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廃村の鬼人編 シーズン1

22話 上京

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海が見える綺麗な漁村
私はここの村で生まれ育った。

漁師である父親の帰りをいつもこの港で待ち
そして手を繋いで祖父と母親のいる家に帰る。
それだけで幸せだったはずなのに
大人になるにつれて、都会への憧れが強くなってきた。

そんなある日、記録的な風速と雨量の台風がこの村を襲い、港に漁船を確認にいった父親は波に攫われ帰らぬ人となった。

父の死が上京の引き金になった。
祖父や母親には絶対にダメだと念を押されていたものの、理由がわからなかった。

母親は身体に障害のある祖父の手伝いがあり
父親の保険金だっていつかそこをつく
17歳に私は都会に向かう決心をしこの漁村を離れた。

東京に付き、昼はコンビニでバイト夜は居酒屋、掛け持ちで仕事をしていた。

なかなか需要と供給がうまくいかない生活をしていた最中、YouTubeやインスタなどの配信者に目が止まった。

私は地味だった見た目を変える為、髪を刈り込み、染め、ピアスを開け配信者
「凛子」となった。

村を離れて半年、SNSのフォロワー数はグングンと伸びるいっこう、多忙なせいか体調を崩していた。

そんな不安定な生活の中、配信する内容などに行き詰まってきた。

相談できる友達もいない。。。
そんな時思いついたのが故郷の川の上流の村であった事件であった。
祖父から戒めるように怖い話を幼少期にされ
た、あの村の話。
怖がりの私には絶対無関係だと思っていたのにSNSの企画として行くことに決めたのだ。

「鬼の面による呪い」の事件。

私はネットで鬼の面を購入しLIVE配信に挑んだ。爆発的な再生回数を稼いだ。しかし帰宅して2日目から異変が起きた。

喉の渇き、募るイライラ、頭痛と体調不良が悪化した。

理性を保とうしても何者かに心を支配される。鏡に映る瞳には青白い炎、尖り出す刃、反発すればするだけそのような状態が起きる。

きっとあの場所に行ったのが原因だ。

私は不安と痛みに耐えきれず祖父に電話をした。

「おじいちゃん私、おじいちゃんの約束破ってあの井戸にいっちゃって、そしたら何もかもがおかしくなって。。。」

祖父から出た言葉は意外なものであった。








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