11 / 46
11
しおりを挟む
暑い、何でこんなに暑いんだ、夏だからか、そうか、なら仕方ないけど、違う、何か当たって、なんだこのすべすべしたやつ、イルカなの? でもなんで僕イルカと…はっ、イルカは冷たいよね、こんな熱かったら死んじゃうよ、大変だ。
「わぁっ!! イルカ」
「おはよう飛羽、ちなみに、僕はイルカでもないよ」
「あ、おぅ、はよ……夢がちょっと、色々あってな」
ごにょごにょと言い訳して、触っていた昴の背中から、スッと手をひき、のびをして誤魔化す。はぁーー良い天気だな。てか、僕あのまま昴に抱きついて寝てたのか。嫌じゃなかったのかな? チラッと昴をみるけど、目が合うと、ふって笑うの、カッコいいんだよな。さすがアルファ様だよ。無駄にこっちが、赤面するとかまじで、悔しいんですけど。
僕はぴょんとベットから飛び下りて、でっかい窓辺にかかってるカーテンを開けてみた。
「うっわ、お前の部屋、見晴らし最高じゃん!! あ!! 富士山じゃないの? あれ、なぁ」
「たぶんそうかな」
「はーー成功者の窓辺だわこれ、ロマンだわ、くそかっけぇな、家賃、家賃いくら?」
失礼を承知で聞く。普通なら聞かんよ、人様の家の家賃なんて、そんなこと、でもな、なんせ、昴だし、気にしないだろ。最初がひどい出会いかただったせいで、もう僕のなかの虚栄心みたいなのは昴には一ミリもない。聞きたいことは聞くし、言いたいことは言うし、欲しいものは欲しいと伝えるし。
ありのまま過ぎて、もう十年頼の友みたいな位置よ。
「家賃か、うーん、賃貸じゃないから、ちょっと解らないけど、2億くらいで買ったって言ってたかな」
「でたよ、でたでた、2億!! ハーーー、億の部屋だよ、そりゃ、景色良いよ、良いに決まってるわ」
ガラスにはりついて、景色を見る、電車が玩具みたい。道の先が渋滞してるって、あの車は知らないで走ってるんだろな……ぐーー。2億の窓辺に立ってても、腹は減る。すまんな、花より団子で。
「昴、腹へった」
「うん、もうすぐデリバリーが届くから。大丈夫、二人分頼んだから」
「お前ってば、頼りになるやつ」
僕のじとっとした目を見て、すぐに察してくれる頭の回転。頭の良いヤツだよ。すまんね、衣食住のうち、半分以上世話になって。しかも、昨日会っただけのヤツに。
あ、まって、首の治療費も払ってないじゃん、やばい、トータルいくら? すまん、昴……出世払いにしてくれ。
リュックに入ってる自分の財布の中身をみて、がっかりする。バイトでもするかぁ。
「バイト……あっ!! なぁ、昴のへやのハウスクリーニングって、僕がやっちゃだめ? あの、お世話になったし、掃除だろ? 洗濯も? 僕できると思うんだが、ダメかな」
「親がやってる会社の傘下だから、頼めば入れて貰えるけど、本当に?」
「え、お前の親って、医者じゃないの?」
「医者の傍ら社長でもあるんだよ、色んなことやりたい人でさ、どんな仕事やってるかよく解らないくらい幅広く手を出してる」
「でたよ、マルチ能力、なんでも出来ちゃう、何でも成功しちゃうやつな、ったく、どんだけ働いてんのよ、資産えげつないんだろな、はぁ、だめだ、よそう、この会話。うちの親が可愛そうになってくるから。話題変えるわ、だから、ハウスクリーニングを」
僕が話題をまたバイトに戻そうとしたとき、タイミング良くチャイムがポーンと鳴った。デリバリーが来ちゃったね、よし、まず食べよう。玄関にデリバリーを取りに行った昴を流し目でみつつ、僕はコップでも用意しようかと、いそいそと、食卓へ行くと、食事を乗せたキッチンワゴンをコロコロ引いて昴が入ってきた。
「デリバリーって、え? なに、どっから来てるの? なにそのワゴン……よくメイドとか執事がひいてるやつじゃん」
「このビルに入ってるレストランだよ」
「だからか! ピザもいつも食べてるのと違うと思った、量産じゃない、手作りのやつだ、ぐはっ、僕は昴を見誤ってた、これ程とは……え? 昴、まさか王族?」
「プッ、普通の一般人だよ」
ププッて、また笑ってら。いや、でもさ、こんな毎日ってどうなのよ、王族だろこんなん。一般人ではない。一般家庭というのはだな、満員電車に揺られストレスにやられながら毎日遅くまで働く父と、掃除洗濯食事育児に追われる母と……将来結婚したくないなぁーーってほんのり思う、家庭のことだ。昴くんの、生活、違うねぇ。
キッチンワゴンに乗ってる食事がまぁ、これまた旨そうな和食で、おひつに御飯と、お重にオカズ色々、味噌汁と茶碗蒸しときたもんだ、はぁ、日常なの、これが?
僕はもはや、驚き疲れて、腹が欲するままに、おひつから御飯をたんまりよそった。
「昴はご飯どれくらい?」
「飛羽の半分くらいかな」
「おいおい……まじかよ、食わねぇなぁ、まぁ良いか」
昴の分もお茶碗にお米をよそって、テーブルへおく。メチャクチャ豪華なんだが。え、まって、今日お前の誕生日とかじゃないんだよな?
「はぁ、なんだろ、幸せな光景すぎる。色々辛い事が霞んできたわ、ありがとなぁ昴」
「僕の力ではないのだけどもね、まぁ、飛羽が元気になってよかったよ」
元気になったよ、ありがとなぁ。寝てる時に抱き付いたり、八つ当たりしたり、お前に好かれる事なんもしてないわ。しかも、言葉遣いとかも、ひどいし、可愛げないな。付き合うって、言ったけど……帰ったらもう、夢だったみたいなオチになりそう。それくらい、現実味ないよ。
「わぁっ!! イルカ」
「おはよう飛羽、ちなみに、僕はイルカでもないよ」
「あ、おぅ、はよ……夢がちょっと、色々あってな」
ごにょごにょと言い訳して、触っていた昴の背中から、スッと手をひき、のびをして誤魔化す。はぁーー良い天気だな。てか、僕あのまま昴に抱きついて寝てたのか。嫌じゃなかったのかな? チラッと昴をみるけど、目が合うと、ふって笑うの、カッコいいんだよな。さすがアルファ様だよ。無駄にこっちが、赤面するとかまじで、悔しいんですけど。
僕はぴょんとベットから飛び下りて、でっかい窓辺にかかってるカーテンを開けてみた。
「うっわ、お前の部屋、見晴らし最高じゃん!! あ!! 富士山じゃないの? あれ、なぁ」
「たぶんそうかな」
「はーー成功者の窓辺だわこれ、ロマンだわ、くそかっけぇな、家賃、家賃いくら?」
失礼を承知で聞く。普通なら聞かんよ、人様の家の家賃なんて、そんなこと、でもな、なんせ、昴だし、気にしないだろ。最初がひどい出会いかただったせいで、もう僕のなかの虚栄心みたいなのは昴には一ミリもない。聞きたいことは聞くし、言いたいことは言うし、欲しいものは欲しいと伝えるし。
ありのまま過ぎて、もう十年頼の友みたいな位置よ。
「家賃か、うーん、賃貸じゃないから、ちょっと解らないけど、2億くらいで買ったって言ってたかな」
「でたよ、でたでた、2億!! ハーーー、億の部屋だよ、そりゃ、景色良いよ、良いに決まってるわ」
ガラスにはりついて、景色を見る、電車が玩具みたい。道の先が渋滞してるって、あの車は知らないで走ってるんだろな……ぐーー。2億の窓辺に立ってても、腹は減る。すまんな、花より団子で。
「昴、腹へった」
「うん、もうすぐデリバリーが届くから。大丈夫、二人分頼んだから」
「お前ってば、頼りになるやつ」
僕のじとっとした目を見て、すぐに察してくれる頭の回転。頭の良いヤツだよ。すまんね、衣食住のうち、半分以上世話になって。しかも、昨日会っただけのヤツに。
あ、まって、首の治療費も払ってないじゃん、やばい、トータルいくら? すまん、昴……出世払いにしてくれ。
リュックに入ってる自分の財布の中身をみて、がっかりする。バイトでもするかぁ。
「バイト……あっ!! なぁ、昴のへやのハウスクリーニングって、僕がやっちゃだめ? あの、お世話になったし、掃除だろ? 洗濯も? 僕できると思うんだが、ダメかな」
「親がやってる会社の傘下だから、頼めば入れて貰えるけど、本当に?」
「え、お前の親って、医者じゃないの?」
「医者の傍ら社長でもあるんだよ、色んなことやりたい人でさ、どんな仕事やってるかよく解らないくらい幅広く手を出してる」
「でたよ、マルチ能力、なんでも出来ちゃう、何でも成功しちゃうやつな、ったく、どんだけ働いてんのよ、資産えげつないんだろな、はぁ、だめだ、よそう、この会話。うちの親が可愛そうになってくるから。話題変えるわ、だから、ハウスクリーニングを」
僕が話題をまたバイトに戻そうとしたとき、タイミング良くチャイムがポーンと鳴った。デリバリーが来ちゃったね、よし、まず食べよう。玄関にデリバリーを取りに行った昴を流し目でみつつ、僕はコップでも用意しようかと、いそいそと、食卓へ行くと、食事を乗せたキッチンワゴンをコロコロ引いて昴が入ってきた。
「デリバリーって、え? なに、どっから来てるの? なにそのワゴン……よくメイドとか執事がひいてるやつじゃん」
「このビルに入ってるレストランだよ」
「だからか! ピザもいつも食べてるのと違うと思った、量産じゃない、手作りのやつだ、ぐはっ、僕は昴を見誤ってた、これ程とは……え? 昴、まさか王族?」
「プッ、普通の一般人だよ」
ププッて、また笑ってら。いや、でもさ、こんな毎日ってどうなのよ、王族だろこんなん。一般人ではない。一般家庭というのはだな、満員電車に揺られストレスにやられながら毎日遅くまで働く父と、掃除洗濯食事育児に追われる母と……将来結婚したくないなぁーーってほんのり思う、家庭のことだ。昴くんの、生活、違うねぇ。
キッチンワゴンに乗ってる食事がまぁ、これまた旨そうな和食で、おひつに御飯と、お重にオカズ色々、味噌汁と茶碗蒸しときたもんだ、はぁ、日常なの、これが?
僕はもはや、驚き疲れて、腹が欲するままに、おひつから御飯をたんまりよそった。
「昴はご飯どれくらい?」
「飛羽の半分くらいかな」
「おいおい……まじかよ、食わねぇなぁ、まぁ良いか」
昴の分もお茶碗にお米をよそって、テーブルへおく。メチャクチャ豪華なんだが。え、まって、今日お前の誕生日とかじゃないんだよな?
「はぁ、なんだろ、幸せな光景すぎる。色々辛い事が霞んできたわ、ありがとなぁ昴」
「僕の力ではないのだけどもね、まぁ、飛羽が元気になってよかったよ」
元気になったよ、ありがとなぁ。寝てる時に抱き付いたり、八つ当たりしたり、お前に好かれる事なんもしてないわ。しかも、言葉遣いとかも、ひどいし、可愛げないな。付き合うって、言ったけど……帰ったらもう、夢だったみたいなオチになりそう。それくらい、現実味ないよ。
1,203
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
2026/02/14 累計30万P突破御礼バレンタインSS追加しました
2026/02/15 累計いいね♡7777突破御礼SS 19時に公開します。
様々な形での応援ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる