71 / 72
第8話 廃墟探索という仕事
6 化物が現れた!
しおりを挟む
二階を探索していくが、チョーカーは依然としてみつからない。
調べる部屋も残り一部屋のみとなった。
「ここで見つからなかったら、正直お手上げね……」
少し疲れたような顔でノイアさんは呟いた。
最後の部屋は、部屋全体がビニールハウスのようになっている温室だ。並んでいる植木鉢やプランターは長い年月の影響でボロボロに朽ちている。壁は所々破れ、その隙間から風が吹き込んでくる。そんな風が種を運んでくるのだろうか。僅かに残っているプランターの土からは雑草が生えている。
私はなんとなく、ここでもチョーカーは見つからないんじゃないかと思った。
探索終了後、私の予感は当たっていた。チョーカーの姿はどこにもなかった。
☆★☆
「おいおい、あのお嬢様、ほんとにこの屋敷で落としていったのかよ?」
げっそりとした表情でしゃがみ込み、ケンユウさんは落胆の言葉を吐く。
「すいません、落としたと思われる場所なんかを、もっと詳しく訊いとけばよかったですね……」
どうしてあの時、そういう考えが浮かばなかったかが悔やまれる。
「日が暮れてきたし、今日のところはこれで切り上げて、明日出直しましょ」
温室からは外の様子がよくわかる。太陽が沈み始め、空は鮮やかなオレンジ色に染まりつつある。
丸一日かけてもチョーカーは見つからなかった。なんともいえない疲労感と空腹感が体を包み込む。
お腹が減るのは当然だ。朝からずっと探索作業を続けて、昼食は取らなかったわけだし。それを証明するかのように、私のお腹はきゅる~んと鳴いた。
「ははっ、ユウコちゃん、腹の虫が騒ぎだしたな」
ケンユウさんがいたずらっぽい笑みを向ける。指摘した直後、彼のお腹もぐーっと鳴り、お腹の虫が存在を主張しだした。ケンユウさんは恥ずかしそうに肩をすくめる。
「ふふ、じゃあ帰りましょうか」
探索中の少し張り詰めた空気が和やかなものに変わった。
エントランスの階段を降る時だった。
「うっ……ううう……うぅ……」
背後から不気味な呻き声が聴こえ、私達の足は思わず止まった。
お互いの顔を見合わせ、ゆっくり後ろを振り返る。
なんと背後にある鏡から、世にも恐ろしい形相をした、ボロボロの白いドレス姿の女が這い出てきた!
「きゃああああっ!」
「いやああああっ!」
「うわああああっ!」
ほぼ同時に悲鳴を上げると、私達は転がるように階段を駆け降りた。
なっ、何アレ!? まま、まっ、まさかアレが、自称・天使が言ってた、この屋敷に封印されてるっていう奴!?
足がもつれそうになりながらもなんとか扉までたどり着いた。
「ウソっ、開かないわ! 何か物凄い力で押さえつけられてるみたい!」
ノイアさんがガチャガチャとノブを揺らす。
「退いてろ! 俺が蹴破る!」
そう言ってケンユウさんは思い切り扉を蹴飛ばした。衝撃音が辺りに響き渡る。だが、強烈な一撃であるにもかかわらず扉には傷一つ付かない。
「おい、冗談だろ……?」
ケンユウさんは呆然として呟く。
「うううぅ……うう……」
化物は長い髪を振り乱しながら、緩慢な動きで私達に近付いてくる。
「こうなったら!」
ノイアさんは光弾を化物に放った。しかし、光弾は化物の体をすり抜けるだけで全く効果はない。
「そんな……、術が効かない!?」
ノイアさんの表情が絶望に染まる。
私の視界は真っ暗に閉ざされた。どうしよう!? マジでどうしようッ!? 私達、絶対絶命のピンチじゃん! この不気味な化物に殺されんの!?
