幽霊少女

猫ふくろう

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24話・花子さんの営業2/4

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  花子さんを学校で流行らせると誓った日の放課後、沙奈たちに遊びに誘われたが眠かったため断り、直ぐに家に帰った。道中、花子さんがいろいろ話していたが眠気で頭がふわふわしていたため聞いていなかった。
 家に着くと、すぐにベッドに行った。
「作戦会議をするんだわさ」
「明日、やります」
低い声で言う。そのまま晩御飯になるまで眠りについた。
 食後、ある程度元気を取り戻した恵美奈は作戦会議をすることにした。
「前の学校ではどのように流行らせていたんですか?」
「ほとんどは口コミで広めていたんだわさ」
恵美奈はうなる。予想していた答えだったからだ。とりあえず、ネットでトイレの花子さんについて調べる。
「花子さんって100点のテストが嫌いなのですか」
「は?」
その事が描いてあるページを見せる。「100点のテストを見せると逃げ出す」と書いてある。花子さんは鼻で笑う。
「そんな訳ないんだわさ。口裂け女みたいにポマードに怯えたり、べっこう飴に飛びついたりする奴と一緒にしないでほしいんだわさ」
さらに花子さんに関する目ぼしい情報がないかを見渡す。一つ面白いものを見つけた。
「花子さんって大トカゲなんですか?」
思わず笑いながら行ってしまった。花子さんはその情報が載っているページを見るために恵美奈に飛びつく。ネットによると頭を3つ、体調3メートルの大トカゲで花子さんを呼んだ相手を食べてしまうという説があるらしい。
「誰なんだわさ⁉こんな事書いた奴は。お望み通り食ってやるんだわさ」
「まあ、この記事書いた人も悪気があったわけでは」
「そもそもなんなんだわさ?アタイ自体に死ぬ前の記憶なんて無いのになんでこいつらがアタイの生前を知っているんだわさ?」
利用できそうな情報は無かった。調べているうちに寝る時間になってしまい、今日は寝る事にした。
「私はもう寝ますけど花子さんはどうします?学校に帰ります?」
「しばらくはここの家に住むんだわさ」
「そうですか」
恵美奈は電気を消した。
 しかし直ぐに電気を付ける。
「どうしたのさ?」
「思いつきました!」
恵美奈は嬉しそうに笑っていた。
「花子さん、明日やってほしいことがあるんですけど」
今後の計画を説明してから出来る限りの準備をして寝た。
 次の日、沙奈達と花子さんについて話した。沙奈は花子さんと会いたがったが、夜美は会いたがらなかった。
「花子さんはどう?」
「迷惑・・したら・・・お仕置き・・する。・・・言って」
「大丈夫ですよ。でも花子さんが学校中を歩き回るので運が良ければ会えますよ」
 さらに数日たった。先日の友人と話していた。
「たけし君の好きな人を知る方法が分かったので放課後、また私の所に来て下さい」
「方法?」
「後でわかるので楽しみにしてください」
 放課後になり恵美奈のもとに友人がきた。友人はもじもじしている。
「その~、例の~」
「行きましょうか」
友人は恵美奈に連れられて花子さんがいるトイレへ行った。そのトイレに人がいない事を確かめた。恵美奈は友人を見てにっこり笑う。恵美奈は「はーなこさん」と言って3回ノックした。
「はーい」
返事が返ってきた。友人は小さな叫び声をあげる。友人を安心させるために手を握る。
「たけし君の好きな人を聞いて下さい」
「たけし君の好きな人は誰ですか?」
「では代わりに誰かの好きな人の名前を教えろ。アンタの好きな人でもいい」
花子さんから返事がした。友人は恵美奈を不安気に見る。恵美奈は優しく微笑む。
「私はたけし君が好きです」
恥ずかしくて、小さい声で言った。
「私では分からん。アンタの名前を言え」
「私、優香はたけし君が好きです」
勢い余って、大きい声で言った。
「そうか。二日後にまた来るんだわさ」
優香は不安な顔をする。恵美奈は大丈夫だと言ってまた来るように言った。
 2日後、恵美奈と優香は花子さんの元へ行った。
同じようにして花子さんを呼んだ。
「優香です」
「たけしは優香の事が好きらしいんだわさ」
「おめでとうございます」
恵美奈は拍手した。優香は照れながら嬉しそうに泣く。恵美奈は優香の背中をさすりながらトイレから出てきた。そこには例のたけしがいた。彼は驚きの表情でこちらを見ていた。たけしは優香が泣いているのは恵美奈のせいだと勘違いし、恵美奈から優香を奪い取った。
 その後、優香とたけしは付き合い始めた。互いに奥手だった優香とたけしが付き合ったとあって、2人の周りには人だかりが出来ていた。
うまく宣伝できそうで恵美奈は満足げに笑った。
 
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