王女なのに虐げられて育った私が、隣国の俺様皇帝の番ですか?-または龍神皇帝の溺愛日記-

下菊みこと

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メランコーリッシュ、父親に会う

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「シュシュ。話がある」

「どうしました?ニタ」

ニタが真剣な表情で話しかけてきます。どうしたのでしょうか?

「お前の父親がお前と話したいと連絡を寄越してきた」

「お父様が…私と?」

嬉しいけれど、突然どうしたのでしょうか?今まであくまでもスペアとしてしか扱われず、こんな風にわざわざ連絡を取ってくれることなどなかったのに。

「おそらく俺とお前が上手くいっているから、お前を利用してアトランティデと友好を深めたいんだろう。どうする?お前の好きにして良いが」

ニタはあくまでも私の意思を尊重してくれるようです。でも、お父様が私を利用する気であるのならあまり会わない方がアトランティデにとっては良いのではないでしょうか?

「…シュシュ。俺はお前の意思を尊重したい。会いたいのなら、会ってもいいんだぞ」

ニタは本当に優しいです。そんなニタに、迷惑をかけるのは忍びないですが…やっぱり、一度ちゃんとお父様とお話したいです。

「ニタ…私、やっぱりお父様とお話してみたいです。…ちゃんと、お話したこともないままでは悲しいですから。良いですか?」

「ああ。もちろんだ。すぐに準備しよう」

「ありがとうございます、ニタ」

「気にするな」

優しく私の頭を撫でてくれるニタ。ほっとします。ニタはその後すぐに使いを出して、お父様に私と会わせると伝えてくれました。お父様は大層喜んでくれたそうです。

ー…

数日が過ぎ、お父様とお会いする日。どうしましょう。ドキドキしてきました。

「ニタ…いよいよお父様にお会い出来るのですね。なんだか不安になってきました」

「大丈夫か?…俺もついているから、恨み言も含めて言いたいことを全部言ってもいいからな」

「恨み言だなんて。お父様は私がこの歳になるまで塔に閉じ込めていたとはいえ、私を生かしてくれましたもの。今のニタとの幸せがあるのは、お父様が私を殺さないでくれたからです。目障りでしたでしょうに」

「シュシュ…そんな悲しいことを言わないでくれ」

ニタにきつく抱きしめられます。

「シュシュ。俺はパラディースの国王を正直許せない。お前への仕打ちはあまりにも酷いと思う。けれどお前がそれを許すというのなら、俺は何も言わない。それを決めるのはお前だから。ただ、お前はあの男を恨んでもいいんだ。罵倒したって誰もお前を責めやしない。…だから、無理して許すことないからな」

「ニタ…はい。ありがとうございます」

ニタが本当に私を思ってくれるのが伝わってとても安心します。ニタが居てくれれば、きっとお父様との初めてのお話も大丈夫。頑張ってきます!
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