41 / 55
メランコーリッシュ、春の便りを受け取る
しおりを挟む
今日もニタとシエルと一緒に中庭をお散歩します。積もる雪がとても綺麗な白銀の世界で、私は昼の便りを受け取りました。梅の開花です!まだ一つだけですが、白い花が綺麗に咲いています!
「見てください、ニタ、シエル!春の便りが届きましたよ!」
「ん?…ああ、風待草か。よく見つけたな」
「わん!」
優しく微笑み私の頭を撫でてくれるニタ。シエルは春の訪れを喜ぶように私の足元をぐるぐるとご機嫌に回ります。ふと、ウグイスの鳴き声が聞こえてきました。
「おや。春告鳥も鳴いているな」
「わん!わん!」
「まだまだ冬ですが、もう春が近づいているのですね…」
「シュシュと過ごす春、楽しみだな。花見をしよう。エイプリルフールも楽しもうな。イースターもいいな」
「行事が目白押しですね!今から楽しみです!」
「わん!」
「シエルも一緒に楽しもうね!」
「わふっ!」
春の便りを受け取った私はご機嫌で庭を進みます。シンビジウムやシクラメンも美しく咲き誇り、中庭は綺麗なお花で賑わっていました。
お昼になると、食卓にふきのとうのフライや明日葉の炒め物が並びます。食事でも春の兆しを感じられるのは、なんだかすごくいいなぁと思います。
「ニタ、ふきのとうですね」
「ああ。いよいよ春も近づいてきたな」
「まだまだ寒いですが、早く暖かくなるといいですね」
「そうだな」
春が今から楽しみです!
「そういえば、今日は午後からロロが来るぞ」
「そうなんですか?嬉しいです!」
「ああ。ロロに付き合ってやってくれ」
「もちろんです!」
ということで、昼食後にプーロ様とお会いします。
「ご機嫌よう、メランコーリッシュ王女!」
「ご機嫌よう、プーロ様!」
「そういえば、そろそろバレンタインデーが近いてきましたわね!」
「バレンタインデーですか?」
「ええ。大切な人に贈り物をする日ですわ!」
「素敵ですね…!」
「その様子ではニタ従兄様へのプレゼントもまだですわね?私のお抱え商人を呼びますから、一緒に選びますわよ!」
「はい!」
ということで、ニタには二十一本の薔薇の花束を用意しました。花言葉は「あなただけに尽くします」です。ちょっと照れちゃいますね。プーロ様には花型の可愛らしい入浴剤を買いました。ラットフィナート様には読書が趣味ということでしたので花の栞を買いました。喜んでくださるといいのですが。
ー…
バレンタインデーです!早速ニタに花束をプレゼントします!
「おはよう、シュシュ」
「おはようございます、ニタ。ハッピーバレンタインです!」
背中に隠していた花束をプレゼントすると、目を丸めるニタ。ふふ、ちょっと可愛いです。
「ありがとう、シュシュ。部屋に飾るな」
微笑むニタにホッとします。
「喜んでいただけて嬉しいです!」
「ああ。俺からも、プレゼントがあるんだ」
「なんでしょうか?」
「これ、よかったら」
ニタからプレゼントされたのは、丁寧に包装された箱。包装を解いてみると、宝石がふんだんに使われた薔薇のブローチでした。
「ニタ、ありがとうございます。すごく嬉しいです。毎日身につけますね」
「ああ。これには俺の魔法がかかっていて、毒物に反応するようになっているから。大切に持っていてくれ」
「毒物…ですか?はい、わかりました」
なぜそんな物騒な話になるのかはわかりませんが、ニタが言うなら肌身離さず持っていましょう。
