ミュゼ・シルフィーの結婚の行方

みけの

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幼馴染達は知る

ルミカとルースの関係は

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 そんなサイモンの心境も知らないルミカは、

「え、えっとぉ……私の両親が昔、ルースのお父様の部下でしたの」

「“ルース”?」

「あ、ルース・リュドミラの事です」

うっかり間違えちゃいました~うふふ♪ と笑うルミカだが、聞き咎めたのはそれじゃない。

―――公の場で位、人の旦那に敬称をつけるべきではないのか? 

 まぁ仮にルミカが幼児なら、仕方ないと思えたろう。貴族は子育てをしないと聞く。それが高位なら尚の事、面倒な作業は乳母に任せるのが普通だと。

 しかし今、サイモンの前にいるのは幼児とは全く思えないルミカ。

 その事実にサイモンも若干パニックを起こしかけた。―――あくまで脳内だけにとどめたが……。

「……失礼しました。お話の続きを」

 前人未踏な混乱を懸命に抑えたサイモンは、ルミカに発言を促す。そんな彼にルミカは

「まあ、そんなに私の事を? 少し恥ずかしいですわぁ……!」

 と、心底嬉しそうに更に体をくねらせる。それ意味あるの? ってかお前なんか興味ねぇよ、と、脳内から沸き上がる嫌悪感と戦っているサイモンの前で、ルミカは突然表情を変えた。

「そのぉ……」

と言葉を切り、上目遣いにサイモンを見つめた。そして表情をガラリと変える。


“カワイイ私”から“可哀そうな私”にと。

 突然目を潤ませ自身を抱きしめるように腕を回すと、悲痛な声で語りだした。

「私は……小さい頃に、お父様とお母様を、事故でいっぺんに無くしました。そんな私をおじ様が、このお屋敷に引き取ってくれました……。

―――ルースには私が必要だから。ルースを解ってあげられるのが私だけだから。だから私は私なりに、出来る力で皆様に報いようと頑張るの」

 涙目でいじらしい笑みを浮かべているルミカに、その場にいた侍女達が瞳を潤ませている。それに気づいたサイモンは内心引いた。

―――この使用人共、チョロくね?

 しかし長年、“仕える主に大事にされている”人と“大事にされていない”人だという認識だけでも家臣の対応は雲泥の差だ。そこに自身の評価は関係がない。もとい周りに従う事だけが重要なのだ。

 まあそれも、使われる側ならば仕方ないと理解は出来る。どんな職場も理不尽だから。

……が、それでも肝心な事を忘れているのだ。

 今まさに侯爵家の財産――もとい“財布”を握っているのは誰なのか。

自分達が自由に使える金――給料――は誰から出ているのか。

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