ひねくれ師匠と偽りの恋人

紗雪ロカ@失格聖女コミカライズ

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6-フライアウェイ!

71.少女、腰砕けになる。

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 ニッと笑ったランバールは、あっさりと言った。まだ精霊になってから日が浅いこともあり、共に旅をするには色々と不安定なのだそうだ。表には出さないが生身の人だったころのギャップに戸惑っていると、こっそりシルミアから聞いた。

 そんな彼がこちらに向き直る。切なそうに笑うと見送りの言葉を述べた。

「ニチカちゃん、気をつけてね。センパイが居るから大丈夫だろうけど」
「うん、そっちこそ頑張って……わっ!?」

 いきなり前髪をかきあげられ、額に軽い感触が伝わる。ドキドキしながら目を開けると、至近距離にある緑のまなざしは優しい色を浮かべていた。名残惜しそうな声が間近で響く。

「また会える?」
「も、もちろん!」
「じゃあまたね」

 ひらりと手を振ったランバールは最後に一度こちらの肩を叩くと離れ、オズワルドの方へ行ってしまった。額を抑えたニチカは皆から背を向けた。でなければ顔が赤くなっているのがバレてしまう。

(耐性つかないなぁ)

 いや違う、美形が多すぎるのが問題なのだ。悶々としながらふと、目の前に続く道を見る。

 まっすぐに伸びた道は霧の谷の反対側の山へと吸い込まれていった。空は青く、風のマナたちが笑いあいながら草原を駆けていく。魔導球を手にすると、赤と緑の光が交互に渦巻き不思議な彩りを見せていた。

(これで半分。まだ半分? もう半分?)

 これから先、この街で起こったように危険なことが待ち受けているかもしれない。それでも進んでいくしかないのだ。

(大丈夫だよ、ニチカ。絶対だいじょうぶ)

 口角をキュッと上げた少女は、未来への漠然とした不安と――そして同じくらいの期待を抱いた。



 一方、その後ろ姿から視線を逸らさず、ランバールはオズワルドにはっきりと告げた。

「落ち着いたら後を追いますから」

 普段はふざけた声色のくせに、やけに真摯な響きだ。男は腕を組んで呆れたように返す。

「そこまで責任を感じなくても良いんじゃないか? あいつは最初から怒ってなんか――」
「オレが、そうしたいんです」
「……」

 こちらを見る目に、少しだけ敵意のような物を感じてオズワルドは息を呑む。

「お前……」
「真面目にあのコの事が欲しくなりました。あそこまで真正面から向かい合ってくれたのは、彼女が初めてだった。だから」

 微笑んだランバールは、男の肩を軽く叩くと宣戦布告をした。

「オレの大切な人、しっかり護ってくださいね?」



 期待に胸膨らませていたニチカは、いきなり後ろから頭を小突かれて小さな悲鳴を上げる。やはりと言うか、黒い姿がその横をすり抜けて行った。

「さっさといくぞ」

 慌ててその後を追おうとした少女は、もう一度振り向いて大きくおじぎをした。

「ありがとうございましたっ、行ってきます!」

 一列にならんだ住人から「がんばれよー」とか「いつでもまた来てね」と言った温かい声が掛けられる。最後に大きく手を振ったニチカは、前を見て駆けだした。振り返らずもせずズカズカと歩き出す師匠の後を慌てて追うが、待ってくれる気配はない。

「待ってよ、ウルフィが心配なのはわかるけどさ」

 ようやく追いつくが、男はチラと一瞥しただけで歩調を緩めようとはしなかった。ニチカは戸惑って声をかける。

「なによぉ、なに怒ってんの?」

 結局少し後ろを歩く形に落ち着き、しばらく無言が続く。何か話題を探そうと少女はあの時のことを思い出した。

「そうそう、ホウキに乗るのは女のすることだとか言ってたのに、ちゃんと助けに来てくれたのよね、ありがとう」
「……」

 てっきりひねくれた返しが来るかと思ったのだが、それにすら反応がない。不安になりかけたその時、ほとんど聞き取れないくらいの低い声が返ってきた。

「お前、ランバールの事どう思ってるんだ」
「え、ラン君?」

 いきなりの質問に戸惑うも、正直に答える。

「うーん、出会いがあれだったから最初は怖かったけど、親切だし面白いし」

 にっこり人好きのする笑みを思い出す。少しつりあがった目もそうするとだいぶ和らいで見えた。思い返しながらニチカは笑顔で彼の事を語る。

「ちょっと妖しい魅力って言うのかな? 見た目はやんちゃだけど中身は案外落ち着いて大人だと思う、あなたとは真逆のタイプよね」
「お前に子供っぽいとか言われたくないんだが」
「どういう意味よ、それ」

