悪役令息な俺でもいいんですか?~歌声で人々を癒やします。でも元婚約者(第3王女)はお断りです~

みけの

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《閑話》???の苦悩

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 それを最初、精巧に描かれた絵画と思った。
図鑑を横にした位の大きさで、薄い板のような厚みを持つそれ。その面一杯に次々と女の姿が浮かび上がる。
しかも、どんな魔力式なのか……その絵は、動いていた。しかも声や音までする。
 絵の中で次々と変わる女達。彼女らは全て美しく、個性的な魅力に溢れている。
それだけなら芸術、と言えるだろう。
――ただ…………。直視するのが、躊躇われた。
――彼女らは全員……全裸だからだ。
しかも……秘所すら隠さない、あられもない姿を画面いっぱいに写している。


 『あ、ああんっ! あんっ! ……ひいん!?』
『ら……っ、らめぇ! イッちゃう~!』

悲鳴のようだが、その感極まった声と、紅潮し潤ませた瞳に浮かぶのは明らかに悦楽だ。時々あえぎ声と合わせるようにギシ、ギシとかパンッパンッという音もする。

 ――何だ、これは?

 映し出される卑猥なシーンの数々に、若干興奮している自分に気付く。
自分でも知らない内に、まさか変態になっていたのか――? 
 
 が……切り替わった画像に出た女性の顔に、目を奪われた。


『ア……アーリアァ……』
歓喜に口元から涎を垂らし、頬を染める美しい女性。

 自分は、この人を……知っている。

“イベント”を見たり“攻略本”に載っていたプロフィールを見る度、思っていた。
 自分はこの子を幸せにしたい、この子が笑ってくれる為ならいくらでも推そうと。

――って……“推す”って、何だ?


 そこで目が覚める。
目に入ってきたのは、見慣れた家の天井。体の下には慣れた寝具の感触。足下に丸まる猫の重み。
「夢だったのか……?」
……いや、夢だったとしてもこれはおかしい。以前、同じ夢を見たことがあるからだ。あの生々しくも美しい、動く絵画を。
 覚めた今でも心の奥に、あのシーンが鮮烈に残っている。
 のろのろと起き上がり、窓の外を見る。
空はまだ薄暗い。あと少ししたら白みだした空が、新しい1日の始まりを告げるだろう。現実の生活が始まる。
再び寝床に横たわりながらも、目を閉じればまた、“あれ”を見るかも知れないと思うと複雑な気分になるのだ。

 一体……あれは、何だ?

自分に何を、告げようとしているのか……?

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