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第3章 俺たちの楽園
11 総力戦
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──地下道から出た俺とノエルは、村が巨大な竜に襲われようとしていることを知った。
駆けつけると、サーシャたちが戦っているところのようだ。
「ノエル、離れていてくれ。あいつは──かなり強そうだ。マキナと一緒に、村人の避難誘導を」
「あたしは……」
ノエルが何か言いたげに肩を震わせた。
自分も一緒に戦いたい、といった感じだろうか。
だけど、やっぱり危険すぎる。
「村の人たちのことは任せる──頼む」
そんな俺の気持ちは彼女に伝わったのか、
「……お気をつけて、カイル様」
ノエルは俺をジッと見つめ、うなずいた。
「行こう、マキナちゃん」
「……悔しいけど、私のレベルじゃついていけない。任せるしか、ない」
「あたしたちは、あたしたちにできることをやりましょ」
と、ノエルとマキナが去っていく。
それを見届け、俺は戦況を確認した。
低空でホバリングしているサーシャと竜。
彼女以外の三人の冒険者は初めて見る顔だった。
フルプレートアーマーの黒騎士に魔法使いの美女、眼鏡をかけた少年僧侶。
いずれもダメージを受けているし、サーシャたちが手こずるなら、相手はSSSランク以上のモンスターである可能性が高そうだ。
「サーシャ、これを使え!」
俺はランク5の神造級武具『クラウソラス』を生み出し、サーシャの元に送った。
「『輝ける聖王剣クラウソラス』──一定時間、所持者の攻撃に追加ダメージを発生させる、神の武具だ」
「カイルくん……!」
サーシャが驚いた顔で俺を見つめる。
さらに、
「ん? もしかして、お前がカイルか?」
「へえ、けっこう好みですね。年齢もあたしとちょうど釣り合いそう……ふふ」
「武器創生スキル──?」
三人の冒険者も俺の方を振り返った。
いずれも眼力や威圧感が尋常じゃない。
並の冒険者じゃないことは、気配だけで分かった。
「彼らは全員SSSランク冒険者だよ。黒騎士がドノバン、魔法使いがマルティナ、僧侶がアルフレッド」
と、サーシャが手短に説明する。
なるほど、ただ者じゃない気配と思ったらSSSランクなのか。
納得だ。
「で、あいつは冥王竜ドゥーガル……っていったかな。邪神の最上位配下、その筆頭だって」
……それは強そうだな。
「あいつは攻撃力も防御力も半端じゃない。こんな強いモンスターは初めて会うな」
ドノバンがフルフェイスの兜の下でうめいた。
「SSSランクもはるかに超えてやがる」
そこまで強いのか……。
「噂のカイルさんが一緒なら勝機はあるかしら? 協力しましょうね、ふふ」
俺に体をすり寄せてくるマルティナ。
ちょっとくっつきすぎじゃないだろうか、と思いつつ、ドキッとしてしまう。
「あなたの能力は武器を作ることでしょうか? あいつに通用するレベルの物を作れそうですか?」
アルフレッドがたずねる。
「さっきサーシャに渡したのは神様が作った武具だ」
答える俺。
「けど、『クラウソラス』だけじゃ足りなさそうだ。だから──」
俺はさらにスキルを発動した。
「ドノバンにはこれを使ってほしい」
作りだす。
大きく湾曲した黒紫色の刃を持った曲刀を。
『暗黒の破壊剣デュランダル』。
所持者の攻撃力と防御力を倍増させ、その攻撃に闇属性ダメージを付与する神造級武具。
「マルティナ、受け取ってくれ」
作りだす。
二匹の蛇が絡み合うようなデザインの長大な杖を。
『輪廻の錫杖ウロボロス』
詠唱時間を大幅に短縮し、かつ術者の魔力消費を三分の一に減少させる効果を持つ神造級武具。
「アルフレッドはこれだ」
作りだす。
七色の光を放つ七枚の護符を。
『楽園の護符ニルヴァーナ』
半径百メートル内にいる味方全員の幸運値を十七倍にアップさせる神造級聖具。
「す、すげえ……! なんだこの剣、力があふれてくる──」
「精神力が加速していくような感覚があります。この杖は──」
「これほどの力を持つ聖具は、中央教会でも見たことがありませんよ。あなたは一体──」
それぞれ武具や聖具を手にした三人が驚きの声を上げた。
