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いい夫婦の日 椿×潤
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いい夫婦の日 椿潤Ver.
『今日は11/22、いいふうふの日です!』
朝のテレビのニュース番組でアナウンサーのそんな声が聞こえてきた。
潤は朝食のサラダを口に運びながら、何気なくテレビに視線をやる。
画面では、新婚の夫婦が馴れ初めを話していた。
「………」
その顔は幸せに満ちていて、潤は羨ましさから少しだけ胸が痛む。
「……どうしたの?潤くん」
「え?……あ……なんでもないよ」
椿の声に潤は我に返り、止まっていたフォークを再び動かし始めた。
男同士の潤と椿は、どうやっても法律的には夫婦にはなれない。
別に形にこだわるつもりはないが、やはり『結婚』というものの絆に、潤は憧れるものがあった。
「……そう?」
「うん」
椿の問いに胸の痛みを振り払うように答えると、潤は何事もなかったように食事を再開した。
「………潤くん」
不意に、椿が潤の手をフォークごと握る。
「椿さん?」
潤が椿を見上げると、優しい笑顔で見つめられる。
「……夫夫(ふうふ)になっちゃう?」
「えっ?!」
優しい、しかし珍しく悪戯っぽい笑顔の椿に、潤の心は激しく射抜かれた。
「でも……」
「法律的には認められなくても……俺たちの関係はそんなものに縛られないよ」
そう言って、椿は潤の手を握りしめる。
「椿さ……」
頬に熱が集まる。
胸が熱くなって、身体中が喜びに震えた。
「潤くんが成人したら……結婚式を挙げようか」
「………うん」
潤の目から涙が溢れた。
「約束」
そう言って、椿は潤の小指に自分の小指を絡める。
「……ん、約束」
椿は椅子から腰を浮かすと、そっと潤の唇に自分の唇を重ねた。
潤の誕生日まで、後数ヶ月。
幸せは、直ぐそこに。
『今日は11/22、いいふうふの日です!』
朝のテレビのニュース番組でアナウンサーのそんな声が聞こえてきた。
潤は朝食のサラダを口に運びながら、何気なくテレビに視線をやる。
画面では、新婚の夫婦が馴れ初めを話していた。
「………」
その顔は幸せに満ちていて、潤は羨ましさから少しだけ胸が痛む。
「……どうしたの?潤くん」
「え?……あ……なんでもないよ」
椿の声に潤は我に返り、止まっていたフォークを再び動かし始めた。
男同士の潤と椿は、どうやっても法律的には夫婦にはなれない。
別に形にこだわるつもりはないが、やはり『結婚』というものの絆に、潤は憧れるものがあった。
「……そう?」
「うん」
椿の問いに胸の痛みを振り払うように答えると、潤は何事もなかったように食事を再開した。
「………潤くん」
不意に、椿が潤の手をフォークごと握る。
「椿さん?」
潤が椿を見上げると、優しい笑顔で見つめられる。
「……夫夫(ふうふ)になっちゃう?」
「えっ?!」
優しい、しかし珍しく悪戯っぽい笑顔の椿に、潤の心は激しく射抜かれた。
「でも……」
「法律的には認められなくても……俺たちの関係はそんなものに縛られないよ」
そう言って、椿は潤の手を握りしめる。
「椿さ……」
頬に熱が集まる。
胸が熱くなって、身体中が喜びに震えた。
「潤くんが成人したら……結婚式を挙げようか」
「………うん」
潤の目から涙が溢れた。
「約束」
そう言って、椿は潤の小指に自分の小指を絡める。
「……ん、約束」
椿は椅子から腰を浮かすと、そっと潤の唇に自分の唇を重ねた。
潤の誕生日まで、後数ヶ月。
幸せは、直ぐそこに。
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