「メランコーリッシュ王女!ニタ従兄様!ご機嫌よう!」
「皇帝陛下、メランコーリッシュ王女殿下、ご機嫌麗しゅう」
「おはようございます、プーロ様、ラットフィナート様」
「おはよう。来てくれたんだな」
「バレンタインデーですもの、当たり前ですわ!はい、ニタ従兄様には花の刺繍を入れたハンカチですわ。メランコーリッシュ王女とお揃いですわよ。はい、メランコーリッシュ王女もどうぞ」
「ありがとうございます、プーロ様」
「ありがとう、ロロ。ロロには最近流行りの劇のチケットだ。ナートにも同じものをプレゼントするから、二人で行ってこい」
「あ、これ見たかった劇!ありがとうございます、ニタ従兄様!」
「皇帝陛下、ありがとうございます。僕からはお菓子の詰め合わせです」
「ありがとう、ナート」
「プーロ様、よかったらこれ、入浴剤なんですけど受け取ってください」
「まあ!センスがいいですわね。ありがとう、メランコーリッシュ王女」
「ラットフィナート様にはこちらを」
「ありがとうございます、メランコーリッシュ王女殿下。僕からは茶葉の詰め合わせをどうぞ」
「ありがとうございます、ラットフィナート様」
こうしてバレンタインデーも楽しく過ごしたのでした。
「見てください、ニタ、シエル!春の便りが届きましたよ!」
「ん?…ああ、風待草か。よく見つけたな」
「わん!」
優しく微笑み私の頭を撫でてくれるニタ。シエルは春の訪れを喜ぶように私の足元をぐるぐるとご機嫌に回ります。ふと、ウグイスの鳴き声が聞こえてきました。
「おや。春告鳥も鳴いているな」
「わん!わん!」
「まだまだ冬ですが、もう春が近づいているのですね…」
「シュシュと過ごす春、楽しみだな。花見をしよう。エイプリルフールも楽しもうな。イースターもいいな」
「行事が目白押しですね!今から楽しみです!」
「わん!」
「シエルも一緒に楽しもうね!」
「わふっ!」
春の便りを受け取った私はご機嫌で庭を進みます。シンビジウムやシクラメンも美しく咲き誇り、中庭は綺麗なお花で賑わっていました。
お昼になると、食卓にふきのとうのフライや明日葉の炒め物が並びます。食事でも春の兆しを感じられるのは、なんだかすごくいいなぁと思います。
「ニタ、ふきのとうですね」
「ああ。いよいよ春も近づいてきたな」
「まだまだ寒いですが、早く暖かくなるといいですね」
「そうだな」
春が今から楽しみです!
「そういえば、今日は午後からロロが来るぞ」
「そうなんですか?嬉しいです!」
「ああ。ロロに付き合ってやってくれ」
「もちろんです!」
ということで、昼食後にプーロ様とお会いします。
「ご機嫌よう、メランコーリッシュ王女!」
「ご機嫌よう、プーロ様!」
「そういえば、そろそろバレンタインデーが近いてきましたわね!」
「バレンタインデーですか?」
「ええ。大切な人に贈り物をする日ですわ!」
「素敵ですね…!」
「その様子ではニタ従兄様へのプレゼントもまだですわね?私のお抱え商人を呼びますから、一緒に選びますわよ!」
「はい!」
ということで、ニタには二十一本の薔薇の花束を用意しました。花言葉は「あなただけに尽くします」です。ちょっと照れちゃいますね。プーロ様には花型の可愛らしい入浴剤を買いました。ラットフィナート様には読書が趣味ということでしたので花の栞を買いました。喜んでくださるといいのですが。
ー…
バレンタインデーです!早速ニタに花束をプレゼントします!
