捨てられたものと拾うもの〜空虚な獣は眠り姫を渇望し囲う〜 

帆田 久

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番外編

※我慢は身体に毒・下

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※R18話。性描写(強?)あります。
苦手な方は回避してください!
前半→道鷹  後半→陸視点
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(Side:道鷹)

空調はこの上なくしっかりと効いて適温に保たれているはずの室内が、むせ返る熱に支配されて部屋の温度を際限なく上げていく錯覚を起こす。

その熱源たる片割れの陸を背後から抱き、
後ろから耳を喰みながら先程充分に育てて熟れきった乳首と細く形の綺麗な彼の分身ペニスを弄り回す。

「やぁ…!なおた、さぁ…!!そんなにしたらや……っ」

「ん?なにがやなんだ陸、ちゃんと言わなければわからんぞ」

「だ、だからそこっ………ぁああッ!!」

執拗に摘み、捏ね回された乳首は最初の姿を忘れてしまうほど卑猥な色と見た目に変化を遂げ、散々擦られて勃起しっぱなしな陸の分身からは大量の先走り液がだらだらと流れ落ちている。
それをぬちゃ、ぐじゅ、と殊更淫猥に音を立てて扱き上げては、
いやいやと首を振り悶える様子を存分に堪能する。

「だから言えって。
なにを、どうして欲しいんだ…?」

ちゃあんと言えたら、ご褒美にイかせてやるよ

耳を舐りながらそう吹き込むと、先ほどから一度として達することを許されていない陸はあっさりと羞恥を手放した。

「もう、お、おちん…んグチュグチュ擦ってイかせてぇ……っ」

「よく言えました。
ー…ほら、イけ」

「んああああああぁぁッッ!!」


止めと激しく分身を擦り上げると、陸は叫ぶように鳴きながら派手に精液を噴き零した。
我慢しすぎた反動なのか、盛大にイった後も断続的にピュッ、ピュッ、と少量を辺りに飛ばして身体を震わせる様のなんと艶かしいことか。

耳を舐ることを止めて、舌舐めずりする。

(ああ、早くあそこに突っ込みたい……)

早く、早くと欲が気を急かすのを必死に耐え、
陸の様子を窺うと、達した余韻に頬を真っ赤に上気させながら蕩然としていた。

(丁度程よく力が抜けてるな)

それならと先程陸が盛大に零した精液を指にたっぷりと掬い取り、
慎ましく閉じた彼の肛孔へと塗りつけた。

「ふぁっ!?」

ビクン!と跳ねる身体を前に倒してうつ伏せにし押さえると、
何度か周囲を揉んだ後ぬるりと指を一本肛孔に突き入れた。


「あ……あ……」

「痛いか?」

「い、たくはない、けどっ……これっ変……っ」

「痛くないならいい」


何度か抜き差ししてみたがやはり窄まりは硬く、狭い。
陸の精液だけでは到底足りず、ベッドサイドチェストを探って見つけた大きめのボトルに入った潤滑液の蓋を外して指の代わりに肛孔に充てがう。


「道鷹さ?何を……」

冷たい感触に戸惑う陸を尻目に、ボトルの先をぐっと突き入れ同時に中身を一気に絞り出す。

「っひゃあああああッッ!」


びゅるるるるる!!

突然肛孔に注ぎ込まれた冷たい液体に、陸が絶叫を上げる。
ぐっぐっと残りがないようボトルを力任せに握り絞ると、痙攣している陸の動きに合わせて小さな尻が上下にカクカクと揺れる。


「くくっ…可愛い尻が揺れてるぞ陸?
折角陸が痛くないようにと潤滑液を注いでやったのにそんなに動いたら……」

漏れるぞ?


殊更卑猥に耳元で呟いて身を離すと抜くぞ、と宣言しつつ意地悪くゆっくりボトルの先端を抜いていく。


「や、やだやだ!!漏らすのやぁああ!!」

「じゃあしっかりと締めておけばいい。
ー…そら、抜けるぞ」

「や!や!抜いちゃ駄目でちゃっ……、ぁあーーー!!」

ちゅぽん!と音を立ててボトルの先が抜け出た一拍後、陸は。
プシュ、プシャアアアアアアと後ろの穴から潤滑液を勢いよく漏らした。

「あーあ。
折角注いだのに…。
布団がお前のお漏らしで水溜りが出来てんぞ」

悪い子だなぁ、陸

うっそりと呟いて羞恥で顔を歪める陸に満足すると、
濡れに濡れた窄まりに一本ではなく二本まとめて指を突き入れた。

「うぁっ!ぐっうんん……あ…、ああ…」

「痛いか?いや、痛くないよな?
これだけ滑りが良くなったんだ。
あとは………、ここか?」

「ヒッッ!!?」


グチュグチュと抜き差しして中を掻き混ぜながら探り、ある一点を指先でぐっと押し込むと陸の身体が感電したように激しく跳ねた。

「分かったここだな。
気持ち、いいだろう、陸?」

「あ!!ああ!!そこ駄目っだめですみちたかしゃ…っ!!」

「くく…呂律も怪しくなるほど気持ちいいか……」


誘うように腰を揺らしながら窄まりに入った指を締め付けてくる陸。
はっ…と熱い息が自身の口から漏れる。
陸を快楽で落とそうとしていたのに、
いつの間にか俺も追い詰められている。
視覚と感覚の両方で煽られ、最早これ以上は待てない、と、指を引き抜いた。


「っあっ……?」

急に抜かれた指に戸惑う陸へと後ろから覆いかぶさると、いいか、と声をかける。
意図するところを察してサッと頬を赤らめた陸はふるふると睫毛を揺らして俯き、コクンと頷いた。
そして首を捻り俺を見上げて


「入れて下さい…
僕を、貴方だけのものにして……道鷹さん」

「っ陸!!」


喜悦の涙に濡れた瞳で見上げられ告げられたその言葉に、
辛うじて結び直したはずの理性が焼き切れた。


※  ※  ※


(Side:陸)



入れるぞ


そう呟かれてすぐ肛孔に宛てがわれた、熱と質量を持った道鷹さんの肉棒。

(…熱い)

その熱は時をおかずして僕の中に、侵入を開始した。


「ぐっ……んぅ………!」


ぐじゅ…と潤滑液の濡れた音を響かせて入り口を広げるそれの大きさに、
思わずくぐもった呻き声が漏れる。

(お、大きいっ……!)
自身が過去経験したモノと比べても断トツに大きくずっしりとした質量。
一瞬息が出来なくてはくはくと無意味に口を開閉してなんとか苦しさから逃れようと試みるも、どうしても身体がいうことを聞いてくれないのがもどかしい。
と、力が入って強張る背中を熱く大きな掌が撫でてくれ、少しだけ力が抜ける。

(…やっぱり優しいなぁ…)


撫でてくれる今この瞬間も断続的にみちみちと突き進んできていることから、止めるつもりは毛頭ないのだろう。
自分も男だから、
こんな時に途中で止まることができないのは理解できる。
それでも彼の強面な見た目からは想像もつかないほど慎重に、
事を進めてくれていることに感謝しかない。

ー…過去、自分を嬲った男達は、殆ど慣らすこともないままに入れ、
好き勝手に動いてそれぞれ欲を発散していたのだから。
その時のことを思い出して自嘲気味に口を歪めていると、

「……何を考えている」

「ぇ……あ、ご、ごめんなさ…」

「こんな状況で随分と余裕だな陸。
ー…俺以外のことなど、考えられなくしてやる」

「ッがはっ!!」


低く掠れた声でいうや、ズパン!!と一気に奥まで剛直を突き入れられ、
衝撃に肺から息が押し出された。

(ああ……折角優しくしてくれていたのに。
本当に僕は馬鹿だな)


痛みと内部からの圧迫による苦しみに、視界がぶれてチカチカと星が飛ぶ。
はっはっと水を欲する犬のように舌を突き出して呼吸をする僕を上から見下ろし、
しかし過去の男達とは違って続けて強引に動くことはなかった。

「っ…お前が過去に、誰と、どんな経験をしたのか知らないし
どうでもいいと俺はさっき言ったな。
だが……、過去と俺を比べるのだけは許さん」

ふっふっとなにかを堪えるように細かく息を吐きながら、彼がポツリと言った。


「過去に囚われるな。
今お前を抱いているのは誰だ」

「……道鷹、さん、です……っ」

「そうだ。
分かっているなら今はただ、俺に、集中しろ。
俺のことだけ考えて、素直に、俺の下で、鳴け……っ!!」

「は、いっ…はい……、っぁあッッ!!」


一言一言区切るごとに徐々に抜き差しが激しさを増していき、
それに合わせて痛みや苦しさより押し寄せる快楽に呑まれ
嬌声が口をついて出るのを止められなくなる。

「美味そうに、俺を、飲み込んでいるぞ、陸!
たっぷり味わえ…っ」

「ふぁっ!ん!ぅんんッッ!!道鷹さ、みちたかしゃぁん…っ!!」

「は…っ、くっ!っそうだ陸っ…もっと鳴けッッ!」


ギシギシとベッドが軋む激しさに身体を揺さぶられながら、
言われた通りもう、自分を征服していく男の下で過ぎた快楽に溺れて鳴くことしかできない。
パンパンと挿し貫かれる度に、ぐちょ、ぐぽっ、と卑猥な音が耳を犯す。
長大な彼の剛直が今まで誰も到達したことのない奥の奥まで拓き、
彼に蹂躙されている事実に歓喜を覚える。
最早自身の分身は壊れた蛇口の如くだらだらと愛液を垂れ流し続け、
高まり上がったまま降りてこられない快感が辛い。

それを察したのか、はたまた彼にも限界が訪れたのか。
或いはその両方だった、が正解なのだろう。

ズンズンと最奥を突く速度も、粘つく卑猥な水音も増していき…

「イっちゃいます!イっちゃ……ひぁっ!…っあ、ぁああああああーーっ!!」

「くぅっ、っは……ッッ」


一際強く突き入れられた瞬間、熱が弾けた。
上から覆うように僕を強く抱きしめながら、彼が僕の中に熱い飛沫を吐き出した。

ひ、ひ、としゃくり上げながら脱力してベッドに沈み、
達したことによって起こる身体の痙攣が怖い。

(セックスがこんなに気持ちいい、なんて…知らなかった)
こんな快感は知らない。

肛孔内に直に出されるのが
強く抱きしめられるのが
…好きな人と肌を重ねるのが。

こんなに心も身体も満たすことを、僕は知らなかった。


「あ、れ……?」

悲しくないのに
嬉しいのに
幸せなのに、なんで。

「な、んで、涙なん、か……っ」

「陸。………陸」


自分はどこかおかしくなってしまったのか。
痙攣したままぼろぼろと泣き続ける僕の身体の向きを変え、
正面からぎゅっと、それでいて優しく道鷹さんは抱きしめてくれた。


「我慢するな。
お前はどうも我慢し過ぎる。
悲しい時も嬉しい時も涙なんていくらでも出るもんだ。
泣きたい時は我慢せず泣け。
で、泣くだけ泣いてすっきりしたら、笑えばいい」

我慢は身体に毒だぞ?


「っふふっ……はい……っ!」

情事の後の色気を漂わせつつニヤリと悪い顔で笑う彼に、
僕もまた、泣きながら精一杯の笑顔を返したのだった。


※  ※  ※


(おまけ)side:道鷹



(ふ……呑気な寝顔)

笑いながら泣き続けるといった器用な真似をした陸は、
その後体力・気力ともに限界を迎えて寝落ちした。
腕の中ですやすやと気持ち良さそうに寝息を立てて眠る陸は実にあどけなく、
先ほど自分の下で腰に来る声を上げて腰を振っていた彼と同一人物には思えない。
が、それでも。
他ならぬ自分の腕の中で安息を貪る彼が、愛しくて仕方ない。

まぁともあれ。


「我慢は身体に毒、か。……偉そうに人に言えたものではないな」


優秀な己の部下が一部始終を見聞きしていたとしたら、
そっくりそのまま自分に返されそうな言葉だ、と苦笑いを浮かべた。

我慢しすぎた結果、自慰行為を俺に見つかって俺に身体を貪られた陸
我慢しすぎた結果、彼の秘事を覗き見て理性を飛ばして彼を貪り尽くした俺


結局はどっちもどっち、誰にも等しく我慢は毒となるようだ。

(まぁ、これで初夜は終えたんだ。
……毒、だからな。これからは我慢は止そう)

我慢などせず陸を貪ろうと1人で頷き彼を抱きしめ直して眠りにつく俺はひどく上機嫌のまま、夢の園へと旅立っていった。



………理性という名の我慢ブレーキを止めたけものによって
近い未来に足腰が立たない日々を過ごすことになるのを、
腕の中の青年はまだ知らない。

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