包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見

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「遠いなぁ」

 実家へ帰るのは7回忌以来だから6年ぶり。6年前でもよのぎさんは高校生か。かわいかったのだろう。そして、そのかわいさを憂いていたのだろう。

 一度もよのぎさんの親からの連絡はない。よのぎさんからも親に会いたいとは聞かないけれど、どう思っているのだろう。おじいさんや譲くんには話せても、旦那には言えないこともあるのだろうか。

 同じ姿勢でいるせいか肩こりがぶり返すからサービスエリアで休み休み。
「七さん、桃の甘酒だって。買ってもいい?」
「いいよ。でもさっきソフトクリーム買ったよね?」
「これは持って帰るの。もう一個買って羽切さんのお土産にしよう」
「会社のお土産はあとで買うよ」
「あ、これもおいしそう」
 チーズはうちの実家への手土産らしかった。


「うわ、マジで斎川よのぎだ。やばい」
 こんな娘、うちの親族にいただろうか。いかにも高校生。JKを武器にしそうな面持ち。

「えっと…」
「柚季です」
 これまたややこしいことに、上から2番目の兄の息子の奥さんの連れ子らしい。
「じゃあ、勝二兄さんの孫なのか」

 長兄の奥さんは巻きずしを作っていた。
「手伝います」
 よのぎさんが声をかける。

「じゃあお茶出して」
「はい」
 実家は和室が続いていた。

「おお、七が来た」
「奥さんも」
 よのぎさんの顔が、僕に似た人がたくさんいると言っている。

「初めまして。よろしくお願いします。お茶淹れますね」
 兄が六人、年の順に並んでいた。上から一太、勝二、三郎、清、五郎、六多。テーブルを挟んで奥さんが座っている。孫は柚季ちゃんだけ。

 その柚季ちゃんはよのぎさんの隣りを陣取る。
「めっちゃきれい。むちゃくちゃかわいい」
「これ、柚季」
 と勝二兄さんが言ったきりで、他の誰も咎めない。

「五郎のところの若葉ちゃんも妊娠中らしいから孫がいないのは清と七だけだな。七のところはこれから子どもか。こんな娘みたいなきれいな奥さんもらって」
 時代錯誤の長兄が上座でタバコをぷかぷか。よのぎさんと一番端でよかったねと胸をなでおろす。
 いなり寿司と巻き寿司、唐揚げと煮物がテーブルに並ぶ。
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