「それは一定時間が経つと消えてしまう。短時間で決着をつけよう」
俺はSSSランク冒険者たちに告げた。
「総力戦だ!」
そして──決戦が始まった。
「『竜滅刃』!」
クラウソラスを手に、サーシャが必殺奥義を繰り出す。
「砕け散れぇっ!」
咆哮とともにドノバンがデュランダルを振り回す。
「『ラグナファイア』! 『メテオバスター』! 『ディメンションレイ』!」
矢継ぎ早に最上級の攻撃魔法を繰り出すマルティナ。
神造級武具によって増幅された三人の攻撃力は、まさに圧巻だった。
剣風が、衝撃波が、呪文の攻撃エネルギーが吹き荒れ、大爆発が立て続けに起こる。
「おのれ、人間ども!」
冥王竜が反撃の『光の矢』を放った。
竜気──竜族だけが持つ超エネルギーを圧縮した、無数の光弾だ。
「『ホーリィシェル』!」
それらは護符を併用したアルフレッドの防御魔法がかろうじて防いだ。
戦いは、一進一退だ。
互いに決定打がない。
神造級武具や聖具を四つそろえて、SSSランク冒険者たちが総攻撃をかけているのに、ようやく互角とは──。
さすがに、強い。
「……っていうか、アグエルはどこに行ったんだ」
あいつがいれば、かなり戦力になるのに。
そうだ、アグエルと連絡を取るための道具を作れないかな。
リストを検索すると、連絡用の魔導装置があった。
手のひらサイズの通信装置で、離れた場所にいる任意の相手と念話ができるようだ。
で、さっそくアグエルに連絡を取ってみた。
「いやー、紅茶が美味しいですね。ずずーっ」
……呑気にティータイムかよ。
「アグエル。めちゃくちゃ強い邪神の配下が襲ってきたんだ。手を貸してくれないか」
「おや、カイルさんの声が聞こえる……?」
「通信用の道具を使って話しかけてるんだ」
俺は手短に状況を説明した。
「──というわけで、SSSランク冒険者たちが苦戦してる。力を貸してほしい」
「無理無理無理無理。お断りします」
ん?
「ドゥーガルさんは邪神様に次ぐ戦闘力を持ってるんですよ。下手すると竜神ヴィレーザとかその辺と同等ですし。わたくしが行っても瞬殺されかねないです」
「まじか」
「あ、いたたたたたた……急にお腹が痛くなってきました。とても戦えそうにないです」
「お前……」
あからさますぎるだろ。
「戦いたいのに……村のために戦いたいのにぃ……」
「も、もういい……」
こいつに助力を頼むのは諦めよう。
駆けつけると、サーシャたちが戦っているところのようだ。
「ノエル、離れていてくれ。あいつは──かなり強そうだ。マキナと一緒に、村人の避難誘導を」
「あたしは……」
ノエルが何か言いたげに肩を震わせた。
自分も一緒に戦いたい、といった感じだろうか。
だけど、やっぱり危険すぎる。
「村の人たちのことは任せる──頼む」
そんな俺の気持ちは彼女に伝わったのか、
「……お気をつけて、カイル様」
ノエルは俺をジッと見つめ、うなずいた。
「行こう、マキナちゃん」
「……悔しいけど、私のレベルじゃついていけない。任せるしか、ない」
「あたしたちは、あたしたちにできることをやりましょ」
と、ノエルとマキナが去っていく。
それを見届け、俺は戦況を確認した。
低空でホバリングしているサーシャと竜。
彼女以外の三人の冒険者は初めて見る顔だった。
フルプレートアーマーの黒騎士に魔法使いの美女、眼鏡をかけた少年僧侶。
いずれもダメージを受けているし、サーシャたちが手こずるなら、相手はSSSランク以上のモンスターである可能性が高そうだ。
「サーシャ、これを使え!」
俺はランク5の神造級武具『クラウソラス』を生み出し、サーシャの元に送った。
「『輝ける聖王剣クラウソラス』──一定時間、所持者の攻撃に追加ダメージを発生させる、神の武具だ」
「カイルくん……!」
サーシャが驚いた顔で俺を見つめる。
さらに、
「ん? もしかして、お前がカイルか?」
「へえ、けっこう好みですね。年齢もあたしとちょうど釣り合いそう……ふふ」
「武器創生スキル──?」
三人の冒険者も俺の方を振り返った。
いずれも眼力や威圧感が尋常じゃない。
並の冒険者じゃないことは、気配だけで分かった。
「彼らは全員SSSランク冒険者だよ。黒騎士がドノバン、魔法使いがマルティナ、僧侶がアルフレッド」
と、サーシャが手短に説明する。
なるほど、ただ者じゃない気配と思ったらSSSランクなのか。
納得だ。
「で、あいつは冥王竜ドゥーガル……っていったかな。邪神の最上位配下、その筆頭だって」
……それは強そうだな。
「あいつは攻撃力も防御力も半端じゃない。こんな強いモンスターは初めて会うな」
ドノバンがフルフェイスの兜の下でうめいた。
「SSSランクもはるかに超えてやがる」
そこまで強いのか……。
「噂のカイルさんが一緒なら勝機はあるかしら? 協力しましょうね、ふふ」
俺に体をすり寄せてくるマルティナ。
ちょっとくっつきすぎじゃないだろうか、と思いつつ、ドキッとしてしまう。
「あなたの能力は武器を作ることでしょうか? あいつに通用するレベルの物を作れそうですか?」
アルフレッドがたずねる。
「さっきサーシャに渡したのは神様が作った武具だ」
答える俺。
「けど、『クラウソラス』だけじゃ足りなさそうだ。だから──」
俺はさらにスキルを発動した。
「ドノバンにはこれを使ってほしい」
作りだす。
大きく湾曲した黒紫色の刃を持った曲刀を。
『暗黒の破壊剣デュランダル』。
所持者の攻撃力と防御力を倍増させ、その攻撃に闇属性ダメージを付与する神造級武具。
「マルティナ、受け取ってくれ」
作りだす。
二匹の蛇が絡み合うようなデザインの長大な杖を。
『輪廻の錫杖ウロボロス』
詠唱時間を大幅に短縮し、かつ術者の魔力消費を三分の一に減少させる効果を持つ神造級武具。
「アルフレッドはこれだ」
作りだす。
七色の光を放つ七枚の護符を。
『楽園の護符ニルヴァーナ』
半径百メートル内にいる味方全員の幸運値を十七倍にアップさせる神造級聖具。
「す、すげえ……! なんだこの剣、力があふれてくる──」
「精神力が加速していくような感覚があります。この杖は──」
「これほどの力を持つ聖具は、中央教会でも見たことがありませんよ。あなたは一体──」
それぞれ武具や聖具を手にした三人が驚きの声を上げた。
「それは一定時間が経つと消えてしまう。短時間で決着をつけよう」
俺はSSSランク冒険者たちに告げた。
「総力戦だ!」
そして──決戦が始まった。
「『竜滅刃』!」
クラウソラスを手に、サーシャが必殺奥義を繰り出す。
「砕け散れぇっ!」
咆哮とともにドノバンがデュランダルを振り回す。
「『ラグナファイア』! 『メテオバスター』! 『ディメンションレイ』!」
矢継ぎ早に最上級の攻撃魔法を繰り出すマルティナ。
神造級武具によって増幅された三人の攻撃力は、まさに圧巻だった。
剣風が、衝撃波が、呪文の攻撃エネルギーが吹き荒れ、大爆発が立て続けに起こる。
「おのれ、人間ども!」
冥王竜が反撃の『光の矢』を放った。
竜気──竜族だけが持つ超エネルギーを圧縮した、無数の光弾だ。
「『ホーリィシェル』!」
それらは護符を併用したアルフレッドの防御魔法がかろうじて防いだ。
戦いは、一進一退だ。
互いに決定打がない。
神造級武具や聖具を四つそろえて、SSSランク冒険者たちが総攻撃をかけているのに、ようやく互角とは──。
さすがに、強い。
「……っていうか、アグエルはどこに行ったんだ」
あいつがいれば、かなり戦力になるのに。
そうだ、アグエルと連絡を取るための道具を作れないかな。
リストを検索すると、連絡用の魔導装置があった。
手のひらサイズの通信装置で、離れた場所にいる任意の相手と念話ができるようだ。
で、さっそくアグエルに連絡を取ってみた。
「いやー、紅茶が美味しいですね。ずずーっ」
……呑気にティータイムかよ。
「アグエル。めちゃくちゃ強い邪神の配下が襲ってきたんだ。手を貸してくれないか」
「おや、カイルさんの声が聞こえる……?」
「通信用の道具を使って話しかけてるんだ」
俺は手短に状況を説明した。
「──というわけで、SSSランク冒険者たちが苦戦してる。力を貸してほしい」
「無理無理無理無理。お断りします」
ん?
「ドゥーガルさんは邪神様に次ぐ戦闘力を持ってるんですよ。下手すると竜神ヴィレーザとかその辺と同等ですし。わたくしが行っても瞬殺されかねないです」
「まじか」
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