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31 当日
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王宮主宰の晩餐会当日の予定としては、王に謁見して、僕がラクロア様の婚約者となることを認めてもらい、そのあと御披露目、ダンスしたり会食したりして3時間くらい過ごすそうだ。
僕はあんまり騒がしいし所へ行きたくないけど、これをやらなきゃラクロア様のそばにずっと居れないみたいだから仕方無い。
朝からずっとメルがいそいそと、僕におめかしをしてくれている。
「はーーユリス様のこの真っ白な礼服の素敵なことといったら、なんてお似合いなのかしら、真っ黒なさらさらの髪の毛も綺麗に切り揃えた甲斐がありました、姿が映える、映える、本当にお伽の国の皇子様みたいですぅ」
メルがうっとりと、僕の髪を櫛でときながら褒めてくれる。そうね、僕もこの白い服は似合ってると思うの。でも、白は汚れが目立つから、うっかり地面に座らないよう気を付けなきゃ。なんか、まだまだ全然猫の記憶が抜けなくて、それに平民として生きてた時も地べたによく座ってたしで、気を抜くと、下にしゃがんで、そのうち座っちゃうの。
貴族は椅子にしか座らないんだって。まぁ、僕も椅子は好きだから良いけど、ただ、足を椅子の上に乗せたらだめっていうのが意味が解らないよ、足は折りこんで座る方が落ち着くのにね。僕が、足をぷらぷらさせながら椅子に座ってると、コンコンとドアが鳴った。
「準備はできたか?」
ラクロア様が、僕の部屋に入ってきた。ラクロア様も僕と対の真っ白な礼服をきてる。凄く似合っててカッコいい。わーーめっちゃ、すりすりしたいけど、毛がつくからだめかな。
「うん、よく似合ってるじゃないか、いつもよりずっと大人びてみえるな」
僕の近くにきて、ラクロア様が頭を撫でてくれた。あ、そっか髪の毛ってあまり抜けないからすりすりしても大丈夫ね。ぼくは、ラクロアに飛び付いて、思う存分に僕の匂いを擦り付けた。しばらくそうやって抱き合っていたけど、ラクロア様がそろそろ行かないとと呟いた。
「馬車を待たせてある、王宮の晩餐会の前に、東の宮に行って、王に挨拶をしてこよう」
「はぁい」
抱っこして連れていって欲しかったけど、今日は注目される日だから、人間らしく気を付けなきゃで、我慢してラクロア様と手を繋いで歩く。
馬車に乗り込むと、ラクロア様がお膝の上においでと言ってくれた。
「緊張してるか?」
「ううん、大丈夫」
「そうか、この1ヶ月でずいぶん成長したな、初めて王宮へ行くとなった日はお前が余りにも緊張していたから、本当に心配でたまらなかった」
はははと、笑いながら、僕のほっぺたをぷにぷにする。ラクロア様ってば、僕のほっぺ好きね。
まったりと、くっついて馬車に揺られてたら、あっという間に王宮に着いちゃった。今日は盛大な宴だから、王宮内の飾りつけが物凄く豪華。至るところに、花が飾られて、甘い匂いが漂ってる。
僕たちの為に準備してくれたんだと思うと、なんか嬉しいね。これでずっとラクロア様と僕は一緒にいられるんだ、嬉しいな。
僕はあんまり騒がしいし所へ行きたくないけど、これをやらなきゃラクロア様のそばにずっと居れないみたいだから仕方無い。
朝からずっとメルがいそいそと、僕におめかしをしてくれている。
「はーーユリス様のこの真っ白な礼服の素敵なことといったら、なんてお似合いなのかしら、真っ黒なさらさらの髪の毛も綺麗に切り揃えた甲斐がありました、姿が映える、映える、本当にお伽の国の皇子様みたいですぅ」
メルがうっとりと、僕の髪を櫛でときながら褒めてくれる。そうね、僕もこの白い服は似合ってると思うの。でも、白は汚れが目立つから、うっかり地面に座らないよう気を付けなきゃ。なんか、まだまだ全然猫の記憶が抜けなくて、それに平民として生きてた時も地べたによく座ってたしで、気を抜くと、下にしゃがんで、そのうち座っちゃうの。
貴族は椅子にしか座らないんだって。まぁ、僕も椅子は好きだから良いけど、ただ、足を椅子の上に乗せたらだめっていうのが意味が解らないよ、足は折りこんで座る方が落ち着くのにね。僕が、足をぷらぷらさせながら椅子に座ってると、コンコンとドアが鳴った。
「準備はできたか?」
ラクロア様が、僕の部屋に入ってきた。ラクロア様も僕と対の真っ白な礼服をきてる。凄く似合っててカッコいい。わーーめっちゃ、すりすりしたいけど、毛がつくからだめかな。
「うん、よく似合ってるじゃないか、いつもよりずっと大人びてみえるな」
僕の近くにきて、ラクロア様が頭を撫でてくれた。あ、そっか髪の毛ってあまり抜けないからすりすりしても大丈夫ね。ぼくは、ラクロアに飛び付いて、思う存分に僕の匂いを擦り付けた。しばらくそうやって抱き合っていたけど、ラクロア様がそろそろ行かないとと呟いた。
「馬車を待たせてある、王宮の晩餐会の前に、東の宮に行って、王に挨拶をしてこよう」
「はぁい」
抱っこして連れていって欲しかったけど、今日は注目される日だから、人間らしく気を付けなきゃで、我慢してラクロア様と手を繋いで歩く。
馬車に乗り込むと、ラクロア様がお膝の上においでと言ってくれた。
「緊張してるか?」
「ううん、大丈夫」
「そうか、この1ヶ月でずいぶん成長したな、初めて王宮へ行くとなった日はお前が余りにも緊張していたから、本当に心配でたまらなかった」
はははと、笑いながら、僕のほっぺたをぷにぷにする。ラクロア様ってば、僕のほっぺ好きね。
まったりと、くっついて馬車に揺られてたら、あっという間に王宮に着いちゃった。今日は盛大な宴だから、王宮内の飾りつけが物凄く豪華。至るところに、花が飾られて、甘い匂いが漂ってる。
僕たちの為に準備してくれたんだと思うと、なんか嬉しいね。これでずっとラクロア様と僕は一緒にいられるんだ、嬉しいな。
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