「おはよう、シュシュ」
「おはようございます、ニタ。ハッピーバレンタインです!」
背中に隠していた花束をプレゼントすると、目を丸めるニタ。ふふ、ちょっと可愛いです。
「ありがとう、シュシュ。部屋に飾るな」
微笑むニタにホッとします。
「喜んでいただけて嬉しいです!」
「ああ。俺からも、プレゼントがあるんだ」
「なんでしょうか?」
「これ、よかったら」
ニタからプレゼントされたのは、丁寧に包装された箱。包装を解いてみると、宝石がふんだんに使われた薔薇のブローチでした。
「ニタ、ありがとうございます。すごく嬉しいです。毎日身につけますね」
「ああ。これには俺の魔法がかかっていて、毒物に反応するようになっているから。大切に持っていてくれ」
「毒物…ですか?はい、わかりました」
なぜそんな物騒な話になるのかはわかりませんが、ニタが言うなら肌身離さず持っていましょう。
「メランコーリッシュ王女!ニタ従兄様!ご機嫌よう!」
「皇帝陛下、メランコーリッシュ王女殿下、ご機嫌麗しゅう」
「おはようございます、プーロ様、ラットフィナート様」
「おはよう。来てくれたんだな」
「バレンタインデーですもの、当たり前ですわ!はい、ニタ従兄様には花の刺繍を入れたハンカチですわ。メランコーリッシュ王女とお揃いですわよ。はい、メランコーリッシュ王女もどうぞ」
「ありがとうございます、プーロ様」
「ありがとう、ロロ。ロロには最近流行りの劇のチケットだ。ナートにも同じものをプレゼントするから、二人で行ってこい」
「あ、これ見たかった劇!ありがとうございます、ニタ従兄様!」
「皇帝陛下、ありがとうございます。僕からはお菓子の詰め合わせです」
「ありがとう、ナート」
「プーロ様、よかったらこれ、入浴剤なんですけど受け取ってください」
「まあ!センスがいいですわね。ありがとう、メランコーリッシュ王女」
「ラットフィナート様にはこちらを」
「ありがとうございます、メランコーリッシュ王女殿下。僕からは茶葉の詰め合わせをどうぞ」
「ありがとうございます、ラットフィナート様」
こうしてバレンタインデーも楽しく過ごしたのでした。
11
あなたにおすすめの小説
役立たずのお飾り令嬢だと婚約破棄されましたが、田舎で幼馴染領主様を支えて幸せに暮らします
水都 ミナト
恋愛
伯爵令嬢であるクリスティーナは、婚約者であるフィリップに「役立たずなお飾り令嬢」と蔑まれ、婚約破棄されてしまう。
事業が波に乗り調子付いていたフィリップにうんざりしていたクリスティーヌは快く婚約解消を受け入れ、幼い頃に頻繁に遊びに行っていた田舎のリアス領を訪れることにする。
かつては緑溢れ、自然豊かなリアスの地は、土地が乾いてすっかり寂れた様子だった。
そこで再会したのは幼馴染のアルベルト。彼はリアスの領主となり、リアスのために奔走していた。
クリスティーナは、彼の力になるべくリアスの地に残ることにするのだが…
★全7話★
※なろう様、カクヨム様でも公開中です。
【完結】すり替わられた小間使い令嬢は、元婚約者に恋をする
白雨 音
恋愛
公爵令嬢オーロラの罪は、雇われのエバが罰を受ける、
12歳の時からの日常だった。
恨みを持つエバは、オーロラの14歳の誕生日、魔力を使い入れ換わりを果たす。
それ以来、オーロラはエバ、エバはオーロラとして暮らす事に…。
ガッカリな婚約者と思っていたオーロラの婚約者は、《エバ》には何故か優しい。
『自分を許してくれれば、元の姿に戻してくれる』と信じて待つが、
魔法学校に上がっても、入れ換わったままで___
(※転生ものではありません) ※完結しました
女嫌いな騎士が一目惚れしたのは、給金を貰いすぎだと値下げ交渉に全力な訳ありな使用人のようです
珠宮さくら
恋愛
家族に虐げられ結婚式直前に婚約者を妹に奪われて勘当までされ、目障りだから国からも出て行くように言われたマリーヌ。
その通りにしただけにすぎなかったが、虐げられながらも逞しく生きてきたことが随所に見え隠れしながら、給金をやたらと値下げしようと交渉する謎の頑張りと常識があるようでないズレっぷりを披露しつつ、初対面から気が合う男性の女嫌いなイケメン騎士と婚約して、自分を見つめ直して幸せになっていく。
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
追放聖女35歳、拾われ王妃になりました
真曽木トウル
恋愛
王女ルイーズは、両親と王太子だった兄を亡くした20歳から15年間、祖国を“聖女”として統治した。
自分は結婚も即位もすることなく、愛する兄の娘が女王として即位するまで国を守るために……。
ところが兄の娘メアリーと宰相たちの裏切りに遭い、自分が追放されることになってしまう。
とりあえず亡き母の母国に身を寄せようと考えたルイーズだったが、なぜか大学の学友だった他国の王ウィルフレッドが「うちに来い」と迎えに来る。
彼はルイーズが15年前に求婚を断った相手。
聖職者が必要なのかと思いきや、なぜかもう一回求婚されて??
