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邂逅 雨
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今日は学校が早く終わった。でも早く終わっても暇だな、今日はバイトもないし…受験、頑張らないとな。はぁ~なんでバイト入れなかったかなあたし。
―雨咲翔子、赤羽高校二年。学校でもパーカーをまとい、「不良」のレッテルを張られている現役女子高生である。今日はバイトもないし、放課後も長い。せっかくゆっくりできるこの放課後を勉強に当てるのも少し嫌がるこの高2の三月である。―
日差しの暖かいこの季節に冬用のパーカーは悪手だった。特に何をするでもなくKAMUまわりを歩いていたが、受験への焦燥感からかあたしの足は、常世夢書店へと向かっていた。もう受験のこと考えないといけないのか…いや、頑張るしかねぇ。
今日は人が若干多い、しかし今日のあたしは時間がある。最初に向かったのは漫画コーナー。スポコンやSF、無双ものやミステリーなど多種多様な漫画が並んでおり、最近有名な漫画はポップが作られている。赤本見る前にワンクッション入れておきたいからな。
「お、バケバケ(化物の化学)の最新刊あるじゃん、やっと鹿島にも来たかぁ。」
鹿島県は日本の中心部からは離れているため物流が遅く、SNSで新刊発表があっても通販で注文しない限り、出版される日に手に入れることが難しい。通販サイトの登録さえすればバイトはしているから余裕で買えるけど、別にそんなに買い物するわけじゃないし、急いでもないから登録してないんだよね。でもラッキー、これ買お。
漫画を手に取り、次に赤本コーナーへ向かった。辛い物を食べる前に牛乳を飲む感覚に近く、ちょっと気を紛らわす漫画を手に取ったが、赤本コーナーではどうも落ち着かない。赤本は辛すぎたのかも。
「ん~学力的には申し分ないんだけどな、受験科目の配点こじらせすぎだろここ。」
そう思いながら赤本を取っては棚に戻し、また別の赤本をぺらぺらとめくっては戻し…そんなことを4,5回繰り返していた。途中視線が熱かった気もするけど、気のせいだな。
結局赤本は買わず、バケバケの最新刊の支払いを済ませて店を出た。どこかで読みたいが腹が減った…そういやこの近くにColorfulあったよな、そこで読むか。意志のおもむくままにKAMUの広場に出た。相変わらず名物おじさんはあたしの知らないような歌謡曲を歌っている。
暑い、さっきまでそこまで暑くなかったのに5月上旬の暑さを感じる。ヒートアイランド現象か?…風通しが悪くなるほどビルはねぇしな。日差しが照っているのか、誰かが水でも撒いたか。あたりを見渡しても日差しや地面に変化はない。いや、1つあるとするなら、西側から何かが歩いてくる。スーツ姿ではあるが、猫背で帽子をかぶっているように見える。一般的な社会人がしそうな見た目ではないな。そしてその奥には地面に座っている唖然としている男もいる。なんかいい争いでもあったか?
少し考えている間にスーツ姿の男が横を通りかかった。気づかなかった。顔がない…黒い帽子に見えていたのは彼の顔面であり、そこには大きな口がひとつあるだけ。その男からは熱風が吹き、あたしは自身の体と壁にするように傘を後ろに持った。ただならぬ気配に警戒態勢マックスだが、ここで暴れるわけにもいかない…とりあえず尻もちついてる男も何か知っているはずだ。話を聞きに行こう。
tips; Colorfulは九十九地方で展開しているファミレスである。雨咲翔子は、ドリアかパフェをよく頼むらしい。「ドリアは500円で食べられるから手軽だし会計が楽だから」なんだとか。ちなみに高校男児がよく食べるのは唐揚げ定食。裏ワザとして、「タルタル付きで」と頼むと、タルタルソースがついてくるぞ。価格も500円、みんな満足して帰るんだとさ。
―雨咲翔子、赤羽高校二年。学校でもパーカーをまとい、「不良」のレッテルを張られている現役女子高生である。今日はバイトもないし、放課後も長い。せっかくゆっくりできるこの放課後を勉強に当てるのも少し嫌がるこの高2の三月である。―
日差しの暖かいこの季節に冬用のパーカーは悪手だった。特に何をするでもなくKAMUまわりを歩いていたが、受験への焦燥感からかあたしの足は、常世夢書店へと向かっていた。もう受験のこと考えないといけないのか…いや、頑張るしかねぇ。
今日は人が若干多い、しかし今日のあたしは時間がある。最初に向かったのは漫画コーナー。スポコンやSF、無双ものやミステリーなど多種多様な漫画が並んでおり、最近有名な漫画はポップが作られている。赤本見る前にワンクッション入れておきたいからな。
「お、バケバケ(化物の化学)の最新刊あるじゃん、やっと鹿島にも来たかぁ。」
鹿島県は日本の中心部からは離れているため物流が遅く、SNSで新刊発表があっても通販で注文しない限り、出版される日に手に入れることが難しい。通販サイトの登録さえすればバイトはしているから余裕で買えるけど、別にそんなに買い物するわけじゃないし、急いでもないから登録してないんだよね。でもラッキー、これ買お。
漫画を手に取り、次に赤本コーナーへ向かった。辛い物を食べる前に牛乳を飲む感覚に近く、ちょっと気を紛らわす漫画を手に取ったが、赤本コーナーではどうも落ち着かない。赤本は辛すぎたのかも。
「ん~学力的には申し分ないんだけどな、受験科目の配点こじらせすぎだろここ。」
そう思いながら赤本を取っては棚に戻し、また別の赤本をぺらぺらとめくっては戻し…そんなことを4,5回繰り返していた。途中視線が熱かった気もするけど、気のせいだな。
結局赤本は買わず、バケバケの最新刊の支払いを済ませて店を出た。どこかで読みたいが腹が減った…そういやこの近くにColorfulあったよな、そこで読むか。意志のおもむくままにKAMUの広場に出た。相変わらず名物おじさんはあたしの知らないような歌謡曲を歌っている。
暑い、さっきまでそこまで暑くなかったのに5月上旬の暑さを感じる。ヒートアイランド現象か?…風通しが悪くなるほどビルはねぇしな。日差しが照っているのか、誰かが水でも撒いたか。あたりを見渡しても日差しや地面に変化はない。いや、1つあるとするなら、西側から何かが歩いてくる。スーツ姿ではあるが、猫背で帽子をかぶっているように見える。一般的な社会人がしそうな見た目ではないな。そしてその奥には地面に座っている唖然としている男もいる。なんかいい争いでもあったか?
少し考えている間にスーツ姿の男が横を通りかかった。気づかなかった。顔がない…黒い帽子に見えていたのは彼の顔面であり、そこには大きな口がひとつあるだけ。その男からは熱風が吹き、あたしは自身の体と壁にするように傘を後ろに持った。ただならぬ気配に警戒態勢マックスだが、ここで暴れるわけにもいかない…とりあえず尻もちついてる男も何か知っているはずだ。話を聞きに行こう。
tips; Colorfulは九十九地方で展開しているファミレスである。雨咲翔子は、ドリアかパフェをよく頼むらしい。「ドリアは500円で食べられるから手軽だし会計が楽だから」なんだとか。ちなみに高校男児がよく食べるのは唐揚げ定食。裏ワザとして、「タルタル付きで」と頼むと、タルタルソースがついてくるぞ。価格も500円、みんな満足して帰るんだとさ。
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