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第1章 始まりの物語
第5話 ムササビ流星拳
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『プシュプシュプツプツ、キュッキュッ』
俺は思い切って助けた女性に声をかけてみた。
【スキル】異世界言語があるなら、理解だけではなく話せるはずだ。
「あ、あなたが話しかけているの?」
おぉ~!通じた。
『えぇ、そうです』
「助けてくれてありがとう。あなたは、なに?」
『質問ばかりですね。まあ、無理もありません。俺は神獣?かな』
「神獣?どうして疑問形」
『それは色々ありまして』
「でも助かったわ。後もう少し遅ければ私は…」
『危ないところでしたね』
「本当にありがとう」
『いえ、こちらこそ』
お礼を言うのはこちらの方だ。
パンチを連打したおかげで新しいスキルを覚えたからだ。
この技は体内の魔力を貯め、拳に乗せて叩く技だ。
しかし、殴っているだけでは格好が悪い。
まずはポーズを決める。
右手を羽ばたくように動かし、その次に左手を羽ばたかす。
そして技の名を叫んでから殴り掛かる。
それがただ殴る力技『ムササビ流星拳』だ。
ぶふっ!!
「あなたはこの森に住みついている神獣様なのかしら」
『いや、来たばかりで森を探索していたところだよ』
「そうなの。これからどうするのかしら?」
『特に予定はないけど』
「それならお願いがあるの」
『お願い?』
「私を仲間の遺体のところまで連れて行ってほしいの」
『護衛をしてほしいと言うことだね。いいよ、それくらいなら』
「ありがとう。仲間が三人居て私をブラッディベアから逃がすために、犠牲になってくれたの。だからせめて遺品とギルドカードを回収したいの」
クッ、そんなことが…。
『わかった。一緒に行くよ』
「それとあなたでは変だから何か名前を付けないと」
『俺の名はもうあるよ、レオだ。よろしく』
「まあ、神獣様だから名前がるのね。私はアンジェラ、よろしくね」
『こちらこそ、よろしく』
「それと行く前にブラッディベアの素材を回収しないと」
『回収?』
「そうよ。私達冒険者は魔物を倒して素材を売って生活をしているの。それに売ったそのお金を、三人の実家に遺品一緒に送ってあげたいの」
な、なんて良い子や…。
「ではまず牙からね。ブラッディベアは牙、爪と毛皮、肉、それと魔石ね。お肉もざんねんだけど街まで持って行けないわ」
そう言いながら、ぎごちない手つきで彼女は解体を始める。
あぁ、俺が収納魔法が使えれば…。
異世界と言えばストレージだものね。
転生前にお願いしておけばよかった。
まあ、モモンガだから必要なかったか。
俺は思い切って助けた女性に声をかけてみた。
【スキル】異世界言語があるなら、理解だけではなく話せるはずだ。
「あ、あなたが話しかけているの?」
おぉ~!通じた。
『えぇ、そうです』
「助けてくれてありがとう。あなたは、なに?」
『質問ばかりですね。まあ、無理もありません。俺は神獣?かな』
「神獣?どうして疑問形」
『それは色々ありまして』
「でも助かったわ。後もう少し遅ければ私は…」
『危ないところでしたね』
「本当にありがとう」
『いえ、こちらこそ』
お礼を言うのはこちらの方だ。
パンチを連打したおかげで新しいスキルを覚えたからだ。
この技は体内の魔力を貯め、拳に乗せて叩く技だ。
しかし、殴っているだけでは格好が悪い。
まずはポーズを決める。
右手を羽ばたくように動かし、その次に左手を羽ばたかす。
そして技の名を叫んでから殴り掛かる。
それがただ殴る力技『ムササビ流星拳』だ。
ぶふっ!!
「あなたはこの森に住みついている神獣様なのかしら」
『いや、来たばかりで森を探索していたところだよ』
「そうなの。これからどうするのかしら?」
『特に予定はないけど』
「それならお願いがあるの」
『お願い?』
「私を仲間の遺体のところまで連れて行ってほしいの」
『護衛をしてほしいと言うことだね。いいよ、それくらいなら』
「ありがとう。仲間が三人居て私をブラッディベアから逃がすために、犠牲になってくれたの。だからせめて遺品とギルドカードを回収したいの」
クッ、そんなことが…。
『わかった。一緒に行くよ』
「それとあなたでは変だから何か名前を付けないと」
『俺の名はもうあるよ、レオだ。よろしく』
「まあ、神獣様だから名前がるのね。私はアンジェラ、よろしくね」
『こちらこそ、よろしく』
「それと行く前にブラッディベアの素材を回収しないと」
『回収?』
「そうよ。私達冒険者は魔物を倒して素材を売って生活をしているの。それに売ったそのお金を、三人の実家に遺品一緒に送ってあげたいの」
な、なんて良い子や…。
「ではまず牙からね。ブラッディベアは牙、爪と毛皮、肉、それと魔石ね。お肉もざんねんだけど街まで持って行けないわ」
そう言いながら、ぎごちない手つきで彼女は解体を始める。
あぁ、俺が収納魔法が使えれば…。
異世界と言えばストレージだものね。
転生前にお願いしておけばよかった。
まあ、モモンガだから必要なかったか。
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