王女なのに虐げられて育った私が、隣国の俺様皇帝の番ですか?-または龍神皇帝の溺愛日記-

下菊みこと

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メランコーリッシュ、デートを楽しむ

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今日の私はニタと動物園デートをしています。私は初めて来る動物園にわくわくしています。とても楽しいです。

「ニタ、見てください!本物のキリンですよ!」

「見てるぞ。目がつぶらで可愛らしいな。はは、この体格で草食なのだから、凄いよな」

「はい、凄いです!あ、ご飯を上げることも出来るようですね!」

「やってみるか、シュシュ」

「はい、ぜひ!」

私とニタの手から食べ物を食べるキリン。面白くて楽しいです。

「あ!あっちには象が居ますね!」

「行ってみるか」

象の展示に行きます。象はちょうど美味しそうに餌を食べているところでした。

「わあ!豪快な食べ方ですね!」

「鼻を使って口元まで運ぶんだな。面白い」

面白いなあと思いながら見ていた私。そんな私に、ニタが突然手を繋いできました。

「ニタ?」

「せっかくのデートなんだ。たまにはいいだろう?」

「…もちろんです」

私は強くニタの手を握り返します。ニタはそれに笑顔を返してくれます。

「ニタ、今日は誘ってくれてありがとうございました。私、ニタのこと、とっても大好きです」

「シュシュこそ、一緒に来てくれてありがとう。俺も、シュシュのことが大好きだ。俺は何よりもシュシュが大切だ」

「ニタ…」

「シュシュ…」

ニタに頬に口付けされました。幸せです。

「さあ、では次はフクロウを見に行くか」

「ハシビロコウも見たいところですね」

ちょっとだけ頬の赤いニタに手を引かれて、鳥類の展示場に行きます。猛禽類は、その見た目の美しさからは想像も出来ないくらいに獰猛で激しい性格だと知りました。

「やっぱり生で見ると面白いですね」

「知らなかったことを知れるのは楽しいからな」

「ハシビロコウ、聞いていたより割と動きますね」

「面白いな」

こうして私達は、動物園デートを楽しんだのです。

ー…

今日の私とニタは水族館デートに来ています。初めての場所に思わず興奮してしまう私です。

「わあ!水族館ってこうなっているんですね!」

「ここのは他所より水槽が大きいな。魚達も自由に泳いでいて、面白い」

まず目に留まったのは、入り口付近の大きい水槽です。色んな魚が群れを成して泳いでいます。私にとっては新鮮な光景です。

「ニタ、こっちの通路では色んな魚や海の生き物が、小さく展示されるんですね!」

「可愛らしいが、こんな狭い水槽の中だとちょっと可哀想だな」

「あ、蟹…」

「…シュシュ、今美味しそうだと思っただろう」

「えへへ…」

「そういうことなら、ほら、海老もいるぞ」

「あ、本当!」

「お腹が空いたなら、あともう少し進めば飲食店もある。海の幸を堪能出来るから、食べに行こう」

「本当ですか!?楽しみです!」

はしゃいでしまう私にニタは微笑んでくれます。

「…ん、入り口付近の水槽よりも大きい水槽だな」

「大きいですね…」

通路を抜けると、まるで小さな海のようなとても大きい水槽が見えました。様々な生き物が思うように動いています。

「見てください!ウミガメです!」

「ん、愛らしいな。こっちに来たぞ」

ウミガメが私たちの方に寄ってきます。その姿はとても可愛らしいです。

「ふふ。ウミガメもニタのかっこよさに見惚れてますね」

「はは。シュシュの愛くるしさに見惚れているに決まってる」

「もう、ニタったら」

しばらく大きな水槽を楽しみ、次の展示に向かう。

「シュシュ。あっちのクラゲの展示場に行こう」

「はい、わかりました」

クラゲの展示場はクラゲの水槽以外真っ暗です。クラゲの水槽が幻想的に照らされて美しいです。

「シュシュ」

「はい」

「好きだ」

「私もニタが大好きです」

「愛してる」

ニタが私の髪にキスを一つ落とします。暗くて見辛いことが幸いですが、私の顔は真っ赤です。

「もう!ニタったら!」

「はは、可愛らしいシュシュが悪い」

こうして私とニタは、水族館デートを思う存分楽しんだのでした。
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