王女なのに虐げられて育った私が、隣国の俺様皇帝の番ですか?-または龍神皇帝の溺愛日記-

下菊みこと

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俺様皇帝

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お初にお目にかかる。俺はディニタ・ドラーゴ・アトランティデ。アトランティデの皇帝だ。皇帝となるにはやや早い歳だが、不幸にも父である前皇帝が崩御し、即位する運びとなった。本来なら亜人族特有の能力の覚醒も待たずに即位することはないのだが、残念ながら皇位継承権がある者の中で一番年上なのは俺だから仕方がない。皇位継承権は皇族の中でも男しか持たないからな。

さて、我がアトランティデだが、亜人族の治める国だ。この世界の中でもかなりの領土と兵力を持つ大国である。人族は基本的には平民とされる。我がアトランティデでは奴隷制は禁止されているので、人族にとっても住みよい国のはずだ。

さて、そんなアトランティデの皇帝である俺はいよいよ今日、覚醒を迎えた。覚醒が来るタイミングは自分でも分からず、人によってまちまちなのだが、皇帝に即位して数日のこの日に覚醒を迎えるとは、さすが俺。運がいい。さらに運がいいことに、俺は先祖返りらしい。皇族の中でも覚醒する者は少ない、龍神として覚醒した。これによって俺の皇帝としての地位は更に盤石になるだろう。

さて、覚醒してわかったことがひとつ。俺の運命の番は人族で、人族の治る小国の姫君のようだ。覚醒するとこんなこともわかるんだな。運命の番とは、その名の通り運命で結ばれた相手のことだ。まだ会ったこともない運命の番に惹かれて仕方がない自分に思わず笑う。さあ、運命の番に会いに行こう。
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