その辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

風呂桶之水源餅

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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第87話 力を得ることの恐怖

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黒エルフさんとアクセ屋の店主のお兄さんにお別れの挨拶をして、俺たちは一度西の国へと戻ってきた。

結局、今のところ黒い雷帝は俺たちの前にはあれ以来現れていない。
そして、黒い雷帝と戦ってから20日間。
この世界に来てから約50日。

俺自身もアクセの強化に加えて肉体改造により遥かに強くなったが、合わせて盗賊ちゃん、戦士ちゃん、妹ちゃん、そして勇者ちゃんもオーガノイドとの戦いと言う実践を通じてより強くなっていた。

尚、皆が戦っている間姿を消していた俺については、より強大な巨悪に立ち向かう為の武装強化を行なっていたという話になっていた。

割と間違いはない。

実際、武装も肉体も強化しているし。

流石に俺が10日間も意識不明になっていたという情報は出回っていなかった。

その情報が出回れば、人々はオーガノイドに怯えることになる。
奴らはダンジョン内に基本的に潜んでいたが、街中に現れた事もあるとの話だ。

そのオーガノイドに最も対抗できる存在である俺が、敵と同士討ちし挙げ句の果てに10日間も意識不明という情報が出回れば、国民は大パニックだ。

察しの良い奴ならとうに最悪の可能性にも気付いているだろう。

実際、魔女さんはその可能性に恐らく早々に気付いて居たのだろう。

ただ、それが本当となればそれこそ国家を揺るがす規模の話なのだ。

実際、過去に国家を揺るがしている存在なのだから。

そりゃ俺も厄災戦の話を聞いた後なら察すると言うものだ。
あながち黒で間違い無いだろう。

オーガノイドを作り出し、そしてダークエルフの都で転生者と思われる少年を取り込み力を与え、そして俺を敵視している存在。

恐らくは隣国の奴らだろう。

要するに今この国の最大戦力である俺を倒す力を作り出し、そして俺を倒した後にその力でこの国を落とすつもりなのだ。

前魔王も居なくなってる今、この国における脅威は俺と俺の周りの人間達だろうしな。

と言うか…。すっかり忘れてたが、俺も前魔王の力を託されて居たんだったな…。

色々とありすぎて割と忘れて居たけど…。
こいつは間違いなく次の切り札になる。

だから、今の俺の力が敵に通用しなくなって初めて戦場に出すべき力だろう。

流石に魔王の力がどんなレベルなのかは想像がつかないが…。

マオちゃんやリヴァイアさん、ケロちゃんにイフリーちゃん。
俺と戦ったこの4人も、その身に宿してる本来の魔王としての力をどこまで使って戦ったかはわからない。

俺の事を本気でやり合えば死にかねないと言ってはいたが、そもそもみんな異世界人が大好きなのだ。

普通なら自分の推しを殺せるわけが無い。

力を失ってしまったイフリーちゃんはまだしも、残り3人の彼女たちは確実に変身後の俺に匹敵する力を本来は秘めている筈だ。

まぁ、ドラゴンアゲートの力により時間操作系の魔法を使える俺に対抗できるかは謎だが…。
アレだって万能というわけでは無い。

コントロールは難しいし、色々と制約はある。

勿論、再利用する為のインターバルもある。
その為にドラゴンアゲートの力はそれこそ本当の最終手段なのだ。

と言うわけで、俺の手札を改めて整理してみよう。

メインウエポン、インフィニティブレード。
その名の通り、刃物であれば自在に形を変え、そしてその数も魔力の限り増やすことができる俺の剣。
生身で戦うときも基本はこいつを使う。

次にクリスタル原石のネックレス。
サソリといばらのシルバーリングとワイヤーを使って作っているこいつ。
これも、ダークエルフの都で同じ形の魔鉄鋼製のリングを作ってもらい、魔鉄鋼のワイヤーでリメイクしている。
それ以降は7色に発光するようになった。
こいつを使えば敵の動きを未来視する事が出来る。
そして、サソリ部分は変形してガントレットにする事もできる。
主に雷帝後に使うサブウェポンの1つ。

