ほしとたいようの診察室

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心と体

大海先生と診察

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「待ってたよ~、のんちゃん」


こんなに待たせてしまったのに、大海先生の口調は前回と変わらなかった。


「すみません、遅くなって……」


内科の診察もあって、外来診察時間は過ぎていた。けれど、大海先生はのんびりとした雰囲気を崩さない。


「大丈夫。今日は満月だからねぇ、帰れないんだ」


肩を回して、ストレッチする大海先生を、怪訝な顔で見つめてしまう。


「満月?」


「そう。本当に赤ちゃんいっぱい生まれるんだよ、満月の日は。不思議だよねぇ」


大海先生は、そう言いながら窓の外を見つめる。
外は日が暮れて、暗くなってきていた。
月はまだ出ていないけど、夕焼けが綺麗だったから、きっと綺麗な月が昇るんだろう。


「それより、体調の方はどうだったかな?」


大海先生がわたしの顔を覗き込む。

吹田先生に言われた通り、吐き気と腹痛がひどいことを伝えた。


「んー、そっか~。つらそうだね。薬、少し弱いのに変えてみようかな……。ちょっとベッドに横になれるかな?」


診察室のベッドに横になる。


「目の下みるよ~、うーん。顔色もあまりよくないね」


大海先生はわたしの下瞼を下げて、様子を見た。


「お腹、少し触っていくね。痛かったら言ってね」


左から右へ、ゆっくりと下腹部を押していく。


「ぅ、いっ……」


右側の下腹部に、痛みが走る。軽く抑えられているだけなのに、ぐっと痛みが出た。


「ごめんね、ここ痛い?」


声も出せずに頷く。


「わかった、ありがとう。ゆっくり起き上がってね」


大海先生はカルテにメモを取ると、わたしに向き直った。


「腹痛と吐き気が出るのは、薬が効いてる証拠だと思っていいよ。薬に慣れてくると、副作用はだんだん無くなっていくと思うんだけど……今回はとてもつらそうだから、薬を少し弱めておくね」


「すみません……」


どこまでも迷惑をかけ続ける自分の身体に嫌気がさしそうになる。


「謝らなくていいんだよ。始めたばかりだから大変だと思うんだけど、ここで踏ん張らないと後々がきつくなるんだよね、治療もよりつらいものになってしまう」


「つらいって……どうなっちゃうんですか……?」


これ以上つらくなるのはごめんだと思って、恐る恐る聞くと、大海先生はふっと笑顔を見せた。


「大丈夫、処方する薬をきちんと飲んでいれば、そうはならないから。もし、吐き気とか腹痛が変わらなかったら、いつでも相談してね」


「……わかりました」


「今日は薬出して終わりかな。また次回、ちょっと内側から子宮の様子確認していくことにするね。それで様子見ましょう」


「はい、ありがとうございました」






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