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25話・花子さんの営業3/4
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学校では花子さんの噂は徐々に広まって行った。となりのクラスの女子は花子さんが出たとか、出なかったとか。恵美奈は花子さに3回に1回だけ出るように指示していた。その方が生徒にとっても試しがいがあるからだ。そのせいで花子さんの噂が広がるのは遅かったが3週間ほどで花子さんの噂は定着した。一日に7、8人くらいの人が噂の真相を確かめにくる。そのうち2、3人の依頼人のターゲットを調べなければならないから花子さんは多忙の日々だった。
そんなある日、少女の声で「はーなこさん」と言って3回ノックされた。次は出ないと決めていないため無視した。しかし、また花子さんを呼んで3回ノックされた。花子さんは無視を続ける。また同じことを繰り返す。そのうち声を荒げてノックも扉を叩くような音になった。花子さんは怖くなり、便器の上で震えていた。しばらくすると音がやんだ。
「花子さん、出てきてよ」
声は触れえた泣き声だった。花子さんはその少女の前に姿を表す。
「どうしたのさ?」
「花子さん?」
少女が花子さん本人かどうかを確かめてきた。
「そうなのさ。なんでそんなに泣いてるんだわさ?」
少女はぽつぽつと話し始めた。
「たけし君が優香ちゃんと付き合い始めたから」
「最初のあいつか」
どうやら少女はたけしの事が好きだったが、この前の事で付き合い始めたことがショックだったようだ。そして、自分もここに来れば何かが変わると思って花子さんの元に来た。
「まあ、泣き止むんだわさ。一つ面白い話をしてやるんだわさ」
花子さんはとっておきの話を始めた。
一方そのころ、恵美奈は沙奈たちとトイレへ向かっていた。
「トイレの花子さんとお話するの楽しみだなー。夜美ちゃんはちゃんと謝るんだよ」
「・・・・うん」
トイレの花子さんがいる個室の前に来ると、謎の少女の笑い声が聞こえてきた。恵美奈が様子を見に行き、ジェスチャーで人がいる事を伝え帰るように促した。沙奈たちはそれを理解し、引き返そうとした。
「恵美奈~、恵美奈~」
「え!」
恵美奈は驚いて思わず声を上げてしまった。沙奈たちも入ってきた。トイレのドアが開いた。そこには疲れ果てた顔の花子さんと花子さんにピッタリくっ付いた少女がいた。
「誰よこの女」
恵美奈に敵意の目を向けている。恵美奈達は訳が分からず、花子さんに答えを促す視線を向ける。
「ここから出てってよ。ここは私と花子さんとの愛の巣なの!」
恵美奈達は何と言っていいか分からずポカンとしている。花子さんは沈黙に耐えきれず、場を和ませようとする。
「トイレが愛の巣なんて、いやらしいんだわさ」
恵美奈達は理解できず、眉をひそめる。
「彼女の名前は晴美なんだわさ」
花子さんは何もなかったかのように少女の紹介を始めた。一通り紹介を終えると晴美に目を移す。
「大事な話があるから今日は帰ってほしいんだわさ」
晴美に言った。晴美は帰りたくないと駄々をこねる。
「明日またくればいいのさ」
「嫌だ」
「帰るんだわさ」
「じゃあ、好きって言って?」
「え?」
晴美は欲しがるような目で花子さんを見つめる。沙奈たちは気恥ずかしそうに見ている。だが、その視線には期待も込められている。花子さんも引けなくなり、覚悟を決めた。
「アタイも好きだわさ」
晴美はキャッキャ言いながらその場を立ち去った。花子さんはトイレにへたり込んだ。
「今日は大事な話をしようと思ってたんだわさ・・・」
「元気出して」
沙奈がはげます。夜美が花子さんの頭に手をかざす。
「ん?」
花子さんは勢いよく立ち上がる。表情は元気に満ち溢れていた。夜美の術だ。
「何か元気が出てきたんだわさ」
花子さんは夜美を見る。
「前回は申し訳ないんだわさ」
「私も・・痛いこと・・・ごめん・・なさい」
「これでみんな仲良しだね」
4人で和気あいあいと話した。