蒼焔帝のネックレス。
インフィニティブレードと組み合わせて、属性を持つ炎の剣を生成したり敵の攻撃を受けてそのままカウンター攻撃で返せるガントレットになったり、雷帝のように鎧を纏ったり出来る。
こいつもダークエルフの都で手に入れた龍の鱗から作られたしなやかで軽い革紐に付け替え、レジン部分に魔鉄鋼の端材を少し入れてオルゴナイト風にしてみた。
結果として、こいつもめちゃくちゃパワーが増して使いやすくなった。

そして切り札のドラゴンアゲートのブレスウォッチ。
いつのまにか宿っていた次元龍の力を借り受け、時間操作系の力や空間転移などの時限魔法を行使できる。
こいつも所々に使って居たロンデルと、ブレスレット部のチェーンを魔鉄鋼製にアップデートしている。
流石に元々の力が強大だからこいつはアップデート後の試運転はして居ない。
ガチでやばい時しか使えない切り札の1つだ。

んで、最後に雷帝のネックレス。
俺のメインウエポンその2とも言える存在。
俺をヒーローへと昇華させた力だな。
これも魔鉄鋼製にアップデートした事で今までのリスクは全てなくなった。
初めて使った時に起こった暴走時のような本来の力を完全に引き出せる。
雷光の速度での高速移動に飛行。
こいつは大賢者のブレスによる補助能力により、人間の脳みそでも安全に行えるようになった。
以前は流石に光速なんて速すぎてろくに目で追えなかったしな。
そもそもそんな速度で移動すれば、当然それだけでソニックブームが起きる。
雷蛇パンチや雷蛇キックはソニックブーム+雷+光速と言うもので相手をぶちのめす必殺技だった訳だが、これもシルバーの鎧の時はフルパワーで使えば鎧が砕けるのは目に見えて居たのでだいぶ力をセーブして使って居た。
本当のフルパワーで戦えるのはかなりの強みだ。

言うなれば某戦闘民族が、大猿の力で4になった時並みに強いはず!

とまぁ、このように色々と今の状況と自分の戦力について頭の中で整理していたわけだが、何故こうも考え込んでいるのかと言えば答えは単純だ。

自分の力が恐ろしくなっているのである。

ついつい忘れがちだが、俺はほんの1ヶ月半前まではどこにでも居そうな28歳の冴えない会社員でしかなかった。
中肉中背の決してかっこいとは言い切れない見た目。
初めて出来た女に浮かれた挙句、身体だけ重ねてすぐ振られたような男。
そこから必死に自分磨きをしつつ、タロット占いで趣味として覚えたものを極めれば恋人ができると言われて、そして俺は今に至っている。

そう、俺は元々は本当にどこにでも居るようなただの人間だったんだ。
それが気がつけば、今は国を背負って戦う正義のヒーローになりかけている。
いや、なってしまっている。

背負うものも大きくなった。

守るべき命の数も増えた。

そして、人の身には有り余るほどの強大な力を手に入れてしまった。


今はその全てが恐ろしい。

この国に戻り、自分のために用意された部屋に戻り、冷静に今の自分の状況を振り返ったら俺は急に恐ろしくなってしまった。

身体が動くのを拒否するかのように震えて来てしまった。

俺はラノベや漫画の主人公みたいになって来てて、心の中で浮かれすぎて居た。
だが、冷静になれば考えるのをやめて居たことも考えると言うものだ。

これだけの力を正義の為に使ってるとは言えど、俺の事を人々が恐れない理由はない。

警察と同じだ。
彼らは正義だ。
過ちを犯すものを決して許さない。
それが仕事だからだ。

だが、自分が過ちと気づかずに過ちを犯し、それを咎められ力と権利と権力を行使されたら?
ほんの些細な罪を過去に犯していて、それを力を持つ正義の物に同じく咎められたら?

例え自分が何の過ちを犯してなくても恐ろしく見えてくるものなのだ。

武器を持つものが基本居ない世界で、彼らは人を殺せる武器を携帯している。
俺が今この人たちの前で何か過ちを犯せばこの人たちは俺を殺せるのだな…と何度か考えた事がある。
10代の頃にあまりにも絶望の淵に立って居た時に、彼らの前で過ちを犯して殺してもらおうなんて考えた事もある。

そして俺は今、いつの間にか殺せる側に回っている。

俺に対して、過ちを犯せば殺されると思う人間が現れて居ても既におかしくないのだ。
俺に殺される為に俺に直接刃を向けたり、俺の周りの人に危害を加えようとするものが現れてもそれもまたおかしくはない。

そう言う事をこの部屋に帰ってきてから、冷静になってずっと考えて居た。

呼吸が荒くなる、息が乱れる、心臓が脈打つ、頭がいたい、緊張と恐怖がぐるぐると俺の体の中を駆け巡る。

一体何なんだ。どうしてこうなった。どうしてこうなっている?
俺はただの冴えないおじさんだったはずだ。

俺は特撮番組とかの連中とは違う。
急にヒーローになってそれを易々と受け入れて2話目には何の疑いもなくヒーローやってるような人たちとは違う。

俺は…ただの30手前のおじさんだ。

なんで、自分の生まれ故郷でもない国の人達のために命張って戦ったり、簡単に人も世界も壊せる力を手にいれる必要があったんだ。

俺はどこで間違えた。

この世界での俺の生き方はこれで良いのか?
本当にこの世界で骨を埋めるような生き方で良いのか?

怖い怖い怖い怖い怖いっ…!

俺はいつか、この手で本当に人を殺めてしまうんじゃないだろうか…?
イフリーちゃんだって、何も言わないけどもう魔族としては生きられなくなっている…。
俺は彼女の人生を奪ってしまったんじゃないか?
彼女を殺してしまったも同然なのではないか?

ダメだ。考えるほど頭の中がぐるぐるしてくる…。
俺はさっきからこんな事を考えて居たんだったか?

異世界に転移したいとか、異世界でチーレムしてる創作物の中の主に10代の主人公たちは頭の中お花畑なのか?

普通はこうなるだろう!

女の子に囲まれるのは確かに嬉しいし男しては心が躍る。
だけど、それをいいことにみんなに手を出そうとは俺は思えない性格だ。
本当に女の子を性の対象ではなく、本気で愛しているなら自然とそうなるはずだ。

要するに、異世界転移してもすぐにその世界を受け入れて夢想したりハーレムしてる奴らってのは、自分がいる世界を現実と受け止めて居ないんだろう。
何処かしか、ゲームか何かだと思ってるんだろう。

危うく俺もそんな主人公の仲間入りをするところだった。

今まで命を脅かされる規模の大怪我を負った事が無かったから、多分調子に乗ってたんだろう。

10日も意識を失って、自分の身体が急激に衰えるような事になって初めて今の自分が置かれてる環境の恐ろしさを認識できた。

力を得たのも体を鍛え上げたのもすべて、無意識にその恐怖に対抗する為のものだ。

今ならあの某アメコミヒーローが恐怖のあまりにヒーロースーツを作りまくったのもわかる気がする。

強大な力を目の当たりにしたり、背負うものを認識すると確かにとてつもない恐怖に襲われるものだな…。

手が震える。手汗が止まらない。

俺はこの世界でずっとこうやって命がけでヒーローやり続けるつもりなのか…?
今は無双できてても、いつかは自分を超える敵が現れてもおかしくはない。

死ぬのは怖い。殺すのも怖い。
堕天使が俺の体を使って沢山の人間を殺した時なんて、最悪の気分だった。

人の心臓をえぐり、頭を風船のように撃ち抜いた。

俺の体が…。俺自身が…!

それはつまり、ああも容易く人の命を奪う事が俺にはできるって事だ。

こんな力をただのおじさんが持ってて良いのか…?

もう、戦うのは俺じゃなくても良いだろう。
現に彼女達は俺が居なくても戦い抜いた。

この力を力ある者に託して、俺は自分の居るべき世界に帰るべきなんじゃないのか本当は…。

俺がこの世界に来てしまったから、隣国は戦争を吹っかける為の準備をし始めたんじゃないのか…。

そうだ。俺は…この世界に居るべきではないんだ。

帰ろう。俺の世界に。
この世界でなら、手持ちのアイテムの力を使えば俺の世界へ帰るための力くらい使えるだろう…。

俺は関わりすぎたんだこの世界に…。
次元龍の力を使えば俺が居なかった場合の世界へと、時間軸をずらした上で消えることもできるだろう。

過去に俺が消えたときに世界がそうしたように…。

「ご主人様っ!!」

鍵をかけていたドアが蹴破られて少女が飛び込んでくる。

「どうしたんだ?何があったんだ?胸が凄く痛い…。ご主人様の中の恐怖が伝わってきて…苦しい…。」

俺が辛い時にこうやってすぐ心配して慰めて来て…。
随分と都合の良いヒロインだ。
俺にベタ惚れで可愛らしくてよく懐いてて愛らしくて…。
まるで、俺がこの世界に居るために用意されたかのようにすら思えてくる…。

「色々と…わからなくなってきたんだ。人を救う力と殺せる力を同時に手に入れて…、この国の命を背負うような規模の戦いにいつのまにか巻き込まれ始めていて…。
力を持つ俺を人々は確実に恐れるだろうなとか、今はこうやって生きてるけど、現に俺の魂には力の使い過ぎによる消耗を起こしていたり、アイツと同士討ちした時に10日も意識を失う事になったり…。
今まで、こうやって生きてきた事が不思議なレベルだったんだ…。
かと思えば、堕天使に体を奪われた時みたいに俺には人を簡単な殺せる力もある。
そもそも俺はこの世界に本当にいて良いのかとか色々と考えたら不安になってきたんだ…。
今の俺には…、みんなの事すら俺がこの世界にいる理由になるように都合よく用意された運命にすら思えて来て怖いんだよ…。
俺がこの世界に現れたことから何から全て、誰かの手の上のような恐怖が…この城に帰って来てからずっとこびりついて離れない…。
冷静になれば…、この世界に来てからの俺を取り巻く環境の急激な変化はおかし過ぎる…。都合が良すぎる…。
俺はほんの1ヶ月半前はただのしがない中肉中背の非モテのおじさんだったんだ。それなのに…。」

考えすぎて恐怖に震える俺を盗賊ちゃんは抱きしめる。

「ほんと…。考え過ぎなんだよアナタは…。考えすぎちゃうから余計な事まで考えて、それがそうかもしれないって錯覚に陥って自分で怖くなっちまうんだよ。
アナタのことを誰かが恐れるなら、怖くないよって教えてやれば良い。
死ぬのが怖いって思うのは普通のことだ。
だったら強くなれば良い。
誰かを殺してしまうかもしれないのが怖いって思うなら、そうならないように力を使えば良い。
そして、オレたちがご主人様のために都合よく用意された存在だったとしてもアナタに惚れてる以上は好きなだけ愛せば良いんだ。違うか?」
「わからない…。わからなくて…怖いんだ…。」

恐怖でまだ震えている俺をベッドに押し倒し、そのまま俺の唇を少女が塞ぐ。
何度も 激しく 塞いでいく。

「ぷはっ…。だったら…そんなの考えられないくらいにせめてオレの事で頭いっぱいにしてやるよ。」

服を脱ぎ始め肌を露わにしていく少女。
そしてそのまま俺を再び抱きしめる。

「いつものご主人様なら、目の前で自ら裸になろうものなら目を背けるか止めるかするのに今日は止めないんだな…。」
「ごめん…。本当に今、何をどうすれば良いかわからなくて…。何の気力も起こらないんだよ…。」
「ん…。そうか…。じゃあ今日はこのまま、裸のオレを抱きしめて寝ちまえよ。ほら、ご主人様も脱いじまえ。
母さんが言ってたぞ。裸で抱き合って眠ると、嫌なことや辛いこと、全部忘れられるって…。ぬ…ぬがすぞ…。」

盗賊ちゃんはベッドの中に俺を潜り込ませ、布団をかぶせると布団の中で俺の服を脱がせてくる。
心が疲れきってる俺には抵抗する気も起きない。

「一緒にお風呂とかは入って来たし、お風呂で裸で抱き合ってキスとかもしちゃったけど…。ベッドの中で裸同士になるって…こんなにドキドキするんだな…。
………。まだ…怖いのか…?ご主人様?」
「怖い…。怖いよ…。」

普段の俺なら間違いなく興奮するシチュだろうが、今はただただ恐怖しかない。

そんな俺を優しく嗜めるように、少女は俺をそのまだ膨らみかけの胸元で包み込むようにして抱きしめて、頭を撫でて寝かしつけてくれたのだった。
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