっと降り立ったティアに抱きついて。「ごめんねティア」と呟いた。
ごめんねティア。ずっと話せなくって。
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