数分話すと恵美奈が本題に入ろうと言った。花子さんもその事を思い出し、本題に入る事にした。
「そのことなんだけど、十分トイレの花子さんが流行ったから次の学校へ行こうと思うんだわさ」
それを聞いて恵美奈はやり切った達成感を感じて口角が上がった。花子さんはそれに気づいた。
「お疲れ様なのさ」
そんなある日、少女の声で「はーなこさん」と言って3回ノックされた。次は出ないと決めていないため無視した。しかし、また花子さんを呼んで3回ノックされた。花子さんは無視を続ける。また同じことを繰り返す。そのうち声を荒げてノックも扉を叩くような音になった。花子さんは怖くなり、便器の上で震えていた。しばらくすると音がやんだ。
「花子さん、出てきてよ」
声は触れえた泣き声だった。花子さんはその少女の前に姿を表す。
「どうしたのさ?」
「花子さん?」
少女が花子さん本人かどうかを確かめてきた。
「そうなのさ。なんでそんなに泣いてるんだわさ?」
少女はぽつぽつと話し始めた。
「たけし君が優香ちゃんと付き合い始めたから」
「最初のあいつか」
どうやら少女はたけしの事が好きだったが、この前の事で付き合い始めたことがショックだったようだ。そして、自分もここに来れば何かが変わると思って花子さんの元に来た。
「まあ、泣き止むんだわさ。一つ面白い話をしてやるんだわさ」
花子さんはとっておきの話を始めた。
一方そのころ、恵美奈は沙奈たちとトイレへ向かっていた。
「トイレの花子さんとお話するの楽しみだなー。夜美ちゃんはちゃんと謝るんだよ」
「・・・・うん」
トイレの花子さんがいる個室の前に来ると、謎の少女の笑い声が聞こえてきた。恵美奈が様子を見に行き、ジェスチャーで人がいる事を伝え帰るように促した。沙奈たちはそれを理解し、引き返そうとした。
「恵美奈~、恵美奈~」
「え!」
恵美奈は驚いて思わず声を上げてしまった。沙奈たちも入ってきた。トイレのドアが開いた。そこには疲れ果てた顔の花子さんと花子さんにピッタリくっ付いた少女がいた。
「誰よこの女」
恵美奈に敵意の目を向けている。恵美奈達は訳が分からず、花子さんに答えを促す視線を向ける。
「ここから出てってよ。ここは私と花子さんとの愛の巣なの!」
恵美奈達は何と言っていいか分からずポカンとしている。花子さんは沈黙に耐えきれず、場を和ませようとする。
「トイレが愛の巣なんて、いやらしいんだわさ」
恵美奈達は理解できず、眉をひそめる。
「彼女の名前は晴美なんだわさ」
花子さんは何もなかったかのように少女の紹介を始めた。一通り紹介を終えると晴美に目を移す。
「大事な話があるから今日は帰ってほしいんだわさ」
晴美に言った。晴美は帰りたくないと駄々をこねる。
「明日またくればいいのさ」
「嫌だ」
「帰るんだわさ」
「じゃあ、好きって言って?」
「え?」
晴美は欲しがるような目で花子さんを見つめる。沙奈たちは気恥ずかしそうに見ている。だが、その視線には期待も込められている。花子さんも引けなくなり、覚悟を決めた。
「アタイも好きだわさ」
晴美はキャッキャ言いながらその場を立ち去った。花子さんはトイレにへたり込んだ。
「今日は大事な話をしようと思ってたんだわさ・・・」
「元気出して」
沙奈がはげます。夜美が花子さんの頭に手をかざす。
「ん?」
花子さんは勢いよく立ち上がる。表情は元気に満ち溢れていた。夜美の術だ。
「何か元気が出てきたんだわさ」
花子さんは夜美を見る。
「前回は申し訳ないんだわさ」
「私も・・痛いこと・・・ごめん・・なさい」
「これでみんな仲良しだね」
4人で和気あいあいと話した。
数分話すと恵美奈が本題に入ろうと言った。花子さんもその事を思い出し、本題に入る事にした。
「そのことなんだけど、十分トイレの花子さんが流行ったから次の学校へ行こうと思うんだわさ」
それを聞いて恵美奈はやり切った達成感を感じて口角が上がった。花子さんはそれに気づいた。
「お疲れ様なのさ」
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