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第7話
食事のお誘い1
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テーブルの角を挟んで座り、菓子を摘みながら、ロズニスが土産を開けていくのを見守る。
「あ、これ、トーニャ!」
乾燥した葉を光に翳して見る彼女に、笑って教える。
「擂り潰して瓶詰めにして常備しておけば、俺の分まで欲しがらなくても、いつでも好きなだけ振りかけられるだろ。それ用の薬研と瓶も買ってきたぞ。どれだったっけな……」
手を伸ばし、袋の中を探る。壊れ物は一つ一つ蔓細工の籠に入れてある。重さと大きさ、隙間から見える色であたりをつけた。
「これこれ。擂り潰すのは、自分でしろよ」
白い綺麗な石でできた薬妍は小ぶりだが、この程度ならこれでじゅうぶんだろう。包みを開き、それと花を象った赤い瓶を手にして、ロズニスが、わあ、と喜びの声をあげた。
「どっちも綺麗!! かわいー!! ありがとーございますー!!」
ためつすがめつ眺めている。喜んでくれれば単純に嬉しい。それに何より、ほっとした。
女のものを選ぶというだけでも難しいのに、相手はロズニスだ。果たして彼女の感性がどれほど女性らしさを保持しているのか、皆目見当もつかなかった。
俺ですら選ばないような奇怪なデザインを好むと言われても、彼女の場合、疑わない。むしろ、やっぱりなとしか思えない。
だから、どれもこれも実用的で常識的なものばかりにした。趣味に合わなくても、とりあえず使えるものならば、それほど邪魔にはならないだろうと考えたのだ。
「他のも開けてみてくれ」
「あ、はいー」
そっと机上に戻し、次の包みを手に取る。中から出てきたのは髪留めだった。
赤銅色の金属板に、繊細な蔓草の意匠が透かし彫りにされている。その赤みがかった色が、小麦色の髪を、もっとあたたかく見せるような気がしたのだ。
「素敵ですー。でもー、これー、本当に、私にー?」
なぜ不安そうに聞く?
「おまえにだ。ほら、髪の色ともよく合う」
背中で揺れてる三つ編みの先っぽを掴まえて持ち上げて、隣に並べてみせた。
「本当です。……うれしーです」
おお!? はにかんでるのか、もしかして!?
照れくさそうに肩をすくめて、ほんにゃりと微笑んでいる。
思ったより、意外と真っ当に『女の子』だったらしいと気付いて、途端に俺も、なんだか緊張してどきどきしてきた。
てっきり、人外の幼体を相手にしているような気分だったから気安く接していたが、女性となれば気構えがいる。……女は恐ろしいからな。
「着けてみてもー、いーですかー?」
「お? おう。着けてやる。ほら、後ろ向いて」
え? と戸惑う肩を押し、椅子の上で上半身を捻らせて、頭の高い位置に今着けているものの金具をはずした。それを机に置き、そっちを寄こせと掌を上に向ける。すぐにのせられた髪留めを、さっきはずしたせいで少し乱れた箇所を隠すようにして取り付けた。
「ん。いい感じだ」
俺は満足して呟いた。
「あ、これ、トーニャ!」
乾燥した葉を光に翳して見る彼女に、笑って教える。
「擂り潰して瓶詰めにして常備しておけば、俺の分まで欲しがらなくても、いつでも好きなだけ振りかけられるだろ。それ用の薬研と瓶も買ってきたぞ。どれだったっけな……」
手を伸ばし、袋の中を探る。壊れ物は一つ一つ蔓細工の籠に入れてある。重さと大きさ、隙間から見える色であたりをつけた。
「これこれ。擂り潰すのは、自分でしろよ」
白い綺麗な石でできた薬妍は小ぶりだが、この程度ならこれでじゅうぶんだろう。包みを開き、それと花を象った赤い瓶を手にして、ロズニスが、わあ、と喜びの声をあげた。
「どっちも綺麗!! かわいー!! ありがとーございますー!!」
ためつすがめつ眺めている。喜んでくれれば単純に嬉しい。それに何より、ほっとした。
女のものを選ぶというだけでも難しいのに、相手はロズニスだ。果たして彼女の感性がどれほど女性らしさを保持しているのか、皆目見当もつかなかった。
俺ですら選ばないような奇怪なデザインを好むと言われても、彼女の場合、疑わない。むしろ、やっぱりなとしか思えない。
だから、どれもこれも実用的で常識的なものばかりにした。趣味に合わなくても、とりあえず使えるものならば、それほど邪魔にはならないだろうと考えたのだ。
「他のも開けてみてくれ」
「あ、はいー」
そっと机上に戻し、次の包みを手に取る。中から出てきたのは髪留めだった。
赤銅色の金属板に、繊細な蔓草の意匠が透かし彫りにされている。その赤みがかった色が、小麦色の髪を、もっとあたたかく見せるような気がしたのだ。
「素敵ですー。でもー、これー、本当に、私にー?」
なぜ不安そうに聞く?
「おまえにだ。ほら、髪の色ともよく合う」
背中で揺れてる三つ編みの先っぽを掴まえて持ち上げて、隣に並べてみせた。
「本当です。……うれしーです」
おお!? はにかんでるのか、もしかして!?
照れくさそうに肩をすくめて、ほんにゃりと微笑んでいる。
思ったより、意外と真っ当に『女の子』だったらしいと気付いて、途端に俺も、なんだか緊張してどきどきしてきた。
てっきり、人外の幼体を相手にしているような気分だったから気安く接していたが、女性となれば気構えがいる。……女は恐ろしいからな。
「着けてみてもー、いーですかー?」
「お? おう。着けてやる。ほら、後ろ向いて」
え? と戸惑う肩を押し、椅子の上で上半身を捻らせて、頭の高い位置に今着けているものの金具をはずした。それを机に置き、そっちを寄こせと掌を上に向ける。すぐにのせられた髪留めを、さっきはずしたせいで少し乱れた箇所を隠すようにして取り付けた。
「ん。いい感じだ」
俺は満足して呟いた。
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