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第7話
食事のお誘い2
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「兄さん」
どきぃっとして心臓が止まる。
今ここで聞こえるはずのない呼び声が聞こえた!?
体が瞬時に硬直したせいで、無様に飛び上がることこそなかったが、完全に毛穴という毛穴が開いて、冷たい汗が滲み出ていた。
俺は首を軋ませながら、扉へと顔を向けた。
そこには紛うことなき、光り輝く笑顔の弟が。
な、なんでそんなに、ご機嫌なのかな?
冷や汗はいっきに脂汗に変わった。
「そちらの女性は誰?」
ルシアンが、場違いに神々しい微笑みを浮かべた。うわあっ、ぞくぞくするっ。なぜか恐怖が背筋を這いのぼる!
俺は自分の唇が、引き攣って釣りあがったのを感じた。どうかただの笑みに見えててくれと願いながら、質問に質問を返す。
恐ろしくてどうしてもロズニスの名前を口にすることができなかったのだ。
「どうしてこんなところに?」
「リュスノー閣下は、陛下と食事するんだって。ブラッドも一人なら、こっちで一緒に食べないかって誘いにきたんだ」
にこにこーっと邪気がなくて目がつぶれそうな特上スマイルをお見舞いされる。
「う」
駄目だ。見惚れる。魂抜かれる。このまま何か聞かれたら、べらべらしゃっべてしまいそうな気がする。
その時、かたん、と椅子が小さな音をたてた。それに、はっとして正気に返った。
隣にロズニスが立ち上がっていた。小さな頭が、楚々と下げられる。
「申し遅れまして申し訳ございません。リュスノー閣下に師事しております、ロズニスと申します」
「ふうん」
ルシアンは特上スマイルのまま、首を傾げた。そのまま二人は睨み……いや、見つめ……、ていうより威嚇か……? いやいやいや、どうしてそうなる。
二人はお互いの顔を満足するまで眺めまくってから、同時にニコリと微笑んだ。
「もしかして、二人で食べる予定だったかな?」
「はい。そろそろそうするところでした。こちらで食事は用意されているので」
「だったら、二人とも来ればいい。ね、ブラッド、一緒に食べよ?」
「おう」
あ。しまった。
あのロズニスがはきはきと話す速い展開の会話についていけず、ぼんやりと見守っていたら、最後のところでルシアンが急に俺に目を合わせてきた。
それだけでもくらくらする破壊力満点の笑顔なのに、そこにほんのちょっぴり甘えをのせられて、俺は操り人形のように一も二もなく反射的に頷いていた。
「よかった。楽しい食事になりそうだね。配膳室はどこ? 俺も運ぶの手伝うよ」
いや、しまったじゃない。これで断ったら、そっちの方がこじれそうな気がする。
だいたい、やましいことなんかこれっぽっちもないんだから、何も焦ることなんかないじゃないか。平常心。平常心だ。
俺はもはやバクバクして苦しい心臓を押さえて、必死に自分に言い聞かせた。
どきぃっとして心臓が止まる。
今ここで聞こえるはずのない呼び声が聞こえた!?
体が瞬時に硬直したせいで、無様に飛び上がることこそなかったが、完全に毛穴という毛穴が開いて、冷たい汗が滲み出ていた。
俺は首を軋ませながら、扉へと顔を向けた。
そこには紛うことなき、光り輝く笑顔の弟が。
な、なんでそんなに、ご機嫌なのかな?
冷や汗はいっきに脂汗に変わった。
「そちらの女性は誰?」
ルシアンが、場違いに神々しい微笑みを浮かべた。うわあっ、ぞくぞくするっ。なぜか恐怖が背筋を這いのぼる!
俺は自分の唇が、引き攣って釣りあがったのを感じた。どうかただの笑みに見えててくれと願いながら、質問に質問を返す。
恐ろしくてどうしてもロズニスの名前を口にすることができなかったのだ。
「どうしてこんなところに?」
「リュスノー閣下は、陛下と食事するんだって。ブラッドも一人なら、こっちで一緒に食べないかって誘いにきたんだ」
にこにこーっと邪気がなくて目がつぶれそうな特上スマイルをお見舞いされる。
「う」
駄目だ。見惚れる。魂抜かれる。このまま何か聞かれたら、べらべらしゃっべてしまいそうな気がする。
その時、かたん、と椅子が小さな音をたてた。それに、はっとして正気に返った。
隣にロズニスが立ち上がっていた。小さな頭が、楚々と下げられる。
「申し遅れまして申し訳ございません。リュスノー閣下に師事しております、ロズニスと申します」
「ふうん」
ルシアンは特上スマイルのまま、首を傾げた。そのまま二人は睨み……いや、見つめ……、ていうより威嚇か……? いやいやいや、どうしてそうなる。
二人はお互いの顔を満足するまで眺めまくってから、同時にニコリと微笑んだ。
「もしかして、二人で食べる予定だったかな?」
「はい。そろそろそうするところでした。こちらで食事は用意されているので」
「だったら、二人とも来ればいい。ね、ブラッド、一緒に食べよ?」
「おう」
あ。しまった。
あのロズニスがはきはきと話す速い展開の会話についていけず、ぼんやりと見守っていたら、最後のところでルシアンが急に俺に目を合わせてきた。
それだけでもくらくらする破壊力満点の笑顔なのに、そこにほんのちょっぴり甘えをのせられて、俺は操り人形のように一も二もなく反射的に頷いていた。
「よかった。楽しい食事になりそうだね。配膳室はどこ? 俺も運ぶの手伝うよ」
いや、しまったじゃない。これで断ったら、そっちの方がこじれそうな気がする。
だいたい、やましいことなんかこれっぽっちもないんだから、何も焦ることなんかないじゃないか。平常心。平常心だ。
俺はもはやバクバクして苦しい心臓を押さえて、必死に自分に言い聞かせた。
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