 ムッとして返すとオズワルドはますます早足になる。こちらのペースなどまるで考えてない足取りに、少女はいやみっぽく言ってやった。

「だーれーもっ、オズワルドが子供っぽいとか言ってないんだけど!?」
「うるさい黙って歩け」
「あーあ、ほんっとラン君が着いてきてくれれば良かったのに。そしたら」

 つい勢いで言ってしまった言葉に、前を行く師匠がピタリと足を止める。ゆっくりと振り向いたその目は絶対零度と呼ぶにふさわしい物だった。妙な緊張感が張り詰める中、オズワルドはゆっくりと口を開く。

「そうしたら、何だ?」
「だ、だって、それなら事情を説明して、あなたの代わりに『アレ』を――って、ちょっと、なんで来るの!? 来ない んぐっ!」

 胸倉をつかまれていきなり噛みつくようなキスをされる。執拗なほどに繰り返され、ようやく離された時には足腰に力が入らずへなへなと座り込んでしまった。口元をぬぐい、フンと鼻で笑った男は言い捨てる。

「俺じゃなきゃもう満足できないくせに」

 壮絶な色気を放つ笑みを残し、オズワルドはまた歩き出す。しばらく意味をなさない声を漏らしていた少女は、ハッとするとその背中に向かって叫んだ。

「だから、そういうトコが子供っぽいって言ってるのよおおおお!!!!」

 どうやらオズワルドも少なからず魔水晶に影響されていたらしい。つまりランバールに対する『嫉妬』だ。

 が、ギャンギャンと言い合いをする二人は、その点に関してまったく気づいていない。やかましい二人組の喧騒はしばらく続く事になる。空を翔ける鳥たちが驚いたように迂回していった。

***

 旅人を見送った後、街の防護壁にひらりと飛び乗ったシルミアはその類まれなる通信能力を使い遠い地へと意識を飛ばした。目的の人物を見つけ前置きもなく話しかける。

「ところでガァ君。僕ちょっと気になることがあるんだけど」

 話しかけられた方はと言うと、しばらく押し黙った後に呆れたような声を返してきた。

 ――…………シルミア、お前には挨拶から入るという習慣はないのか?
「良いじゃないか、僕と君の仲なんだから」
 ――何の前触れもなく声だけすると、かなり心臓に悪いのだが。
「僕らに心臓ないでしょーがっ、なハハハッ」

 風の精霊はお気楽に笑う。姿は見えないが炎の精霊が頭を抱えたのが手に取るように分かったからだ。ガザンは叱るだけムダだと悟ったらしく本題を促してきた。

 ――で、何だ。気になる事とは?
「うん。ニチカちゃんがユーナを復活させようとしてるのは知ってるよね?」
 ――事情を聞いて力を分け与えたからな。
「ウチの息子が言うに、その指示を出してるのがどーもイニらしいんだよね」

 その名は、お互いにとって聞き覚えのある名だった。ここで出てくるには予想外だったのか、炎の精霊は怪訝そうな声を返してくる。

 ――イニ? 我らの旅に後ろから付いてきてはユーナに撃退されてたあの?
「そう、ユーナにベタ惚れでほとんどストーカー化してたあのイニ君」

 記憶を掘り起こされた炎の精霊は押し黙る。あまり思い出したくない類の記憶ではあったが、シルミアは淡々と発掘を続けた。

「殴られては喜んで、ユーナはおろかルゥちゃんにまでドン引きされてたあの」
 ――やめろ、やめてくれ、もう思い出させないでくれ。
「懐かしーよねー、美形だし僕は嫌いじゃなかったけど」
 ――お前はいつも木の上で傍観していただけだろう! 我が毎度仲裁していたと言うのにまったく、だいたいお前はいつも……!