化物が私達を捕らえようと腕を振り上げる瞬間だった。
「ぐおおおおおっ!」
化物の体が青い炎に包まれ、跡形もなく消え去った。
「き、消えた……?」
安堵の息を吐き、胸をなで下ろす。
だが、それを阻むように、
『安心すんのはまだはえーぞ。奴はすぐにまた現れるからな。助かりてーなら、とっとと一階の物置まで来い』
自称・天使の声が聴こえてきた。私の頭は混乱し、まごついていると、
『早くしろ! 奴に魂を喰われてーのかよ!?』
切迫した声音で空恐ろしい台詞をぶつけられ、従うことにした。
「こっちです!」
「えっ?えっ? どこ行くの、ユウコちゃん!」
「い、一体なんだってんだ!?」
わけがわからないといった感じで、二人は私の後に続く。
「……うううぅ……うう……」
自称・天使が言った通り、再び化物は現れた。
「ひっ……」
思わず振り向き、小さな悲鳴を漏らす。
『振り返るんじゃねえ! 全力で物置まで走れ!』
私達は猛ダッシュで物置へと駆け込んだ。
「……うううぅう! うううぅ……!」
化物が扉をガタガタと激しく揺らす。
「ひぃぃ……!」
私は恐怖に縮こまる。
『安心しろ。この部屋に結界を張っておいた。奴は入ってこれねーよ』
自称・天使はぶっきらぼうに安全を保証する。
「いい、いっ、一体なんなのアレ!?」
うまく呂律が回らない舌で、もっともな疑問をぶつける。
『言っただろ? 俺の他にも封じられてる奴が居るって。あいつがそーだよ。あの鏡に封じられてる悪霊みてーなもんだな』
「あ、悪霊……」
予想通りの返答をいただき、力ない呟きが漏れた。
『この屋敷が廃墟になる前は、封印もしっかりしてたから、鏡から出ることはなかったがな。けど、年月の経過とともに封印も弱くなっちまって、今じゃ奴はあんな感じに鏡から抜け出して、屋敷の中を自由に徘徊できるようになったってわけだ。しかも質のわりーことに、奴は人の魂が好物でよ。それが一度に三人も転がり込んできたんだ。喰らい尽くすまで、ぜってー諦めねーと思うぜ』
魂を喰らう化物と聞かされ、鉛のような恐怖と不安が全身にのし掛かってきた。
「そ、それじゃあ、どうすればいいの!?」
『そりゃ、奴を退治するしかねーだろ。でねーと、お前らはこの館から出られねーしよ。けど、お前らに奴を退治すんのは無理そーだな。その女の術は効かなかったわけだし。もちろん物理的な攻撃なんざ論外だぜ。奴は霊体なんだからな』
「じゃ、じゃあ、私達、あの化物に魂を食べられちゃうんだ!」
どうしようもない状況に立たされ、涙腺は決壊し涙が溢れてきた。
『話は最後まで聞けよ。さっき奴が青い炎に包まれて消えただろ? あれは俺がやったんだ。つまり、俺には奴に対抗できる手段があるっつーわけだ。俺が奴を倒してやってもいーんだぜ?』
「ほんと!? じゃあお願い!」
『じゃ、俺を解放してくれ。そうしねーと奴を退治できねーし。封じられたまんまじゃ、さっきみてーに一時的に追っ払うくらいしかできねーんだ』
「うっ……やっぱそうきたか。でも、あんただってどんな奴かわかんないし……」
『まだんなこと言ってんのかよ……。疑い深いガキだな。けど、ずっとこのままでいるわけにもいかねーだろ? どーすんだ? 俺を解放して無事生き延びるか。俺を解放せず奴に魂を喰われるか。二つに一つだ。好きな方を選びな』
生か死か、究極の選択を迫られる。二人の意見を聞く。
「倒してくれるなら、正直そうしてもらいたいけど……」
「まあな。けどよ、そいつ、何か信用できねえんだよな。最終的にそいつが、俺達の魂を喰う気でいるんじゃ……」
「ま、まさか、そうなの!?」
『お前らいー加減にしろよ。疑い深過ぎる奴は救われねーぞ』
自称・天使が呆れ気味に言った時だった。
「うおおおおっ! うおおおおっ!」
化物は恐ろしい唸り声を上げ、扉をより激しく揺らしだした。
『やっべえ! 食欲が先立って、そーとー凶暴になってんな。このままだと結界を破って侵入してくるかもしれねえ……!』
自称・天使は切羽詰まった声音で、その危険性を示唆する。私達は更に窮地に追い込まれた。
「もっ、もうこうなったら背に腹はかえられない! 一か八か、こいつの言葉に従ってみましょう!」
「そうね、それしかないわね!」
「ちくしょー! 後のことは、もうどうにでもなれだ!」
自称・天使が言った通り、床板の一部は色が違っていて、取り外しが可能な造りになっていた。取り外すと地下に通じる梯子が現れ、急いで降りた。
降りた先の隠し部屋はがらんとしていて、奇妙な箱のような物体が一つあるのみだ。これに自称・天使が封じられているのだろう。
それは例えるなら、浦島太郎に出てくる玉手箱のような代物だ。何重にも御札が貼られ、鎖で厳重に封じられており、計り知れない程の怪しさを漂わせている。まさに怪しさ1000%。ピュアな怪しさの塊だ。
そんな怪しさ大爆発の代物を前にして、私達は思わず立ちすくむ。
封印を解いたら絶対ヤバイものが出てくる──!
