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6 私の役割は告発者ではなくあくまで国に仕える忠臣なのだよ
しおりを挟む「ならば何故我らが王は発言されないのだ?」
エルヴィン侯爵のその一言に、王妃が振り向いたのは勿論貴族らが一斉に玉座を仰ぎ見る。
王はー、
不機嫌そのものな顔で肘掛けに肘をつき、歪んだ笑みを浮かべていた。
「エルヴィン侯爵家当主、ラギウス・エルヴィン。
並びに長子、ツヴァイ・エルヴィン」
「「はっ」」
「…予定外な寸劇を挟むこととはなったがまぁ…よくやった」
「「お褒めに預かり、光栄の極み」」
「くく。言葉まで重なるとは本当に主らは似たもの親子だなぁ」
「「それが親子というものでありますれば」」
「…っく、あまり笑わせてくれるな2人とも。
……さて。
そういうことだから我が騎士達よ」
「きゃあああ!」
いうや立ち上がると、侯爵らとの対話中傍らで自身を凝視していた王妃を
ドン!と無造作に壇上より突き落とした。
「っギャッ」
大した高さではないもののなんの受け身も取らずに壇上から落ちた王妃は顔面から床に激突し、潰れた声を上げた。
王の言葉は続く。
「長きに渡り王たる我を、王室を、国を欺き続けたこの大罪人を捕らえよ」
「「「「「はっ!!!」」」」」
王の命令に、一斉に騎士達が動き出し。
先ほどまで王妃たるとふんぞり返っていた女はその場で縄を打たれて拘束された。
しかして敵もさるもの、非常に諦めが悪かった。
「ぶれ、無礼者!触るでないわ!!
王よ!これは一体どういうことですか!?
他国より単身貴方様に嫁ぎ、王妃としてこの15年王国に身を尽くしてきた私よりもそこな無礼者な不敬者のいうことを鵜呑みになさるのか?!
このような仕打ちっ!許されることでは…」
「許されることでは?なんだ。
続きを言ってみるがいい。
言えるものならな。
言えるはずもないとは思うが」
一度言葉を切ると、会場を一度見渡した王は
「この場にいる我が国の忠臣らに告ぐ。
エルヴィン侯爵の発言したことは事実であることが、先日証拠と共に判明した。
重ねて言うが、侯爵には長きに渡って我自らが依頼して調査をしてもらっていた事由であることから、侯爵の発言は虚言ではなく真実であること間違いなし」
「「「!!?」」」
王の言葉に、貴族らは皆、戦慄した。
侯爵の言葉が真実であるということは、やはり本物の王妃様は……。
「本来本日は新年を祝う慶事。
このような日に断罪などという不快なことは避けるべきという判断をし、後日の朝議の際にそこな罪人どもの罪科とその証拠を明らかにするつもりであったが…罪人の寸劇のせいで侯爵も気遣いが失せたのであろう。
我が国始まって以来の最悪最低な事実が判明したのは残念でならないが」
「嘘ですわ!!」
言葉を遮られた王が不快げに顔を歪めたことにも気付く余裕すらなく、
女は嘘だ嘘だと声高に叫ぶ。
「嘘嘘嘘、すべて嘘です!
国王陛下は侯爵に騙されておいでか、ともすれば正気ではありませぬ!」
「…ほぉ、我が正気ではないとまでいうか貴様」
「っそうではありませぬか!?
私が偽物などと!嫁ぎ1年後に男児を産んだ私を偽物などとよく言えたものですね!!
証拠なぞあるはずもなし、有ればそこな侯爵がでっちあげたもののはず!
奸計に惑わされるなぞ王族の恥なれば、どうかお目をお覚ましになって」
「黙 れ こ の 愚 か 者 が」
立ちし王から、強烈な覇気が放たれた。
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