 当時のお説教が再現されそうになったところで、風の精霊は相手を制した。

「でもあの人、あれで結構とんでもない立場の人だった、ってのは結局ユーナの口からは聞けなかったね」
 ――……。
「全部終わった後、ユーナは彼に連れられて天界いっちゃったし、僕らの知らない間に二人に何があったんだろう」

 シルミアの問いかけにガザンは答えることが出来なかった。しばらくして慎重な声が返ってくる。

 ――わからぬ。ただ我らは彼女に託されるままにこの世界の安定を担ってきた、今となってはそれすら危ういが……
「そうだね。気づいているかいガザン。僕らの力がどんどん弱くなっているのを」
 ――やはり、ユーナを頂点に据えることで世界はバランスを保っていたのか。
「偉大だよね。居なくなって初めてわかるんだ。僕もこのままだと人の姿を維持するのが難しくなるかもしれない――あぁ、そうなったら僕のファンはどれだけ嘆き悲しむことか!」

 シリアスムードを続けていた風の精霊は、ここに来て急におふざけをぶち込んできた。呆れて物も言えなくなったガザンは黙り込む。シルミアは反応がなくなったことに首を傾げた。

「あれ? もしもしもしもーし! おかしいな、風のささやきも届かなくなったかな?」

 こいつの相手をしていると疲れる。そんな感情がありありと伝わってくる声で、ガザンは話を締めくくろうとした。

 ――とにかく、動けぬ我とは違い「風」であるお前は情報収集が十八番だろう。何かあったらすぐ報せてくれ。
「聞こえてるじゃないか」

 年甲斐もなくぶぅ、と頬を膨らませたシルミアだったが、指示通り情報集めに舵を取る事を決めた。その脳裏にかつての仲間の一人が思い浮かぶ。大地を統べる土の精霊の姿が。

「じゃあ手始めにノッくんにでも連絡取ってみようかな」
 ――そもそも、我ら「愉快なしもべ軍団」の連絡役はお前の役目ではなかったか? ノックオックともしばらくぶりではないのか。
「そんなことないってー、七十年前に話したばっかりさ」
 ――まったく……。

***

 一方、こちらにも言い争いを終結させた二人組が居た。横を歩くオズワルドをにらみつけながらニチカが口を開く。

「ホントあなたって女性の敵だわ」
「知らんな」

 霧の谷と反対側の山道は、比べ物にならないくらいラクだった。ゆるやかな下り坂を降りてきた二人は、向こうから来る荷車を見つけて足を止める。よく日に焼けた中年の男性を視界に入れ、いつものように少女が声をかけた。

「こんにちは、いい天気ですね」
「はい、こんにちわお嬢さん。風の里から来たのけ?」

 人の好さそうな男性は引いていた荷車を止め、首にかけたタオルで頬をぬぐう。どうやらこの辺りの農夫のようだ。愛想よく笑顔を浮かべたニチカは道の確認をした。

「そうなんです。ブロニィ村へ行くにはこの道で合ってますか?」
「おうおう、もう少ししたら三叉路にでくわす。看板があるから分かるだろうがブロニィ村はそのまままっすぐ行けばすぐだで」

 農夫は赤ら顔を破顔させ長く続く道を指さした。ついでとばかりにニチカは情報収集する。

「それじゃ、赤い髪の女の子とちょっと影の薄い青年とか見たりしてないですか?」

 さらにほっほっほっと笑った彼は頷き、予想の斜め上の答えを返してきた。

「もちろん知ってるさ。なんでもニチカとか言う精霊の巫女さんとそのお付きの凄腕魔女なんだとね。だいぶ前にすれ違ったからもうブロニィ村に到着しているだろうなぁ」
「え?」
「は?」
「そんな有名人があの村に寄るなんて、そりゃあ野次馬も追っかけてくるわなぁ、それじゃワシは畑にいかねばならんでな」

 気をつけてなー、と手を振られ小さく振り返す。それを見送った少女は、混乱した頭で言った。

「どういうこと?」
「さぁ、な」

 その意味を、二人は次の村で嫌というほど知ることになるのだった。
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