そう思わずにはいられないオーラがビンビンだからだ。
『おい! 揃いも揃って、何ボケッとしてんだ! さっさと封印を解けよッ! でねーと、てめーらの命はねーんだからな!?』
自称・天使は痺れを切らしたように急かしてきた。
「わっ、ビックリした! へえ、思ってたよりも幼い感じの声ね」
「ああ。それに、すげー生意気そうだ」
その声は二人にも聴こえたらしく、それぞれ感想を述べた。
鎖を外し、御札を剥がして封印を解き、あとは蓋を開けるのみとなった。
「あ、開けます……!」
緊張やら不安やらで腕が震える。それでも意を決して蓋を外すことに成功した。
すると、眩い閃光に包まれる……といった派手な演出は一切なく、辺りはしーんと静寂のまま。
目の前には、空っぽの箱がぽつんと寂しく存在するのみだ。
「……え? これ……だけ……?」
あんな曰くありげな物の封印を解いたにもかかわらず、何も無さ過ぎることに大いに戸惑い、私は沈黙を破った。
調べる部屋も残り一部屋のみとなった。
「ここで見つからなかったら、正直お手上げね……」
少し疲れたような顔でノイアさんは呟いた。
最後の部屋は、部屋全体がビニールハウスのようになっている温室だ。並んでいる植木鉢やプランターは長い年月の影響でボロボロに朽ちている。壁は所々破れ、その隙間から風が吹き込んでくる。そんな風が種を運んでくるのだろうか。僅かに残っているプランターの土からは雑草が生えている。
私はなんとなく、ここでもチョーカーは見つからないんじゃないかと思った。
探索終了後、私の予感は当たっていた。チョーカーの姿はどこにもなかった。
☆★☆
「おいおい、あのお嬢様、ほんとにこの屋敷で落としていったのかよ?」
げっそりとした表情でしゃがみ込み、ケンユウさんは落胆の言葉を吐く。
「すいません、落としたと思われる場所なんかを、もっと詳しく訊いとけばよかったですね……」
どうしてあの時、そういう考えが浮かばなかったかが悔やまれる。
「日が暮れてきたし、今日のところはこれで切り上げて、明日出直しましょ」
温室からは外の様子がよくわかる。太陽が沈み始め、空は鮮やかなオレンジ色に染まりつつある。
丸一日かけてもチョーカーは見つからなかった。なんともいえない疲労感と空腹感が体を包み込む。
お腹が減るのは当然だ。朝からずっと探索作業を続けて、昼食は取らなかったわけだし。それを証明するかのように、私のお腹はきゅる~んと鳴いた。
「ははっ、ユウコちゃん、腹の虫が騒ぎだしたな」
ケンユウさんがいたずらっぽい笑みを向ける。指摘した直後、彼のお腹もぐーっと鳴り、お腹の虫が存在を主張しだした。ケンユウさんは恥ずかしそうに肩をすくめる。
「ふふ、じゃあ帰りましょうか」
探索中の少し張り詰めた空気が和やかなものに変わった。
エントランスの階段を降る時だった。
「うっ……ううう……うぅ……」
背後から不気味な呻き声が聴こえ、私達の足は思わず止まった。
お互いの顔を見合わせ、ゆっくり後ろを振り返る。
なんと背後にある鏡から、世にも恐ろしい形相をした、ボロボロの白いドレス姿の女が這い出てきた!
