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廃村の鬼人編 シーズン1

36話 解禁

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夜も更けて深夜の2時、ジレンマ、京子、凛子の3人は山の麓にたどり着いた。

「凛子怖いか?」
京子が凛子に問う。

「はぃ。。でもどんな事をしても誠くんを助けたいです」
凛子の覚悟は聞けた、覚悟してないのはジレンマだけだ。

「ジレンマ、凛子、誠に悪魔が取り憑いていると誠自身も危険だ、何とかして誠から引き離し差ないとダメだ。」

「京子ちゃんどうやってヤツを引き離すんだい?」

「奴の名前さえわかれば、悪魔払いができるんだが。。。」

「名前ですか。。。」

3人は廃村内を散策しながらそんな話をしていた。

小雨が降り始めてきた、漆黒の闇はさらに暗さをます。

「ほらよ」
京子は鬼の面を凛子に手渡す。

「誠を本当に守りたくなったら、面をつけてみろ」

凛子は京子の言葉に頷いた。
村を抜けて森を進むと禁足地の入り口が見えてきた。

中に入るとただならね空気感。
池中央の社の屋根の上には誠が胡座をかき

千尋であろう老婆と睨みあっていた。

「京子ちゃん、これまずい状況だよね。。」

「ジレンマ狼狽えるな、あれは持ってきたか?」
京子がジレンマに手を伸ばす、ジレンマは京子に手渡したのは。

「久しぶりだな、この刀」
京子はゆっくりと鞘からだした、刀。
それこそ、神殺しの刀であった。

「ジレンマ、ばぁばぁはお前がやれ、誠は凛子だ」
京子はそういうと地面に座り込んだ。

「京子ちゃんは?」

「私はここで指揮するからとっととはじめろ」

泣く泣くジレンマは前に進む。

凛子は鬼の面を顔に当ててみた。
すると、体に記されていた蛇の模様が、ゆっくりと浮き出てくる。

「京子さん⁉️」

「大丈夫だ」

白い蛇は実物そのものとなり、まさに守護神のように凛子の背後でその姿を現した。

そんな時、ジレンマは千尋の前に立ちはだかっていた。

千尋の目は白目がなく、血管は黒く浮き出ていて、まさに鬼神のような風貌でジレンマを睨みつける。
背後には本物の鬼神であろう、鬼の姿を模る黒い影。

ジレンマはシャツのボタンを上から下へと外していく。

上半身は裸体を曝け出した。
赤く光り鼓動と共鳴する刻まれた呪印。

呪印の隙間から湧き出る、邪気。
全てが桁外れと感じざるを得ない姿だ。

「ジレンマさん。。。」
凛子はジレンマの姿を目にして唖然となる。

「あれが生ける呪い、真のジレンマだ(笑)」
京子が笑みを浮かべ呟いた。







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