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重罪になる
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「シスター・テレジア。その……アーリア様とはもしかして、アーリア・コーニー男爵令息のことでしょうか?」
確認のために恐る恐る訊くと、
「ええ。そう名乗られましたわ」
「……! そ、それでその……。彼は貴女にもしかして、別れを告げたのでしょうか?」
彼は今や第3王女の婚約者だ。
余所の女など、認められる筈がない。だから別れ話をされ、それでも思い切れず悩んでいるとか? と思ったのだが、
「? いいえ。3日程前も、その……いかがわしい場所に入ろう、と提案されました……。」
「3日程前!?」
頬を染め、伏せ目がちに言われた言葉が信じられない。3日って、つい最近じゃないか。
あの卒業パーティの断罪から、とうに1ヶ月は経っている。コーニー男爵の息子が第3王女の婚約者になった話は、すでにあちこちに伝わっているはずだ。なのに、
――あの男は……一体、どういうつもりなんだ……?
王家に嫁ぐ者は、清らかであることが重要視される。
他国にはそんな考えが根付く国もあるらしい。……が、この国は違う。
最高権力者が女性だからか、大抵は“男は女の最初の男になりたがり、女は男の最後の女になりたがる”という心理が適用されるのだ。つまり“貴女が過去にどれほどの女と関係を重ねたとしても、これから最後までが私なら問題ないわ”と、言う事らしい。
それもあってか、貴族・平民共に婚約前のお付き合いに関してはあまりうるさく言われない。個人同士、もしくはその家同士で納得したら良しとされている。
……が、あくまでそれは婚約前の関係だ。
婚約したら最後、他の関係は全て断ち切る。妻・夫どちらも常に相手だけを唯一とするように。結婚まででも他の異性との交遊はまかりならない。肉体関係などもっての外。
王配の不義密通は重罪だ。相手共々処罰を受けねばならない。下手をすれば、双方の実家共々だ。
アーリアの女性関係が乱れているのは、知っていたが……。
しかしあの卒業パーティの日、第3王女から婚約する旨を堂々と宣言されたのだ。他の関係は処理するだろう、と思っていた。それがまだ……手を出す気でいるだと!?
「シスター……、気を確かに持って訊いてもらいたいのですが、彼は……」
“第3王女殿下の婚約者だ”
この際どう思われるかなんて気にしていられない。とばかりに事実を知らせようと口を開く。が……。
「レオさん…………?」
急に意識が途切れ、次に目にしたのは驚きに目を丸くしたシスターだった。
――あれ? 俺、今……何を言おうとしてたんだろう……?
思い出そうとするが、何も浮かんでこない。すごく大事なことだった気がするんだが……?
「ご気分が悪いのですか?」
「あ、いえ……。すみません、今日は失礼させていただきます……」
「? え、ええ……。ありがとうございました」
シスターに挨拶し、背を向ける。
平静を装いつつも、頭の中は混乱していた。
なぜ、思い出せない? なぜこんな状況になってる?
内心問いかけながらも、答えは分からない。理解出来ない。
今自分がとった行動の理由も分からない。そんな事は前代未聞だ。頭を悩ませながら聖堂を出た。
……もう1人、聖堂の隅に蹲るようにして俺達の様子を伺っていた“彼”にも声をかけず、出て行ってしまったのだ。
確認のために恐る恐る訊くと、
「ええ。そう名乗られましたわ」
「……! そ、それでその……。彼は貴女にもしかして、別れを告げたのでしょうか?」
彼は今や第3王女の婚約者だ。
余所の女など、認められる筈がない。だから別れ話をされ、それでも思い切れず悩んでいるとか? と思ったのだが、
「? いいえ。3日程前も、その……いかがわしい場所に入ろう、と提案されました……。」
「3日程前!?」
頬を染め、伏せ目がちに言われた言葉が信じられない。3日って、つい最近じゃないか。
あの卒業パーティの断罪から、とうに1ヶ月は経っている。コーニー男爵の息子が第3王女の婚約者になった話は、すでにあちこちに伝わっているはずだ。なのに、
――あの男は……一体、どういうつもりなんだ……?
王家に嫁ぐ者は、清らかであることが重要視される。
他国にはそんな考えが根付く国もあるらしい。……が、この国は違う。
最高権力者が女性だからか、大抵は“男は女の最初の男になりたがり、女は男の最後の女になりたがる”という心理が適用されるのだ。つまり“貴女が過去にどれほどの女と関係を重ねたとしても、これから最後までが私なら問題ないわ”と、言う事らしい。
それもあってか、貴族・平民共に婚約前のお付き合いに関してはあまりうるさく言われない。個人同士、もしくはその家同士で納得したら良しとされている。
……が、あくまでそれは婚約前の関係だ。
婚約したら最後、他の関係は全て断ち切る。妻・夫どちらも常に相手だけを唯一とするように。結婚まででも他の異性との交遊はまかりならない。肉体関係などもっての外。
王配の不義密通は重罪だ。相手共々処罰を受けねばならない。下手をすれば、双方の実家共々だ。
アーリアの女性関係が乱れているのは、知っていたが……。
しかしあの卒業パーティの日、第3王女から婚約する旨を堂々と宣言されたのだ。他の関係は処理するだろう、と思っていた。それがまだ……手を出す気でいるだと!?
「シスター……、気を確かに持って訊いてもらいたいのですが、彼は……」
“第3王女殿下の婚約者だ”
この際どう思われるかなんて気にしていられない。とばかりに事実を知らせようと口を開く。が……。
「レオさん…………?」
急に意識が途切れ、次に目にしたのは驚きに目を丸くしたシスターだった。
――あれ? 俺、今……何を言おうとしてたんだろう……?
思い出そうとするが、何も浮かんでこない。すごく大事なことだった気がするんだが……?
「ご気分が悪いのですか?」
「あ、いえ……。すみません、今日は失礼させていただきます……」
「? え、ええ……。ありがとうございました」
シスターに挨拶し、背を向ける。
平静を装いつつも、頭の中は混乱していた。
なぜ、思い出せない? なぜこんな状況になってる?
内心問いかけながらも、答えは分からない。理解出来ない。
今自分がとった行動の理由も分からない。そんな事は前代未聞だ。頭を悩ませながら聖堂を出た。
……もう1人、聖堂の隅に蹲るようにして俺達の様子を伺っていた“彼”にも声をかけず、出て行ってしまったのだ。
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