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23話

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「ううううっ」

「どうしたの大丈夫?」

突然ジレンマの隣にいたマヤカが苦しみ出した。
マヤカの首には一周まわるように内出血のようなアザが浮き出てきていた。

アザは次第赤く腫れ上がってきた。

「マリー、私を守って。。。」
苦しみのなか、マヤカはマリークルーズのテディベアを強く抱きしめた。

「はぁ はぁ はぁ」

するとマヤカは深呼吸をし少し落ち着きを取り戻す、首回りの腫れもゆっくりとひいていったのである。

「今のはどういうこと?」

「呪い。」

マヤカは精神的に疲れていたのだろうジレンマに自身に襲いかかる呪いについて語り出した。

新宿の繁華街、歌舞伎町、娼婦の娘として生まれ、10歳の頃の話だ。

風俗ビルに同じような生い立ちのユイナとハルキがいた、母親は皆このビルで働く娼婦。

3人は兄弟のように母親が働いている間はいっしょに過ごしていた。

庭のように歌舞伎町を走り回り遊んでいた3人だが、母親から絶対に近寄ってはいけないと言われていたビルがあった。

なんでなのかは、理由を教えてくれず、他の従業員からも母親達と同じように教えてくれなかった。

買い物の帰りもそのビルを通り過ぎればすぐに自宅なのに遠回りして帰宅する。
地元の住民も近寄らないビルはテナントひとつ入っていない、廃墟ビルであった。

ある日3人はいつものように歌舞伎町を走り回り遊んでいたが、ハルキがあのビルに行ってみないかとマヤカとユイナを誘った。

ユイナは怒られるからイヤと拒み、マヤカは近くでみるだけならいいよと意見が別れてた。活発なハルキはユイナの手を取り、外から見るだけだから大丈夫!といい結局3人でそのビルに向かうことになった。

噂とは違い、人通りもあり、一件普通のビルであった。ビルの名は「新宿ミカエル」傾いた看板に記されていた。

周囲を一周し見渡すが、やはり電気などはついてなく、人気もなかった。

「なんだ、なんもないし、怖くもない」
ハルキはため息混じりにそう呟いた。

「ハルキ、このビル入り口あった?」
マヤカは一周してふと気になることをいった。

「えっ?入り口ないわけないよ」
ハルキはそういってユイナの手を取りもう一周まわった。

マヤカのいった通り、入り口らしき物がない、埋められた後もない。

新宿ミカエルはこの周辺では小さなビルで3階だてのビルだが確かに2階と3階の窓はあるが、入り口がなかった。
角地なため、側面に隣のビルが隣接していて、間には金網で仕切られている。

隙間を除くと金網の上に乗ればちょうど2階の窓から入れそうな構造であった。

「あの金網使って、2階の窓から入れそうだな」
ハルキが2人に伝える。

「約束が違う、私は入らないよ」
怒り口調でユイナはハルキにそういった。

「マヤカはもちろん入りたいよな?」

「ちょっと興味あるかも(笑)」

マヤカとハルキは金網によじ登り、窓に手をかける。

(ガラガラ)

「開いた!」

「ユイナはそこで見張ってろ、ちょっとだけ見て、戻る」

そういって2人はビルの中に入って行った。







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