君の運命の相手は俺だけど俺じゃない

あい香

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3 あなたのギター

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学校を休んで3日がすぎると、ニキビは目立たないくらいまで治り、気持ちもやっと落ち着いた。

「お母さん、来週から学校行こうかな」
「分かった、月曜はお昼のお弁当作るわね」

夕飯の支度をしていたお母さんは、いったん手をとめてホッとした様子で頷いた。

お母さんは学校を休んでいる間、急かすことなくわたしが学校に行くと言い出すのを待ってくれる。

仕事が忙しいお父さんも、普段は映画のDVDを一緒に観たりはしないのに、おすすめの映画のDVDをレンタルして帰ってきてくれたりする。

中学のとき何があったかは両親に話したことはないけれど、いつも優しい両親のおかげで、わたしは何とかまた学校に行ける。

「いつもありがとう。何か手伝うよ」
「それじゃ、きゅうり切ってもらえる?」
「はーい」

ピーンポーン

わたしがきゅうりを切り始めたときインターホンが鳴った。

「お父さん? じゃないわよね、誰かしら」

お父さんが仕事から帰ってくるのにはまだ早い時間だし、インターホン鳴らすわけはないし。

お母さんは自分の言ったことにうふふと笑いながら、パタパタと玄関へと走っていった。

ドアを開ける音のあとにお母さんの高い声が、ところどころに聞こえてくる。

「あらぁ、わざわざ来てくれたの?……ええ、来週からは学校に……。

 え? 少し待っていてね?

 はるかーー?」

お母さんが、大声でわたしを呼びながらキッチンへと戻ってきた。

「クラスのお友達が心配して来てくれたわよ。どうしてもはるかの顔が見たいんですって」

「えぇ? やだ、いいよ。 大丈夫って帰ってもらって」

何回か学校を休んだことがあるけど、こうしてチカや美咲が訪ねてきたことは初めてだ。

きゅうりを切る包丁の手を止めずに首をふったが、お母さんが、

「どうしてもって言うんだもの。それに、男の子よ」

含み笑いを浮かべながらわたしの肩をつついた。

「え?」

男の子の友達なんていないんだけどと、わたしが言うより早くお母さんに包丁を置くように促されて、背中をおされるがまま玄関へと向かわされた。

「森咲さん! よかったぁ、元気そうで安心したよ」

うつむきがちに玄関へと向かったら、聞き覚えのある声。

ん? この声は......

はっとして顔をあげると、

「えぇ!?」

玄関には、唯の姿があった。
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