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7 常にそばにいたい
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悪いメイドが居なくなったことにすっかり安心して、ラクロアの御屋敷で寝たり起きたりとぐうたらな生活をおくっていたニャリスは、ふと、お外はどんな風なんだっけ?と思った。
ラクロアが居ない間、1人でのらりくらりと過ごすのに実は飽きてきて、外へ行きたいと思うようになったのだ。飽きたなんてそんなことを言ったら、勉強をしろと言われそうで口に出さないが、猫の時は気にならなかったのに、なぜか1人は飽きるという気持ちが心にわくことが不思議だった。
まぁ、外へ行くといっても、散歩に行きたいとかそういうことではなくて、ラクロアが仕事で出掛けるのに付いていきたいのだ。
「ラクロア様、僕もお外に一緒に連れてってくれませんか?」
「駄目だ」
「どおして?邪魔にならないようにするよ?」
「駄目だと言ったら駄目だ、俺が働いているところは、荒くれどもの溜まり場みたいな所だ、お前は身を守る術もないし絶対連れていかない、そもそもお前は子供だ」
完全否定されて、ニャリスは、ぷぅっと膨れた。ラクロアにまとわりついていた身体を離して、ぷいっと、ベットの中にもぐると、ラクロアは、決まり悪そうに、近づき、言い訳がましく、土産を買ってくるからと言った。
「いらないっ!!」
「はぁ、ニャリス、解ってくれ、お前が危険な目にあったら困るんだ」
「あのね、僕は危険な目にあってないよ、危険な目にあってるのはいつもラクロア様でしょ?僕を殺したって何にもならないの皆が知ってるんだから、殺したりしないよ、僕がうっかり死なない限り」
確かにその通りだ。あのワインも、本来はラクロアが飲むためのもので、ニャリスの為にあった訳ではない。
つまり、自分のそばにいたから、たまたまニャリスが死ぬ羽目になったと思うと、地の底に落とされたような気持ちになった。
「すまなかった、お前は確かに何も非はない、俺のせいでお前が命を落としたと、責められても何も反論はない」
「そんなこと言ってないよ!!僕はラクロア様の危機を救くえて嬉しかったのに、何で責めなきゃならないの?僕が勝手にやりたくてやって死んだことに、ラクロア様がなんで責任感じるんだよ」
「しかし」
「もぅ、そんなに言うなら、僕、強くなるよ、ラクロア様くらい強くなったらそばにいて良いの?」
「いや、だが、危ないことは極力して欲しくない」
というか、もう二度と命の危機にあうようなことはさせたくないし、危ない外へも出したくないのが本音だ。だが、まだ幼いニャリスは、納得できない。そもそも猫は飼い主と一緒に居るものだと思っている。離れている間もずっと飼い主のことを恋しく思ってしまう性質なのだ。
「だから、ラクロア様が危ないんだよね?僕が強くなったらラクロアをもっと守れるし、足手まといにならなくなれば良いよね」
「守るだって?冗談じゃない、絶対駄目だ!!お前は、もう二度と私を守らなくて良い!!とにかくお前は家で大人しくしていなさい」
急に、ラクロアは、命令口調になって、有無を言わさず、ニャリスを部屋に残し、仕事へ行ってしまった。
「もぅ、ラクロア様ってば!!」
ぷんすこと、怒って、ニャリスはまたベットへバフンと飛び込んだ。毎日毎日、寝て起きて、ラクロア様と遊んで、また寝て幸せだけど、離れてる間、すごくすごく僕がラクロア様のこと心配してるって、知らないんだ。
「ラクロア様のばかっ、僕は猫だから死んでも7回戻ってこれるのに、ラクロア様が死んじゃったらもう二度とあえないんだからね」
それだけは絶対嫌だと思った。ラクロアは、13歳で子供だというけど、猫からしたら13なんて立派な大人だ。むしろ、老人の域だ、しかも前世の記憶もあるからぼくはもう実は、ラクロア様よりも精神的にはずっと年上なのに。
ラクロアが居ない間、1人でのらりくらりと過ごすのに実は飽きてきて、外へ行きたいと思うようになったのだ。飽きたなんてそんなことを言ったら、勉強をしろと言われそうで口に出さないが、猫の時は気にならなかったのに、なぜか1人は飽きるという気持ちが心にわくことが不思議だった。
まぁ、外へ行くといっても、散歩に行きたいとかそういうことではなくて、ラクロアが仕事で出掛けるのに付いていきたいのだ。
「ラクロア様、僕もお外に一緒に連れてってくれませんか?」
「駄目だ」
「どおして?邪魔にならないようにするよ?」
「駄目だと言ったら駄目だ、俺が働いているところは、荒くれどもの溜まり場みたいな所だ、お前は身を守る術もないし絶対連れていかない、そもそもお前は子供だ」
完全否定されて、ニャリスは、ぷぅっと膨れた。ラクロアにまとわりついていた身体を離して、ぷいっと、ベットの中にもぐると、ラクロアは、決まり悪そうに、近づき、言い訳がましく、土産を買ってくるからと言った。
「いらないっ!!」
「はぁ、ニャリス、解ってくれ、お前が危険な目にあったら困るんだ」
「あのね、僕は危険な目にあってないよ、危険な目にあってるのはいつもラクロア様でしょ?僕を殺したって何にもならないの皆が知ってるんだから、殺したりしないよ、僕がうっかり死なない限り」
確かにその通りだ。あのワインも、本来はラクロアが飲むためのもので、ニャリスの為にあった訳ではない。
つまり、自分のそばにいたから、たまたまニャリスが死ぬ羽目になったと思うと、地の底に落とされたような気持ちになった。
「すまなかった、お前は確かに何も非はない、俺のせいでお前が命を落としたと、責められても何も反論はない」
「そんなこと言ってないよ!!僕はラクロア様の危機を救くえて嬉しかったのに、何で責めなきゃならないの?僕が勝手にやりたくてやって死んだことに、ラクロア様がなんで責任感じるんだよ」
「しかし」
「もぅ、そんなに言うなら、僕、強くなるよ、ラクロア様くらい強くなったらそばにいて良いの?」
「いや、だが、危ないことは極力して欲しくない」
というか、もう二度と命の危機にあうようなことはさせたくないし、危ない外へも出したくないのが本音だ。だが、まだ幼いニャリスは、納得できない。そもそも猫は飼い主と一緒に居るものだと思っている。離れている間もずっと飼い主のことを恋しく思ってしまう性質なのだ。
「だから、ラクロア様が危ないんだよね?僕が強くなったらラクロアをもっと守れるし、足手まといにならなくなれば良いよね」
「守るだって?冗談じゃない、絶対駄目だ!!お前は、もう二度と私を守らなくて良い!!とにかくお前は家で大人しくしていなさい」
急に、ラクロアは、命令口調になって、有無を言わさず、ニャリスを部屋に残し、仕事へ行ってしまった。
「もぅ、ラクロア様ってば!!」
ぷんすこと、怒って、ニャリスはまたベットへバフンと飛び込んだ。毎日毎日、寝て起きて、ラクロア様と遊んで、また寝て幸せだけど、離れてる間、すごくすごく僕がラクロア様のこと心配してるって、知らないんだ。
「ラクロア様のばかっ、僕は猫だから死んでも7回戻ってこれるのに、ラクロア様が死んじゃったらもう二度とあえないんだからね」
それだけは絶対嫌だと思った。ラクロアは、13歳で子供だというけど、猫からしたら13なんて立派な大人だ。むしろ、老人の域だ、しかも前世の記憶もあるからぼくはもう実は、ラクロア様よりも精神的にはずっと年上なのに。
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