冒険者パーティから追放された俺、万物創生スキルをもらい、楽園でスローライフを送る

六志麻あさ

文字の大きさ
43 / 46
第3章 俺たちの楽園

11 総力戦

しおりを挟む
 ──地下道から出た俺とノエルは、村が巨大な竜に襲われようとしていることを知った。

 駆けつけると、サーシャたちが戦っているところのようだ。

「ノエル、離れていてくれ。あいつは──かなり強そうだ。マキナと一緒に、村人の避難誘導を」
「あたしは……」

 ノエルが何か言いたげに肩を震わせた。
 自分も一緒に戦いたい、といった感じだろうか。

 だけど、やっぱり危険すぎる。

「村の人たちのことは任せる──頼む」

 そんな俺の気持ちは彼女に伝わったのか、

「……お気をつけて、カイル様」

 ノエルは俺をジッと見つめ、うなずいた。

「行こう、マキナちゃん」
「……悔しいけど、私のレベルじゃついていけない。任せるしか、ない」
「あたしたちは、あたしたちにできることをやりましょ」

 と、ノエルとマキナが去っていく。

 それを見届け、俺は戦況を確認した。

 低空でホバリングしているサーシャと竜。
 彼女以外の三人の冒険者は初めて見る顔だった。
 フルプレートアーマーの黒騎士に魔法使いの美女、眼鏡をかけた少年僧侶。

 いずれもダメージを受けているし、サーシャたちが手こずるなら、相手はSSSランク以上のモンスターである可能性が高そうだ。

「サーシャ、これを使え!」

 俺はランク5の神造級武具『クラウソラス』を生み出し、サーシャの元に送った。

「『輝ける聖王剣クラウソラス』──一定時間、所持者の攻撃に追加ダメージを発生させる、神の武具だ」
「カイルくん……!」

 サーシャが驚いた顔で俺を見つめる。
 さらに、

「ん? もしかして、お前がカイルか?」
「へえ、けっこう好みですね。年齢もあたしとちょうど釣り合いそう……ふふ」
「武器創生スキル──?」

 三人の冒険者も俺の方を振り返った。

 いずれも眼力や威圧感が尋常じゃない。
 並の冒険者じゃないことは、気配だけで分かった。

「彼らは全員SSSランク冒険者だよ。黒騎士がドノバン、魔法使いがマルティナ、僧侶がアルフレッド」

 と、サーシャが手短に説明する。

 なるほど、ただ者じゃない気配と思ったらSSSランクなのか。
 納得だ。

「で、あいつは冥王竜ドゥーガル……っていったかな。邪神の最上位配下、その筆頭だって」

 ……それは強そうだな。

「あいつは攻撃力も防御力も半端じゃない。こんな強いモンスターは初めて会うな」

 ドノバンがフルフェイスの兜の下でうめいた。

「SSSランクもはるかに超えてやがる」

 そこまで強いのか……。

「噂のカイルさんが一緒なら勝機はあるかしら? 協力しましょうね、ふふ」

 俺に体をすり寄せてくるマルティナ。
 ちょっとくっつきすぎじゃないだろうか、と思いつつ、ドキッとしてしまう。

「あなたの能力は武器を作ることでしょうか? あいつに通用するレベルの物を作れそうですか?」

 アルフレッドがたずねる。

「さっきサーシャに渡したのは神様が作った武具だ」

 答える俺。

「けど、『クラウソラス』だけじゃ足りなさそうだ。だから──」

 俺はさらにスキルを発動した。

「ドノバンにはこれを使ってほしい」

 作りだす。
 大きく湾曲した黒紫色の刃を持った曲刀を。

『暗黒の破壊剣デュランダル』。
 所持者の攻撃力と防御力を倍増させ、その攻撃に闇属性ダメージを付与する神造級武具。

「マルティナ、受け取ってくれ」

 作りだす。
 二匹の蛇が絡み合うようなデザインの長大な杖を。

『輪廻の錫杖ウロボロス』
 詠唱時間を大幅に短縮し、かつ術者の魔力消費を三分の一に減少させる効果を持つ神造級武具。

「アルフレッドはこれだ」

 作りだす。
 七色の光を放つ七枚の護符を。

『楽園の護符ニルヴァーナ』
 半径百メートル内にいる味方全員の幸運値を十七倍にアップさせる神造級聖具。

「す、すげえ……! なんだこの剣、力があふれてくる──」
「精神力が加速していくような感覚があります。この杖は──」
「これほどの力を持つ聖具は、中央教会でも見たことがありませんよ。あなたは一体──」

 それぞれ武具や聖具を手にした三人が驚きの声を上げた。

「それは一定時間が経つと消えてしまう。短時間で決着をつけよう」

 俺はSSSランク冒険者たちに告げた。

「総力戦だ!」



 そして──決戦が始まった。



「『竜滅刃ヴィレーザロスト』!」

 クラウソラスを手に、サーシャが必殺奥義を繰り出す。

「砕け散れぇっ!」

 咆哮とともにドノバンがデュランダルを振り回す。

「『ラグナファイア』! 『メテオバスター』! 『ディメンションレイ』!」

 矢継ぎ早に最上級の攻撃魔法を繰り出すマルティナ。

 神造級武具によって増幅された三人の攻撃力は、まさに圧巻だった。
 剣風が、衝撃波が、呪文の攻撃エネルギーが吹き荒れ、大爆発が立て続けに起こる。

「おのれ、人間ども!」

 冥王竜ドゥーガルが反撃の『光の矢』を放った。
 竜気──竜族だけが持つ超エネルギーを圧縮した、無数の光弾だ。

「『ホーリィシェル』!」

 それらは護符を併用したアルフレッドの防御魔法がかろうじて防いだ。

 戦いは、一進一退だ。
 互いに決定打がない。

 神造級武具や聖具を四つそろえて、SSSランク冒険者たちが総攻撃をかけているのに、ようやく互角とは──。
 さすがに、強い。

「……っていうか、アグエルはどこに行ったんだ」

 あいつがいれば、かなり戦力になるのに。

 そうだ、アグエルと連絡を取るための道具を作れないかな。
 リストを検索すると、連絡用の魔導装置があった。

 手のひらサイズの通信装置で、離れた場所にいる任意の相手と念話ができるようだ。
 で、さっそくアグエルに連絡を取ってみた。

「いやー、紅茶が美味しいですね。ずずーっ」

 ……呑気にティータイムかよ。

「アグエル。めちゃくちゃ強い邪神の配下が襲ってきたんだ。手を貸してくれないか」
「おや、カイルさんの声が聞こえる……?」
「通信用の道具を使って話しかけてるんだ」

 俺は手短に状況を説明した。

「──というわけで、SSSランク冒険者たちが苦戦してる。力を貸してほしい」
「無理無理無理無理。お断りします」

 ん?

「ドゥーガルさんは邪神様に次ぐ戦闘力を持ってるんですよ。下手すると竜神ヴィレーザとかその辺と同等ですし。わたくしが行っても瞬殺されかねないです」
「まじか」
「あ、いたたたたたた……急にお腹が痛くなってきました。とても戦えそうにないです」
「お前……」

 あからさますぎるだろ。

「戦いたいのに……村のために戦いたいのにぃ……」
「も、もういい……」

 こいつに助力を頼むのは諦めよう。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

最強付与術師の成長革命 追放元パーティから魔力回収して自由に暮らします。え、勇者降ろされた? 知らんがな

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
旧題:最強付与術師の成長革命~レベルの無い世界で俺だけレベルアップ!あ、追放元パーティーから魔力回収しますね?え?勇者降ろされた?知らんがな ・成長チート特盛の追放ざまぁファンタジー! 【ファンタジー小説大賞の投票お待ちしております!】  付与術のアレンはある日「お前だけ成長が遅い」と追放されてしまう。  だが、仲間たちが成長していたのは、ほかならぬアレンのおかげだったことに、まだ誰も気づいていない。  なんとアレンの付与術は世界で唯一の《永久持続バフ》だったのだ!  《永久持続バフ》によってステータス強化付与がスタックすることに気づいたアレンは、それを利用して無限の魔力を手に入れる。  そして莫大な魔力を利用して、付与術を研究したアレンは【レベル付与】の能力に目覚める!  ステータス無限付与とレベルシステムによる最強チートの組み合わせで、アレンは無制限に強くなり、規格外の存在に成り上がる!  一方でアレンを追放したナメップは、大事な勇者就任式典でへまをして、王様に大恥をかかせてしまう大失態!  彼はアレンの能力を無能だと決めつけ、なにも努力しないで戦いを舐めきっていた。  アレンの努力が報われる一方で、ナメップはそのツケを払わされるはめになる。  アレンを追放したことによってすべてを失った元パーティは、次第に空中分解していくことになる。 カクヨムにも掲載 なろう 日間2位 月間6位 なろうブクマ6500 カクヨム3000 ★最強付与術師の成長革命~レベルの概念が無い世界で俺だけレベルが上がります。知らずに永久バフ掛けてたけど、魔力が必要になったので追放した元パーティーから回収しますね。えっ?勇者降ろされた?知らんがな…

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~

にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。 「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。 主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。

追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい

桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~

軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。 そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。 クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。 一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。

処理中です...