「きゃああああっ!」
「いやああああっ!」
「うわああああっ!」
ほぼ同時に悲鳴を上げると、私達は転がるように階段を駆け降りた。
なっ、何アレ!? まま、まっ、まさかアレが、自称・天使が言ってた、この屋敷に封印されてるっていう奴!?
足がもつれそうになりながらもなんとか扉までたどり着いた。
「ウソっ、開かないわ! 何か物凄い力で押さえつけられてるみたい!」
ノイアさんがガチャガチャとノブを揺らす。
「退いてろ! 俺が蹴破る!」
そう言ってケンユウさんは思い切り扉を蹴飛ばした。衝撃音が辺りに響き渡る。だが、強烈な一撃であるにもかかわらず扉には傷一つ付かない。
「おい、冗談だろ……?」
ケンユウさんは呆然として呟く。
「うううぅ……うう……」
化物は長い髪を振り乱しながら、緩慢な動きで私達に近付いてくる。
「こうなったら!」
ノイアさんは光弾を化物に放った。しかし、光弾は化物の体をすり抜けるだけで全く効果はない。
「そんな……、術が効かない!?」
ノイアさんの表情が絶望に染まる。
私の視界は真っ暗に閉ざされた。どうしよう!? マジでどうしようッ!? 私達、絶対絶命のピンチじゃん! この不気味な化物に殺されんの!?
化物が私達を捕らえようと腕を振り上げる瞬間だった。
「ぐおおおおおっ!」
化物の体が青い炎に包まれ、跡形もなく消え去った。
「き、消えた……?」
安堵の息を吐き、胸をなで下ろす。
だが、それを阻むように、
『安心すんのはまだはえーぞ。奴はすぐにまた現れるからな。助かりてーなら、とっとと一階の物置まで来い』
自称・天使の声が聴こえてきた。私の頭は混乱し、まごついていると、
『早くしろ! 奴に魂を喰われてーのかよ!?』
切迫した声音で空恐ろしい台詞をぶつけられ、従うことにした。
「こっちです!」
「えっ?えっ? どこ行くの、ユウコちゃん!」
「い、一体なんだってんだ!?」
わけがわからないといった感じで、二人は私の後に続く。
「……うううぅ……うう……」
自称・天使が言った通り、再び化物は現れた。
「ひっ……」
思わず振り向き、小さな悲鳴を漏らす。
『振り返るんじゃねえ! 全力で物置まで走れ!』
私達は猛ダッシュで物置へと駆け込んだ。
「……うううぅう! うううぅ……!」
化物が扉をガタガタと激しく揺らす。
「ひぃぃ……!」
私は恐怖に縮こまる。
『安心しろ。この部屋に結界を張っておいた。奴は入ってこれねーよ』
自称・天使はぶっきらぼうに安全を保証する。
「いい、いっ、一体なんなのアレ!?」
うまく呂律が回らない舌で、もっともな疑問をぶつける。
『言っただろ? 俺の他にも封じられてる奴が居るって。あいつがそーだよ。あの鏡に封じられてる悪霊みてーなもんだな』
「あ、悪霊……」
予想通りの返答をいただき、力ない呟きが漏れた。
『この屋敷が廃墟になる前は、封印もしっかりしてたから、鏡から出ることはなかったがな。けど、年月の経過とともに封印も弱くなっちまって、今じゃ奴はあんな感じに鏡から抜け出して、屋敷の中を自由に徘徊できるようになったってわけだ。しかも質のわりーことに、奴は人の魂が好物でよ。それが一度に三人も転がり込んできたんだ。喰らい尽くすまで、ぜってー諦めねーと思うぜ』
魂を喰らう化物と聞かされ、鉛のような恐怖と不安が全身にのし掛かってきた。
「そ、それじゃあ、どうすればいいの!?」
『そりゃ、奴を退治するしかねーだろ。でねーと、お前らはこの館から出られねーしよ。けど、お前らに奴を退治すんのは無理そーだな。その女の術は効かなかったわけだし。もちろん物理的な攻撃なんざ論外だぜ。奴は霊体なんだからな』