大人なようで素直じゃない2人の両片想い婚。
●他作品とは特に世界観のつながりはありません。
●『小説家になろう』に先行して掲載しております。
婚約破棄された令嬢、教皇を拾う
朝露ココア
恋愛
「シャンフレック、お前との婚約を破棄する!」
婚約者の王子は唐突に告げた。
王太子妃になるために我慢し続けた日々。
しかし理不尽な理由で婚約破棄され、今までの努力は水の泡に。
シャンフレックは婚約者を忘れることにした。
自分が好きなように仕事をし、趣味に没頭し、日々を生きることを決めた。
だが、彼女は一人の青年と出会う。
記憶喪失の青年アルージエは誠実で、まっすぐな性格をしていて。
そんな彼の正体は──世界最大勢力の教皇だった。
アルージエはシャンフレックにいきなり婚約を申し込む。
これは婚約破棄された令嬢が、本当の愛を見つける物語。
【完結】精霊姫は魔王陛下のかごの中~実家から独立して生きてこうと思ったら就職先の王子様にとろとろに甘やかされています~
吉武 止少
恋愛
ソフィアは小さい頃から孤独な生活を送ってきた。どれほど努力をしても妹ばかりが溺愛され、ないがしろにされる毎日。
ある日「修道院に入れ」と言われたソフィアはついに我慢の限界を迎え、実家を逃げ出す決意を固める。
幼い頃から精霊に愛されてきたソフィアは、祖母のような“精霊の御子”として監視下に置かれないよう身許を隠して王都へ向かう。
仕事を探す中で彼女が出会ったのは、卓越した剣技と鋭利な美貌によって『魔王』と恐れられる第二王子エルネストだった。
精霊に悪戯される体質のエルネストはそれが原因の不調に苦しんでいた。見かねたソフィアは自分がやったとバレないようこっそり精霊を追い払ってあげる。
ソフィアの正体に違和感を覚えたエルネストは監視の意味もかねて彼女に仕事を持ち掛ける。
侍女として雇われると思っていたのに、エルネストが意中の女性を射止めるための『練習相手』にされてしまう。
当て馬扱いかと思っていたが、恋人ごっこをしていくうちにお互いの距離がどんどん縮まっていってーー!?
本編は全42話。執筆を終えており、投稿予約も済ませています。完結保証。
+番外編があります。
11/17 HOTランキング女性向け第2位達成。
11/18~20 HOTランキング女性向け第1位達成。応援ありがとうございます。
【完結】美人な姉と間違って求婚されまして ~望まれない花嫁が愛されて幸せになるまで~
Rohdea
恋愛
───私は美しい姉と間違って求婚されて花嫁となりました。
美しく華やかな姉の影となり、誰からも愛されずに生きて来た伯爵令嬢のルチア。
そんなルチアの元に、社交界でも話題の次期公爵、ユリウスから求婚の手紙が届く。
それは、これまで用意された縁談が全て流れてしまっていた“ルチア”に届いた初めての求婚の手紙だった!
更に相手は超大物!
この機会を逃してなるものかと父親は結婚を即快諾し、あれよあれよとルチアは彼の元に嫁ぐ事に。
しかし……
「……君は誰だ?」
嫁ぎ先で初めて顔を合わせたユリウスに開口一番にそう言われてしまったルチア。
旦那様となったユリウスが結婚相手に望んでいたのは、
実はルチアではなく美しくも華やかな姉……リデルだった───
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる