その辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

風呂桶之水源餅

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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第108話 ワイズマン・オキナ

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「ドラグーン…インストォォオルッ!」

オキナさんを強烈な光が包み込んで行く。
光はオキナさんの周りを渦巻くように包んでいく。

「さて、こんなもんか。
時間がかかってすまなかった。まだこの変身には慣れてねぇんだ。」

土煙をバサァッと羽織ったコートで払うと、土煙の中から黒いハットを被った白髪のお兄さんが現れた。
その人が羽織ってるコートの色は…。

「赤いコート…!オキナさんが…あの赤いコートの人…!?」
「顔は…色付き眼鏡でよく見えないにゃけど…。
でも、アイツ…ワイズマンとはまるで違うにゃ…、放ってるオーラも、力の流れも、何もかもが違い過ぎるにゃ…。
一言で言うなら強過ぎるにゃ…。
仮にあの人がワイズマンと同じ人としても力が禍々し過ぎると言うか…。」

若返ったオキナさんが身体をグーっと伸ばして関節をパキパキ鳴らしている。
準備運動といった感じだろうか。
一方魔王様はその様を手を出さずに見過ごしている。

「この姿になるのはダンジョンで俺に攻撃を仕掛けてきた壮年のおっさんと戦った時以来だな…。」
「どうだオキナよ。若返ったことで、少しは忘れてた記憶も思い出せたか?」
「まぁ…、ボケは多少マシになったかもしんねぇな。
さぁ、始めるか魔王ちゃんよ。」

刀を抜くような構えをスッとオキナさんが取る。
その後、刹那の一瞬で魔王様の腕が音もなく切り飛ばされる。

「おい、遊んでんのかテメェ。ただの木刀で腕を切り飛ばされるほどヤワじゃねぇだろ魔王ちゃんよ。」
「あぁ、油断していた。その姿と力に見惚れ過ぎていてついうっかりしてしまったわ!」

切り飛ばされた腕が灰になって消滅し、そのまま再び魔王様の腕として生えてきた。
さすが魔王様というか、やっぱり格が違う…。

「来な。俺はテメェと遊んでやるつもりでここに着いてきてやったんじゃねぇんだぜ?」
「良いのか?では、殺しに行くぞ?」
「何度も言わせんじゃねぇ。来な。」

オキナさんの挑発に対して、魔王様はその姿を黒い大きなドラゴンにへと変貌させていく。
その姿に変身した事による威圧感だけで、私たちは動けなくなる程の強烈な圧を感じる。
それを目の前にしても平然としているオキナさん。
そして、私の隣で冷や汗を流しているギルマスさん。
この2人の対比からも如何にオキナさんが異常かが伝わってくる。

「ありえないにゃ…。歴戦の冒険者でもこの魔王覇気の中であそこまでケロッと出来るのは稀にゃ…。私ですら冷や汗が止まらないほどの覇気なのに何故平然としてられるのにゃ…?」

ドラゴンに変身した後更にその姿を人に近い姿へと戻していく魔王様。
最終的に、顔以外はほぼドラゴンのような、まるで竜騎士とでもいうような見た目に変身した。

「ふふふ、待たせたな。妾もこの姿への変身は久し振りなのだ。」
「あぁ、そうか。じゃ、やるか。」

そうオキナさんが呟くと、ものすごい速度で2人がぶつかり合う。
少なくともオキナさんの動く速度は完全に人の域を超えてるように見えた。

「ククク…。まったく、魔王様も人が悪い…。
こんな覇気を惜しげもなく放っていたら民が息絶えてしまいますよ。」
「今度はベヒーさん!?何の気配もなく湧いてきますね貴方たち…。」
「人を害虫のように言わないでください。まぁ、これだけの覇気が急に放たれれば私とて湧いて出てきますよ。結界を張らなければ貴女くらいなら数秒で酸欠ですよ?
いやぁ、それにしてもあのおじいさん、ほんと素晴らしいですね。
紛い物として始末しようと最初は思っていましたが、これはなかなか…。
本物よりも本物以上と言うところでしょうか。
力の使い方にまさに年季を感じますねぇ…。」

魔王様の拳が何度もオキナさんの剣に流されていく。
オキナさんは反撃をすることもなく受けては流しを繰り返しているだけだ。

そう、まるで本気を出していない。

手の内を見てるような感じなのだ。

「どうした?こんなもんじゃねえだろう。こう、○○波!とか〇〇砲!とかそんな感じのぶちかましてきたらどうだ?」
「ふん、吐かすではないか!死んでも後悔するでないぞ!」

魔王様は手を大きく横に広げると、黒い球体を生成し、それを拳の力でオキナさん目掛けて放つ。

「はぁ…。魔王っつーから期待した俺がおかしかったのか?」

バックステップで軽く距離をとったと思ったその瞬間、まるで雷が落ちたかのような速度と轟音と共に魔王様の放った攻撃を打ち消して、オキナさんは魔王様の首筋に剣を突き立てた。

「おい、手の内は終ぇか?」
「おいおいおいっ!なぜこれを剣撃だけで打ち消せる!?
ワイズマンですら雷帝の力を使わなければ打ち消せなかったぞ!?」
「みてぇだな。」

オキナさんは首に突き立てた剣を一度懐にしまうような動作をして、それから大きく一振りして見せる。

「剣義、禍断(マガタチ)」

途端、魔王様の体を覆っていたドラゴンの鎧のようなものが一瞬で消し飛び、魔王様は全裸の少女の姿へと戻っていった。

「おっと…、悪りぃな。」

オキナさんは全裸になった魔王様に赤いコートを羽織らせた。

「で、どうすんだ?まだやるか?俺は圧倒的な強さってやつを見せつけてやったつもりだが。」
「そうか…。いや、驚いたぞ。妾もこの15年で力を増していた筈だが、こうも容易く一瞬で砕かれようとはの…。」

魔王様が魔力で服を生成し直し、コートをオキナさんにバフっと投げつけて返した。

「妾の負けだ。認めよう。お前の配下に下る。」
「そうか。じゃあ可愛らしいポーズで媚びてみやがれ。
気に入ったら配下にしてやるよ。」
「なっ!!き、きさま!そんな約束はしておらんぞ!!」
「やらねぇなら、お前みたいな配下はいらねぇよ。
つーか、はなっからそんなもん興味はねぇ。
俺はこの力を試したかっただけだからな。
なるほど、大体わかった。」

2人の戦いが終わったのを見届けて、私とリイヴェルはオキナさんにかけよった。
やっぱりこの人は…。

「ケッ…。だからこの姿にゃなりたくなかったんだよ。
要らぬ期待をさせかねやしねぇからな…。
さて…どっから説明してやるかね…。」
「オキナさん!やっぱりオキナさんは…!」
「それ以上言うな。俺はお前らの父親でもなけりゃあ、お前らを助けた赤いコートの男でもねぇ。
ったく…。ほんとどう言う嫌がらせの冗談だ…。
はぁ…。仕方ねぇか…。
ゆっくり俺の事を嘘抜きで話してやるから、ロイヤルナイツの奴らを集めておけ。
どうせ、お前は勘が鋭そうなお前さんの事だから、俺の嘘の一部くらいは見抜いてやがんだろ?」
「やっぱり、記憶の欠落があるって言うのは…。」
「ジジィだからな。全部が嘘じゃねぇがこうやって若返ればそうでもなくなる。この姿に戻ってる間なら色々とおもいだせるみてぇだ。
そこの壮年のおっさんとやり合った時は最後の数分だけこの姿になっただけだったんでな。全部の記憶を思い出す余裕がなかっただけだ。」

オキナさんがギロリとベヒーさんを睨みつけた。

「ほう…。なるほどなるほど…。私が魂の色を見れることを知った上でここまで教えてまで頂けますか…。」
「おっさん、テメェは俺の記憶も読み取れんだろ?
前回戦った時は、そもそも記憶をまだ思い出してなかったからな。
読み取るものがなけりゃ読み取れなかったろうが、今なら全部読み取れただろう?」
「えぇ、見させて頂きましたよ。
クク、なるほどねぇ。貴方が力を使える理由、その驚異的なまでの力の強さ、その他もろもろ全て合点が行きました。
さて、お茶会はどこで致しましょうか?」
「そりゃオメェ、街で一番プリンが美味いカフェだろうが。」
「貴方なら、そう言うと思いましたよ。
ではロイヤルナイツの皆様を迎えに行きましょうかね。」

そう言ってベヒーさんは転移魔法を発動させ、私たちの前から姿を消した。

「にゃ?にゃ?どゆことにゃ??アンタはワイズマンではないのにゃ??」
「後でゆっくり話してやるっつったろ猫娘。案内しろ。
プリンの美味い店。」

そして私たちは、15年前にお父さんがこの世界に来てお気に入りだったと言うお洒落なカフェと向かっていった。

「そういえばオキナさん、おじいさんの姿には戻らないの?」
「戻るのも魔力を使うからな。後、この後の話にも関わるから今はこの姿で良いんだよ。
えーと、嬢ちゃん…じゃねぇなリィンとリィヴェルだったか…。
お前らには特に残酷な話になるかもしれねぇ。
俺はお前らのお父さんじゃねぇ事は何度も言ってるが、その上で残酷な現実を俺はお前らに聞かせなきゃならねぇかもしれねぇんだ。聞く覚悟はあるか?」
「貴方がお父さんじゃないなら、お父さんとどう言う関係のある人なのか…。そこはちゃんと聞いておきたい。
覚悟は…出来てないけど、頑張って受け入れる…。」
「そうか…。オメェも俺の娘じゃない筈だがよく似てやがるな。」

オキナさんは優しく微笑んで私の頭をくしゃくしゃと撫でると席について全員分の注文を取り始めた。

「さて、あとはメンツが揃うのを待つだけだな…。」

最も席数の多い屋上テラスの席へと移動して貸切状態にしてもらった所で、ベヒーさんが転移魔法でゾロゾロと歴戦の英雄とも言うべきロイヤルナイツの面々を連れてくる。

「おう…なんかみんな久し振りだな…。お?そこの嬢ちゃんたちは…ワイズマンとヴェルデの娘さんか?いやぁ、綺麗にそだったなぁっていでっ!いでででだだだっ!」
「アルバ。この子達をそう言う目で見るのやめてくれますか?」
「わーった!わーっだからその手を離せラルカ!ってて…。」

アルバさんとラルカさん、この2人も私たちから見てるとなんだかんだお似合いだけど未だに結婚してないんだよなぁ…。
元々はお父さんの敵だったとか名コンビだったとか聞いたことあったけど…。

「いきなりこんなところに呼び寄せて何を話そうと言うんだ?」
「ノワールさん、貴方もお久しぶりですね。
元気してたようで何よりです。」

ノワールさん、この人もお父さんと同じような力を作り出せる異世界からの転生者だったとか…。
今は別名:甲虫皇帝【インセクトカイザー】なんて呼ばれてるとかなんとか…。

「おう、知らない顔も含めて全員揃ったみてぇだな。
さて、ネタバラシと行くか。
俺の正体とワイズマンが遺した残酷な遺書の内容についてをよ。」
「ダンナは‥ダンナは死んでねぇ!!バカなこと言うならお前を叩き殺すぞ!」
「落ち着けよ盗賊ちゃんよ。」
「その呼び方で気安くオレを呼ぶな!そう呼んで良いのは‥ダンナだけだ!」
「そうか、それは悪かった…。
まぁ、とりあえず話を始めるぞ。」

そう言うとオキナさんはハットを脱ぎ、メガネを外した。

その姿はまさに私たち2人を除いて誰もがよく知る人物だった。

「バカな…その顔は…。おいおい…どう言うことだ?」
「落ち着け執事野郎。今からそれを話すって言ってんだろうが。
ああ、そうだ。
この顔はお前らの知る28歳の頃の俺と同じ顔だ。
まぁしかしこれどう説明したもんか…。
俺はワイズマンなのは間違いないかもしれねぇが、オメェらの知るワイズマンとは別人だ。
それはそこの壮年のおっさんが証明してくれたな。」

そう、ベヒーさんが言うにはオキナさんは私たちのお父さんと全然違う魂の色をしていると言う話だった。
だけども、オキナさんは今度は自分をワイズマンと言い出した。

「良いか?落ち着いてよく聞けテメェら。
ちーっと頭を使う話だ。まず俺の正体を言おう。
少し簡単に言うなら…、俺は【この世界にこなかった方のワイズマン】なんだよ。

28年間の人生だけはこの世界にいたワイズマンと同じだったとも言えるだろう。

その先は全く違う人生を生きている。
そんで78歳でその人生を終えた。

そう、この魔道書から出てきたのは俺が生きてる時に作ってきたアクセサリー達さ。
そして俺が死ぬ直前の姿だな。
だから、この世界のワイズマンのそれより50年分経年劣化してたのさ。

ここまでは理解したか?」
「ダンナだけど…ダンナじゃない…?」
「あぁ…クソ…そんな悲しい顔をするな…。
ちっくしょう…本当に残酷な事を俺に託しやがったな…この世界の俺は…。
どこまで予想してたのかしらねぇが、ワイズマンはこの本を通して俺に力と記憶を託した。
この世界を生きていた側の俺…いや、この世界側のワイズマンと言うべきか?その自分の記憶をな…。
そんで、俺に託した遺言は…。
【この世界から消えた俺に成り代わってくれ】
っつー訳だったんだよ。
色々と悩んだよ。オメェらに会うまではな。」

お母さんが声をあげて泣きだしてしまう…。
私たちも予想以上の話にもはやどう反応すれば良いのかわからない。

オキナさんはお父さんと同じ人間だけど、私たちのお父さんじゃない。

ここまでの会話から、この世界にこなかったオキナさんはお父さんの故郷でもある元の世界で別の人と結婚して、私たちとは違う娘さんの親なんだと悟った。

確かに、その事実はものすごく残酷な事実として私たちの胸に深々と突き刺さる。

「オメェら2人の父親を偽って、ヴェルデの旦那のフリをして、お前たちロイヤルナイツの長として帰還したあいつのふりをする事は簡単だった。
だが、俺はそんなこたぁしたくなかったんだよ。
たとえ俺自身の願いだとしてもそんなもんはクソ喰らえだ。
そんなことしたらいつかお前らを今のこの瞬間以上に悲しませちまう時が来るだろうと思ったからな…。

それに、俺の生前の嫁と子どもと孫たちにも悪いからな。

まぁそれ以前に、やっと先に死んだ嫁と会えると思って死んだらこのザマたぁな…。

ヘビィだぜ…。」
「正直オレは…嘘でもダンナのふりをして欲しかった…。
28年間はダンナと同じ人生を生きてきたアンタでも良い…。偽りでも良い…。ただいまってまた…昔のあの人みたいに優しく頭を…撫でて欲しかった…。
あんまりだろ…こんなの…あんまりすぎんだろ…。」

オキナさんはお母さんの元へ歩み寄ると背中を優しくぽんぽんと叩いてくれていた。

「悪りぃな…。この世界に来た俺が選んだ女でも、
俺はお前を抱きしめて慰めたりはできねぇ…。
俺の嫁にもお前の本当のダンナにも申し訳ねぇしな…。
今はこれで許してくれ…。」
「そっか…。アンタは確かに私の愛したダンナとは違うけど、本気で愛した人に一途なのはやっぱり一緒なんだな…。」

全員が最早お葬式とかお通夜ムードのような顔で誰にどう声を掛ければ良いかと言う空気になっている。
女性陣に至っては皆が涙を流しているこの状況。
はてさて、どうしようか。
私も今オキナさんをどう見れば良いのかわからなくて頭が混乱している。

「とりあえずだ。俺はこの世界のワイズマンじゃねぇ。
だから、オキナと名乗らせてもらった。
それでも俺をワイズマンとして扱うなら好きにしやがれ。」
「なるほどね…。しかし…その本が彼の遺書…とはね…。
本当に今、私たちはどんな顔をすべきかもわからないよ…。」
「だろうな。そもそも俺自身がこの本を見て頭を抱えたぐらいだ。
ったく…、この世界にいた俺は一体何を考えてやがったのか…。
実のところ、俺はまだこの本に残された、この世界の俺の記憶を取り込んじゃ居ねぇんだ。
取り込んだ場合、俺がどうなるかもわからなかったからな。」


そっか…。オキナさんにはオキナさんの大切な思い出がある…。
その思い出を、自分自身とはいえ別の記憶に全部置き換えられて失ってしまうことになったら…。

確かにそれは怖いし辛いことになりかねない…。

「まぁ、遺書…とは言っちまったが、今の段階ではこの世界の俺がどうなったのかはわからないっつーのも本音だ。
だが、この本はこの世界の俺が消えた後に、この世界にこなかった俺が訪れる事を想定して全てが作られていた。
可能性は0じゃねぇかも知れねぇ。
お前らのワイズマンを取り戻せる可能性はな…。」
「わかった。それじゃあ、私たちが次に目指す目的は…、オキナさんも失わずにお父さんを取り戻す方法を探す事!
それならどう?」
「どうってお前…。まぁなんつうかタフだな…。」

ポフポフとオキナさんが私の頭を撫でる。

「ほんと、半分は俺の娘じゃねぇのに俺の娘に良く似てやがる。この世界の風華って事か…。お前は…。」
「風華?」
「あぁ、俺の世界の娘の名前だ。
風華と愛華。お前らと同じ意味の名前だ。
風を意味するリーン、愛を意味するリーヴェ。
お前らの名前もそこからとってるんだろう?」
「そうだ。名付け親はこの私だがね。」

アズマさんが私たち2人を抱きしめて優しく微笑む。
その姿を見てワイズさんがまた優しく微笑み返した。

「そうか…。本当に…良く似てやがる。」

ワイズさんがもう一度向けたその言葉は誰に対してなのだろう?と思いながら、私たちは次への目的を決めた。

お父さんを取り戻す手がかりを探す旅。

今ようやく、時が少し動き出す瞬間が訪れた。
そんな予感がしたのだった。
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感想 8

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みんなの感想(8件)

スパークノークス

お気に入りに登録しました~

解除
花雨
2021.08.11 花雨
ネタバレ含む
2021.08.13 風呂桶之水源餅

ありがとうございます!!そのままお気に入りのままでいられるよう更新がんばりますっ
( o°\ /)ノシ

解除
shiba
2019.08.03 shiba

清々しい程のチート×ハーレム展開ですが、それが良いのです(*'▽')

解除

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