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ぐーたら夫人は仕事モードになる
来訪者③
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「こ、国王陛下……?」
「あ、すみませーん。これ最初に見せたら良かったんですね」
男がおどけた口調で一枚の紙をバッと広げ、執事達に見せた。
“我が名においてミュゼ・リュドミラ小侯爵夫人に早急の現場復帰を命じる”
その言葉の横にある署名が問題だった。
“ジャルダン王国国王・シダール・リオ・ジャルダン”
サインの隣には王家の紋章の押印がクッキリした形で押されていた。
「いや~本当にすいません。姐さん、いやミュゼさんは侯爵令息の奥さんだし、こんなの必要ないって思ってたんで」
………違う、絶対にワザとだ。
へらへら笑って謝る男を見て、執事は確信する。彼、いやこいつは最初から自分達に探りを入れていた。門番や自分の対応を見る為に、切り札を見せずにいたのだ。
そして……自分達はその“罠”にかかった。
呆然としている執事や門番、騎士達の頭上に大きな影が落ちた。雲や鳥の影とはまるで違う大きさに、全員一斉に顔を上げ……。
「ひいっ!」
巨大な瞳孔にギロリ、と睨まれた。
影の正体は恐らく翼竜。体の大きさに関係なく性格は温和な品種とされ、従魔術師によってテイムされ、使役されやすい竜種だ。
大きい羽根をバッサバッサと動かし、待機しているそれは恐らく大型か、大量の荷物運搬用。証拠に誰かの所有物である証の足環をしている。
「ちょーっと! 大型翼竜なんて貴族街に来させないでよ!」
ミュゼが叫ぶのに、上空から野蛮な口調で答えが降ってきた。
「着地しなきゃあ違反にならねーよ! つかヘンリーお前、そんなデクノボー共に何手こずってんだ! 最初に国王陛下からの召喚状突きつけてやれば一発だったろうが!!」
「国王陛下………?」
翼竜の翼の羽ばたきで会話の内容は把握出来なかったが、聞き取れた言語に執事が固まる。
「はっ! こんな小物共に見せても『ニセモン』とか言いがかり付けられて時間食うだけだ! どーせ本物なんか見た事ないんだからよ! それよりまじ時間ない! 行きますよ、統括!」
統括、とは誰だと思っている執事達の前で、
「はぁ……お手柔らかに」
ミュゼが諦めたような顔で、ホールドアップした。
同時にミュゼの体がふわっと浮き上がる。ミュゼだけではなく彼女の関係者である2人も一緒に。
「ま、魔力持ちの翼竜だと……?」
あの種の翼竜の中には魔力を持つ種がおり、対象とするものを動かせる力を持っていると言う誰かの言葉が、執事の頭に浮かんだ。
しかしそれは希少な種で、従魔にするのも不可能に近い、とも。
そんな希少な竜の背に、あれよあれよという間に乗った彼らは、公爵家の使用人達を見下ろして
「お騒がせしましたー♪」
と、満面笑顔で去って行った。
「あ、すみませーん。これ最初に見せたら良かったんですね」
男がおどけた口調で一枚の紙をバッと広げ、執事達に見せた。
“我が名においてミュゼ・リュドミラ小侯爵夫人に早急の現場復帰を命じる”
その言葉の横にある署名が問題だった。
“ジャルダン王国国王・シダール・リオ・ジャルダン”
サインの隣には王家の紋章の押印がクッキリした形で押されていた。
「いや~本当にすいません。姐さん、いやミュゼさんは侯爵令息の奥さんだし、こんなの必要ないって思ってたんで」
………違う、絶対にワザとだ。
へらへら笑って謝る男を見て、執事は確信する。彼、いやこいつは最初から自分達に探りを入れていた。門番や自分の対応を見る為に、切り札を見せずにいたのだ。
そして……自分達はその“罠”にかかった。
呆然としている執事や門番、騎士達の頭上に大きな影が落ちた。雲や鳥の影とはまるで違う大きさに、全員一斉に顔を上げ……。
「ひいっ!」
巨大な瞳孔にギロリ、と睨まれた。
影の正体は恐らく翼竜。体の大きさに関係なく性格は温和な品種とされ、従魔術師によってテイムされ、使役されやすい竜種だ。
大きい羽根をバッサバッサと動かし、待機しているそれは恐らく大型か、大量の荷物運搬用。証拠に誰かの所有物である証の足環をしている。
「ちょーっと! 大型翼竜なんて貴族街に来させないでよ!」
ミュゼが叫ぶのに、上空から野蛮な口調で答えが降ってきた。
「着地しなきゃあ違反にならねーよ! つかヘンリーお前、そんなデクノボー共に何手こずってんだ! 最初に国王陛下からの召喚状突きつけてやれば一発だったろうが!!」
「国王陛下………?」
翼竜の翼の羽ばたきで会話の内容は把握出来なかったが、聞き取れた言語に執事が固まる。
「はっ! こんな小物共に見せても『ニセモン』とか言いがかり付けられて時間食うだけだ! どーせ本物なんか見た事ないんだからよ! それよりまじ時間ない! 行きますよ、統括!」
統括、とは誰だと思っている執事達の前で、
「はぁ……お手柔らかに」
ミュゼが諦めたような顔で、ホールドアップした。
同時にミュゼの体がふわっと浮き上がる。ミュゼだけではなく彼女の関係者である2人も一緒に。
「ま、魔力持ちの翼竜だと……?」
あの種の翼竜の中には魔力を持つ種がおり、対象とするものを動かせる力を持っていると言う誰かの言葉が、執事の頭に浮かんだ。
しかしそれは希少な種で、従魔にするのも不可能に近い、とも。
そんな希少な竜の背に、あれよあれよという間に乗った彼らは、公爵家の使用人達を見下ろして
「お騒がせしましたー♪」
と、満面笑顔で去って行った。
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