「じゃ、じゃあ、私達、あの化物に魂を食べられちゃうんだ!」
どうしようもない状況に立たされ、涙腺は決壊し涙が溢れてきた。
『話は最後まで聞けよ。さっき奴が青い炎に包まれて消えただろ? あれは俺がやったんだ。つまり、俺には奴に対抗できる手段があるっつーわけだ。俺が奴を倒してやってもいーんだぜ?』
「ほんと!? じゃあお願い!」
『じゃ、俺を解放してくれ。そうしねーと奴を退治できねーし。封じられたまんまじゃ、さっきみてーに一時的に追っ払うくらいしかできねーんだ』
「うっ……やっぱそうきたか。でも、あんただってどんな奴かわかんないし……」
『まだんなこと言ってんのかよ……。疑い深いガキだな。けど、ずっとこのままでいるわけにもいかねーだろ? どーすんだ? 俺を解放して無事生き延びるか。俺を解放せず奴に魂を喰われるか。二つに一つだ。好きな方を選びな』
生か死か、究極の選択を迫られる。二人の意見を聞く。
「倒してくれるなら、正直そうしてもらいたいけど……」
「まあな。けどよ、そいつ、何か信用できねえんだよな。最終的にそいつが、俺達の魂を喰う気でいるんじゃ……」
「ま、まさか、そうなの!?」
『お前らいー加減にしろよ。疑い深過ぎる奴は救われねーぞ』
自称・天使が呆れ気味に言った時だった。
「うおおおおっ! うおおおおっ!」
化物は恐ろしい唸り声を上げ、扉をより激しく揺らしだした。
『やっべえ! 食欲が先立って、そーとー凶暴になってんな。このままだと結界を破って侵入してくるかもしれねえ……!』
自称・天使は切羽詰まった声音で、その危険性を示唆する。私達は更に窮地に追い込まれた。
「もっ、もうこうなったら背に腹はかえられない! 一か八か、こいつの言葉に従ってみましょう!」
「そうね、それしかないわね!」
「ちくしょー! 後のことは、もうどうにでもなれだ!」
自称・天使が言った通り、床板の一部は色が違っていて、取り外しが可能な造りになっていた。取り外すと地下に通じる梯子が現れ、急いで降りた。
降りた先の隠し部屋はがらんとしていて、奇妙な箱のような物体が一つあるのみだ。これに自称・天使が封じられているのだろう。
それは例えるなら、浦島太郎に出てくる玉手箱のような代物だ。何重にも御札が貼られ、鎖で厳重に封じられており、計り知れない程の怪しさを漂わせている。まさに怪しさ1000%。ピュアな怪しさの塊だ。
そんな怪しさ大爆発の代物を前にして、私達は思わず立ちすくむ。
封印を解いたら絶対ヤバイものが出てくる──!
そう思わずにはいられないオーラがビンビンだからだ。
『おい! 揃いも揃って、何ボケッとしてんだ! さっさと封印を解けよッ! でねーと、てめーらの命はねーんだからな!?』
自称・天使は痺れを切らしたように急かしてきた。
「わっ、ビックリした! へえ、思ってたよりも幼い感じの声ね」
「ああ。それに、すげー生意気そうだ」
その声は二人にも聴こえたらしく、それぞれ感想を述べた。
鎖を外し、御札を剥がして封印を解き、あとは蓋を開けるのみとなった。
「あ、開けます……!」
緊張やら不安やらで腕が震える。それでも意を決して蓋を外すことに成功した。
すると、眩い閃光に包まれる……といった派手な演出は一切なく、辺りはしーんと静寂のまま。
目の前には、空っぽの箱がぽつんと寂しく存在するのみだ。
「……え? これ……だけ……?」
あんな曰くありげな物の封印を解いたにもかかわらず、何も無さ過ぎることに大いに戸惑い、私は沈黙を破った。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる