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第1章大好きだよ
第5話 性的お勉強の前に仲直り?
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「そっか、優夜君はもう僕と話したくないのか。余計な事して嫌われちゃったかな。本当にごめんね。ただ、悪気がなかった事だけは理解ってくれると嬉しいな」それだけ言うと亮輔兄ちゃんは踵きびすを返して部屋を後にしようとする。
(え? 何で亮輔兄ちゃんが出て行くの? 僕が全部悪いのに。国久の事は正直ムカついたけど仲直りの切っ掛けくれたのは亮輔兄ちゃんだし。亮輔兄ちゃんは悪くない。その優しさをズタズタに切り裂いたのは僕。追いかけてくれたのに玄関閉めちゃって結果的に締め出した形になる。そしてさっきの部屋の鍵も折角僕の為に一泊の旅行もそっちのけで晩御飯の用意までしてくれてたのに。ぬいぐるみだってちゃんと向き合わずに自分の勝手な我侭で投げてその上に酷い事まで言った。亮輔兄ちゃんは僕の為にしてくれたのに)
「ごべんなざい…ヒック…わるぎば…ヒック…ながっだ…ヒック…がらだががっでにうごいで…ヒック…どうじようもなぐて…ヒック…りょうずげにいぢゃんごべんなざいぃー」
多分判りにくいので作者が日本語に翻訳しましょう。(何語? )
優夜はこう言いたかったのである。
(ごめんなさい。悪気は無かったんだけど体が勝手に動いてどうしようもなくて亮輔兄ちゃんごめんなさいぃー)という事らしい。お話の途中失礼しました。
今までの比じゃないほどの涙を流し、それだけでは足りないとでも言うように鼻水まで大量に出る始末。泣きすぎて喉を痛めていたのだろう。声もガラガラ。それでも亮輔兄ちゃんが自分の事を嫌ってないと判ったから自分も嫌ってない。むしろ自分でもどうしたらいいのか判らない位に好きで仕方ないのだ。
それが兄弟の好きなのか人として尊敬に値する好きなのかはたまた恋人みたいな好きなのかはまだ判らなかったのだが……
ズビズビと鼻水を啜り上げ、頑張って言う。
「嫌いじゃないの…ズビ…亮輔兄ちゃんの事考えただけでどうしたらいいか判んなくなって…ズビ…口も勝手に動いて…ズー…だから行かないで。見捨てないで。嫌いにならないでぇー」頑張ってそこまで言い切ると少しばかり落ち着いたかに見えた涙が再び頬を余す所無く濡らしていく。
「何でこんなになるまで意地張るかな? 何でか判んないけど優夜は目を離せないんだよな。少しでも目を離すと見えなくなっちゃいそうな霧みたいで」優夜が理解出来る範囲を超越した言葉を言いながら優夜の体を静かに抱き寄せてきた。
「意地っ張りじゃないもん…ヒック…ズー…体が勝手に動くだけだもん」シャックリと鼻水を啜りながら小さな反抗をする。
「ふふっ。これを見ても? 優夜のお母さんが言ってたよ。たまに朝優夜の部屋を覗くと口にガムテープ貼ってる時があってそれを見た時はこの子はまた寂しい想いさせたんだなってそれが凄く辛くて悲しいって言ってたよ。それがいつの間にか癖になっちゃって泣く度にガムテープ貼ってたんだってね。これからはこんな事する前に僕の所に来るんだよ? 判ったかい? 」片手で抱きしめて空いてる方の手で僕の頭を撫でてくれる優しい亮輔兄ちゃんの手。
「うん。判った」まだまだ涙は止まらなかったが、それでも気持ちが満たされた感じを優夜は感じていた。
暖かくて安心できる今現在優夜にとって一番頼りになる手なのかもしれない。
優夜自身にとって昨日までは他人の手なんて恐怖のみでしかなかったのに何故か亮輔兄ちゃんの腕の中に抱かれていると安心とか安らぎしか感じられない。
今日一日で自分が理解した事は多く、これまでの人生を覆すような出来事ばかり。
亮輔に出会う前までは泣いたとしても稀まれに国久が隣に居たのだがそれ以外は泣くとき専用のあのぬいぐるみの前でしか泣かなかった。
母親の前ではそれこそ気合のみで堪えていたし、泣く時も声を殺す為にこっそり買って部屋に隠してあるガムテープで自分の口を塞ぐ始末。
良い言い方をすれば健気。悪い言い方をすればM? 傍から見ていたとしたらただ単の意地っ張りであり、馬鹿の類に属してもおかしくない行動を取っている事を本人だけが知らない。
声を思い切りだして泣いたのは亮輔相手が初めてで、どうも優夜としては落ち着かなかったのだがこの腕に包まれている間はその変な感覚も消えている。
それはあたかも亮輔兄ちゃんの前では全てを許されている様な錯覚に優夜を誘う。
そして今現在理解出来ていない自分の亮輔に対する気持ち。
自分に対して感情を抑える事しか知らなかった自分がどう変わるのか、そしてその気持ちを自分で自覚した時どう思うのかは誰にも判らない。ただ一つだけ優夜が判る事は変わるのは怖いがそれが亮輔兄ちゃんの為だったら怖さを感じず嬉しさだけしかないのだろうというその一つだけだった。
それでも優夜本人にしてみれば十分過ぎる安心感なのだが。
それから二人は室温まで冷めてしまって固まったスパゲッティーを仲良く齧り付きながら食べ、別々だったがお風呂に入る。
(一緒にお風呂に入れなかったから少し、いや! とってもお風呂に対してやきもちみたいな物を感じたんだけどそれはまだ亮輔兄ちゃんには内緒)
その後は二人でテレビを見て笑ったり話をしたりしていると優夜の意識が睡魔に攫われていく。
「優夜。そろそろ寝ようか。部屋でちゃんと寝るんだよ? 」お風呂はさすがに恥ずかしかったから我慢したけど寝る時も別々なんてそんなに僕は辛抱強くない。
「亮輔兄ちゃんは何処で寝るの? 」
少し膨れっ面で問いかける。
「今日はソファーにでも寝るよ。おやすみ。優夜」ニッコリとあの優しい微笑浮かべてソファーに腰掛けた。
僕はむくれたまま優しい亮輔兄ちゃんにとっては凶器並な物と枕・毛布を取りに自室に向かう。
左手に枕を抱え、頭から後ろにかけて毛布を羽織って、右手には凶器である泣く時専用のあのぬいぐるみを乱暴に抱えて亮輔兄ちゃんが寝てるリビングのソファーへと優夜は決死の覚悟?で向かうのだった。
リビングに着いたはいいが、明かりは消えており、こっそりリビングのドアから体を滑り込ませ、少しだけいつもより盛り上がっているソファーの横にチョコンと行儀良く正座する。
「亮輔兄ちゃん寝ちゃった? 亮輔兄ちゃん。亮……。亮輔ぇー!」始めは小声で僅わずかに亮輔の体を揺する位の可愛いものだったが、十秒としない内に優夜は我慢の臨界点に達してしまい、そのまま優夜の泣き声大合唱大会の開始である。
それでも狸寝入りを続ける亮輔に対して、優夜は自分にとっては最後? の切り札を叫ぶ。
「亮輔兄ちゃんが狸寝入りするならいいもん! ずっと亮輔の隣に居る時は泣いてやるぅー! 」はっきり言って亮輔にとっては迷惑なだけの話だろうが、今の優夜にとっては自分を無視する事自体が耐えられない。それ以外の事などこの我侭坊主? が考えれる余裕は一切、微塵も無い事だろう。
大声で叫びワンワンひたすらにただひたすらに耳元で泣かれてはさすがに普通に寝る事すら叶わない。
もしこれが演技なら、主演男優賞なんて簡単に貰えてしまいそうな程の熱心ぶりだ。
このまま泣かれては翌日帰ってくる親が近所から散々小言を言われている様がありありと現実的に浮かんでくるから怖い。
「判った。一緒に寝て欲しいんでしょ? 寝てやるから泣き止んで」渋々、亮輔が重たい体を持ち上げた。
「本当? 本当に一緒に寝てくれる? 絶対? 」執拗に尋ねる辺り優夜にとっては半信半疑なのだろう。
「本当に。辞めるんだったらいいけど? ここじゃ狭いから優夜のベットで一緒に寝ようね」
「辞めない! 一緒に寝る! 」答えた瞬間に体が浮き上がり額に軽くチュと亮輔から口付けがされた。
持ち上げられたのは当然お姫様抱っこ。
渾名あだなに相応しくお姫様気取り(本人にとってはお姫様じゃない! とまた泣いて騒ぎそうな事だが)の優夜にとってはこれが亮輔から見たベストな抱え方なのか?
「おやすみのチューね。この位しないと泣き止まないでしょ? 」完全に子供扱い同然。
「テヘヘー……エヘヘ……」完全に壊れてませんか? この子。
優夜の部屋に着くと優夜は逃がさないとばかりに亮輔を先に部屋に押し込み、ドアに鍵を掛ける。
これで部屋の中で何をしようと翌日帰ってくる両親は見ることが出来ない。
なんせ、ここのドアの鍵は現在部屋の所有者である優夜と優夜の母親が持ってる鍵は亮輔の手元にあるのだから。
(え? 何で亮輔兄ちゃんが出て行くの? 僕が全部悪いのに。国久の事は正直ムカついたけど仲直りの切っ掛けくれたのは亮輔兄ちゃんだし。亮輔兄ちゃんは悪くない。その優しさをズタズタに切り裂いたのは僕。追いかけてくれたのに玄関閉めちゃって結果的に締め出した形になる。そしてさっきの部屋の鍵も折角僕の為に一泊の旅行もそっちのけで晩御飯の用意までしてくれてたのに。ぬいぐるみだってちゃんと向き合わずに自分の勝手な我侭で投げてその上に酷い事まで言った。亮輔兄ちゃんは僕の為にしてくれたのに)
「ごべんなざい…ヒック…わるぎば…ヒック…ながっだ…ヒック…がらだががっでにうごいで…ヒック…どうじようもなぐて…ヒック…りょうずげにいぢゃんごべんなざいぃー」
多分判りにくいので作者が日本語に翻訳しましょう。(何語? )
優夜はこう言いたかったのである。
(ごめんなさい。悪気は無かったんだけど体が勝手に動いてどうしようもなくて亮輔兄ちゃんごめんなさいぃー)という事らしい。お話の途中失礼しました。
今までの比じゃないほどの涙を流し、それだけでは足りないとでも言うように鼻水まで大量に出る始末。泣きすぎて喉を痛めていたのだろう。声もガラガラ。それでも亮輔兄ちゃんが自分の事を嫌ってないと判ったから自分も嫌ってない。むしろ自分でもどうしたらいいのか判らない位に好きで仕方ないのだ。
それが兄弟の好きなのか人として尊敬に値する好きなのかはたまた恋人みたいな好きなのかはまだ判らなかったのだが……
ズビズビと鼻水を啜り上げ、頑張って言う。
「嫌いじゃないの…ズビ…亮輔兄ちゃんの事考えただけでどうしたらいいか判んなくなって…ズビ…口も勝手に動いて…ズー…だから行かないで。見捨てないで。嫌いにならないでぇー」頑張ってそこまで言い切ると少しばかり落ち着いたかに見えた涙が再び頬を余す所無く濡らしていく。
「何でこんなになるまで意地張るかな? 何でか判んないけど優夜は目を離せないんだよな。少しでも目を離すと見えなくなっちゃいそうな霧みたいで」優夜が理解出来る範囲を超越した言葉を言いながら優夜の体を静かに抱き寄せてきた。
「意地っ張りじゃないもん…ヒック…ズー…体が勝手に動くだけだもん」シャックリと鼻水を啜りながら小さな反抗をする。
「ふふっ。これを見ても? 優夜のお母さんが言ってたよ。たまに朝優夜の部屋を覗くと口にガムテープ貼ってる時があってそれを見た時はこの子はまた寂しい想いさせたんだなってそれが凄く辛くて悲しいって言ってたよ。それがいつの間にか癖になっちゃって泣く度にガムテープ貼ってたんだってね。これからはこんな事する前に僕の所に来るんだよ? 判ったかい? 」片手で抱きしめて空いてる方の手で僕の頭を撫でてくれる優しい亮輔兄ちゃんの手。
「うん。判った」まだまだ涙は止まらなかったが、それでも気持ちが満たされた感じを優夜は感じていた。
暖かくて安心できる今現在優夜にとって一番頼りになる手なのかもしれない。
優夜自身にとって昨日までは他人の手なんて恐怖のみでしかなかったのに何故か亮輔兄ちゃんの腕の中に抱かれていると安心とか安らぎしか感じられない。
今日一日で自分が理解した事は多く、これまでの人生を覆すような出来事ばかり。
亮輔に出会う前までは泣いたとしても稀まれに国久が隣に居たのだがそれ以外は泣くとき専用のあのぬいぐるみの前でしか泣かなかった。
母親の前ではそれこそ気合のみで堪えていたし、泣く時も声を殺す為にこっそり買って部屋に隠してあるガムテープで自分の口を塞ぐ始末。
良い言い方をすれば健気。悪い言い方をすればM? 傍から見ていたとしたらただ単の意地っ張りであり、馬鹿の類に属してもおかしくない行動を取っている事を本人だけが知らない。
声を思い切りだして泣いたのは亮輔相手が初めてで、どうも優夜としては落ち着かなかったのだがこの腕に包まれている間はその変な感覚も消えている。
それはあたかも亮輔兄ちゃんの前では全てを許されている様な錯覚に優夜を誘う。
そして今現在理解出来ていない自分の亮輔に対する気持ち。
自分に対して感情を抑える事しか知らなかった自分がどう変わるのか、そしてその気持ちを自分で自覚した時どう思うのかは誰にも判らない。ただ一つだけ優夜が判る事は変わるのは怖いがそれが亮輔兄ちゃんの為だったら怖さを感じず嬉しさだけしかないのだろうというその一つだけだった。
それでも優夜本人にしてみれば十分過ぎる安心感なのだが。
それから二人は室温まで冷めてしまって固まったスパゲッティーを仲良く齧り付きながら食べ、別々だったがお風呂に入る。
(一緒にお風呂に入れなかったから少し、いや! とってもお風呂に対してやきもちみたいな物を感じたんだけどそれはまだ亮輔兄ちゃんには内緒)
その後は二人でテレビを見て笑ったり話をしたりしていると優夜の意識が睡魔に攫われていく。
「優夜。そろそろ寝ようか。部屋でちゃんと寝るんだよ? 」お風呂はさすがに恥ずかしかったから我慢したけど寝る時も別々なんてそんなに僕は辛抱強くない。
「亮輔兄ちゃんは何処で寝るの? 」
少し膨れっ面で問いかける。
「今日はソファーにでも寝るよ。おやすみ。優夜」ニッコリとあの優しい微笑浮かべてソファーに腰掛けた。
僕はむくれたまま優しい亮輔兄ちゃんにとっては凶器並な物と枕・毛布を取りに自室に向かう。
左手に枕を抱え、頭から後ろにかけて毛布を羽織って、右手には凶器である泣く時専用のあのぬいぐるみを乱暴に抱えて亮輔兄ちゃんが寝てるリビングのソファーへと優夜は決死の覚悟?で向かうのだった。
リビングに着いたはいいが、明かりは消えており、こっそりリビングのドアから体を滑り込ませ、少しだけいつもより盛り上がっているソファーの横にチョコンと行儀良く正座する。
「亮輔兄ちゃん寝ちゃった? 亮輔兄ちゃん。亮……。亮輔ぇー!」始めは小声で僅わずかに亮輔の体を揺する位の可愛いものだったが、十秒としない内に優夜は我慢の臨界点に達してしまい、そのまま優夜の泣き声大合唱大会の開始である。
それでも狸寝入りを続ける亮輔に対して、優夜は自分にとっては最後? の切り札を叫ぶ。
「亮輔兄ちゃんが狸寝入りするならいいもん! ずっと亮輔の隣に居る時は泣いてやるぅー! 」はっきり言って亮輔にとっては迷惑なだけの話だろうが、今の優夜にとっては自分を無視する事自体が耐えられない。それ以外の事などこの我侭坊主? が考えれる余裕は一切、微塵も無い事だろう。
大声で叫びワンワンひたすらにただひたすらに耳元で泣かれてはさすがに普通に寝る事すら叶わない。
もしこれが演技なら、主演男優賞なんて簡単に貰えてしまいそうな程の熱心ぶりだ。
このまま泣かれては翌日帰ってくる親が近所から散々小言を言われている様がありありと現実的に浮かんでくるから怖い。
「判った。一緒に寝て欲しいんでしょ? 寝てやるから泣き止んで」渋々、亮輔が重たい体を持ち上げた。
「本当? 本当に一緒に寝てくれる? 絶対? 」執拗に尋ねる辺り優夜にとっては半信半疑なのだろう。
「本当に。辞めるんだったらいいけど? ここじゃ狭いから優夜のベットで一緒に寝ようね」
「辞めない! 一緒に寝る! 」答えた瞬間に体が浮き上がり額に軽くチュと亮輔から口付けがされた。
持ち上げられたのは当然お姫様抱っこ。
渾名あだなに相応しくお姫様気取り(本人にとってはお姫様じゃない! とまた泣いて騒ぎそうな事だが)の優夜にとってはこれが亮輔から見たベストな抱え方なのか?
「おやすみのチューね。この位しないと泣き止まないでしょ? 」完全に子供扱い同然。
「テヘヘー……エヘヘ……」完全に壊れてませんか? この子。
優夜の部屋に着くと優夜は逃がさないとばかりに亮輔を先に部屋に押し込み、ドアに鍵を掛ける。
これで部屋の中で何をしようと翌日帰ってくる両親は見ることが出来ない。
なんせ、ここのドアの鍵は現在部屋の所有者である優夜と優夜の母親が持ってる鍵は亮輔の手元にあるのだから。
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