捨てられたものと拾うもの〜空虚な獣は眠り姫を渇望し囲う〜 

帆田 久

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番外編

※獣の嫉妬に眠り姫は溶かされる

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※番外編、最終回です!

===================================================


不動道鷹さん
都内どころか全国規模で有名な不動グループの会長として君臨する絶対君主の彼の居城の一つがこのマンションの一室。
都内有数の立地に建つ高層マンションの上階に位置するこの部屋のバスルームは当然広く、それに伴って内装もとても凝っている。
そんな広々とした洗い場のタイル上で後ろから部屋の主に抱えられて、
僕ー…陸は酷くはしたない声をバスルーム内に反響させていた。


「ふぁ…、…っ!これ、駄目ぇ……っ」

「ん、どうした陸。
何もしていないのにそんな声を上げて…。
そら、もっと足を広げて見せろ」

「ふ……ふ、ぅぅ……で、でも恥ずかし……!」

バスルームの洗い場に設置された大きな姿見かがみ、その前で。
現在僕は、彼に後ろから固定されたまま、足を横にがっつり開脚させられて、やわやわと乳首を弄ばれていた。
全裸で、尚且つ座らされた彼の足、正確には膝によって開きを固定されているために閉じることもできず。
彼の愛撫に慣れて敏感になってしまった胸のそれが酷く赤らみ、その刺激に声を漏らしてしまう。

あ、あ、と身体を震わせる僕を更に追いこむように、
彼が肉厚の指でつんと立ち上がった乳首をぐりっと強く抓った。

「ひぁあ!い、痛っ……!」

「痛い?……お前のは泣いて喜んでいるようだが?」

「んふ…っ、あ、違っ」

「違わねぇよ。……ほら、素直に喜べよ陸」

乳首を抓る手はそのままに、もう一つの手で乱雑にぐりぐりと僕の分身をこね回す。
にちゅ…にちゃ…と淫猥な音が嬌声に混じって響くのがなお恥ずかしく、
興奮がいや増す。
早々に限界を感じて身体を震わせたその時、途端にあっさりと下肢から手を離されてしまった。

「あっ!?」

「なんだ不満か?」

「な、んで……」

「あ?そりゃあそうだろ」


素直にイかせちゃあ、お仕置きにならないだろう?

どろりと色気を含んだ声を耳に流し込まれ、達せないもどかしさにぶるぶると全身が震える。
知らず、もっともっとと刺激を欲して腰が揺れ動くのを愉快そうに見下ろし、
なぁ陸、と道鷹さんが囁く。

「何故、俺以外に触らせた」

「っえ……」

「俺は言ったよな。お前は、陸は。
俺のものだと、あれから何度も…何度も。
それなのにあんな簡単に安曇如きに触らせやがって…なぁ。
これは“誠意”を見せてもらう他に許せるもんじゃねぇ。
陸もそう思うだろ?」

どうやら安曇さんに接近されて髪に触れられたことは、
道鷹さんをかなり立腹させてしまったらしい。
その程度ということなかれ。
本当は暴論もいいところなのだが、今まで理不尽な人生を送ってきた陸にその嫉妬が度を超しているものだと理解できない。
逆に、されたことのない過ぎた執着と束縛の言葉は、
喜びと快楽を同時に齎らした。

既に乳首すら触れられていない。
というのに僕の分身はダラダラと先走りを零し続けているのだ。
あるで本当に、与えられる快楽に涙を流して喜んでいるかのように…。
だから必然、彼に縋る。

「どうすれば、いい、ですか……?」

「乳首だけでイけ」

「え、ひゃっ!あ!っぁあああ………っ!!」


途端再開された胸の飾りへの愛撫に、我慢し続けた身体はあっという間に限界を迎えた。
ポタポタと白く濁った欲の滴が滴り落ちてタイルを汚した。

「ちゃんとイけたな、陸…良い子だ」

優しい声色で褒められて。
達して荒く息を吐く僕はゆっくりと目を閉じ、
背中に感じる彼の温もりに身を委ねた。


※  ※  ※



(Side:道鷹)


ぐじゅ、ぐぽっ
結合部から卑猥な水音を響かせ、眼下で細い腰が艶かしく踊る。
パン!と強めに腰を打ち付けると、
それだけで達してしまったように甘く鳴く、可愛い陸。
ここがバスルームで、タイルの上で、互いに全裸。
ベッド以外で抱かれたことがない陸は、反響する自分の声にすら発情し、
俺もまたその声に喉を干上がらせる。

喉が乾くのだ。
だからもっと、もっと…と。まるで砂漠で遭難したかのように、
甘露を求めて舌を伸ばすのだ。

「あ!あ、ぁあ!!みち、たか、さぁ……っっ!!」

「ぐっ、陸!!俺の、り、く」

無茶をしては不味いと一目でわかる、彼の細い肢体。
けれど、だからこそ余計に、めちゃくちゃに突き犯したくなる。
彼を支配出来るのは己だけなのだと。

髪を触れただけの部下に嫉妬するなんて、狭量にも程があることなど、
己が一番自覚している。
だけど、止められない。
飢えた獣が仕留めた獲物を貪ることをやめられないように、
自分も、せっかく手に入れた陸を独占せずにはいられない。

「道鷹さ、い、一緒にっ!」

「あぁ陸、一緒に、イけ……っ」

一際激しく腰を打ち付け、最奥を抉り。
最後に最奥に突き入れたものの先端をグズリと強く押し込んで。

「あ、ああ、ひ、んぁぁあああああ!!」

「………っ!!」

陸が精液を吹き上げるのと同時に、彼の熱い中に白濁を注ぎ込んだ。

「は、ぁ………、陸?」

「…………」

息を吐き彼を揺すると、くたりと弛緩してタイルに頽れた。
どうやら失神してしまったようだ。

身体を起こし、シャワーで彼の零した精液と後ろの掃除を簡単に済ませる。
一旦脱衣所へと行き、手にしたバスタオルで優しく彼を包むと、
そのままベッドルームへと直行した。

宝物を置くようにそっと、陸をベッドへと横たえて己も隣に潜り込むと、
彼を逃さぬようぎゅ…と抱きしめて目を閉じた。

彼と自分の出会いも、再会も。
自分達二人だけが知っていれば、それでいい。

他の人間に語って聞かせてやるほどに、獣は心が広くないのだ。

(起きたら虐めた分だけ、獲物を甘やかしてやるとするか)

そんな溶けた思考を抱きながら、心地よい眠りについたのだった。


ー…存外溶かされたのは腕の中の眠り姫ではなく、
それを抱きしめて離さない獣の方なのかもしれないー…





〈完〉




==================================================

※これにて完結とさせて頂きます!
ご愛読下さった皆様、ありがとうございます(o^^o)
またいずれ、別のお話で……。
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感想 4

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みんなの感想(4件)

カスミ草
2024.07.06 カスミ草

最高に面白かったです✨

道鷹さんの激しくも優しい素敵なヤンデレが凄く良かった😊

陸君に対して酷い仕打ちを繰り返してた奴らには、本当に腹立たしく😡て、死んだ方がマシと思える罰をと思ってました🤬

もうこれからずーっと幸せでいる世界しか無い(笑)

道鷹さん陸君おめでとう㊗
素敵な物語をありがとうございました😊

解除
静葉
2020.09.11 静葉

10ページ
なおた、さぁ になってましたが
みちた、さぁ では?

解除
静葉
2020.09.11 静葉

9ページ
自分の視線はは酷く飢えきった 「なってましたが
は 1つ多くないですか?

解除

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