エステル家のお姫様は、今日も大切に愛される。

下菊みこと

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一件落着?

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「…とりあえず、人狼は片付けた。これで三日月教の集落は平和になるな」

「ご協力を感謝しよう、来訪者よ」

「礼なら俺の天使に言ってくれ。あの子が居なければ俺は三日月教の肩は持っていない」

「そうだな。天使の回復した暁には、改めて礼を言わねばなるまい」

アーベントはそう言ってから、もう一度伏した人狼達の死骸を見つめる。

「…嬉しかったのだ。かつて奉仕種族でしかなかった人狼達が、これほどの力を持ち魔族内でも地位を上げていく。その様は、かつて主人であった我らにとっても誇らしかった。嬉しかったのだ、本当に」

「そうかい」

「敵対視されていることは気付いていたが、その反骨心でより高みを目指して欲しいと思っていた。もっと早く、対話を試みるべきだったのだな…」

「…まあ、上にいる奴らには下の者達はあまりよく見えないのさ。俺も魔導を極めていく中で、そういう経験を何度もした」

「そうか。それは…虚しいものだな」

アーベントの言葉に、ジェイドは小さく頷く。

「こちらが手を差し伸べたつもりでも、バカにしているとキレられたり。そんなすれ違いはしょっちゅうある」

「ふむ」

「だから俺は、いつも下の奴らに言ってるんだ。〝俺は天才だから、お前らとは感覚がずれてる。文句があればはっきり言え。そうじゃないと俺には伝わらない。伝わったら、改善するよう努力する〟それだけでも、だいぶマシになった」

「…」

「三日月教の奴らとは、上手くやれよ」

ジェイドなりのアドバイスに、アーベントは深く頭を下げて返した。

「…で、こいつらどうする」

ジェイドの視線の先には、星見教の狂信者。

「うむ。…人間の裁き方は我には分からぬ。任せても良いだろうか」

「え?マジか。…んー、どうすっかなぁ」

ジェイドは小さく唸るとある魔道具を起動した。すると、拘束具が現れ星見教の狂信者達を拘束した。

「とりあえずこれでよし。…あとは、ナハト達集落の人間達に任せようぜ」

「なるほど。わかった、そうしよう」

そしてジェイドは結界内のジャンヌに合図を送る。結界が解除されると、ジェイドは拘束された星見教の狂信者達をナハト達集落の人間のど真ん中に投げ込んだ。

「あんた達、星見教の狂信者達に色々されたんだろう。処遇は任せる」

「…」

集落の人間達は、口々に思いつく刑を囁き合う。

「ふむ。であれば一人残らず処刑じゃの」

しかし、族長の言葉で皆が静まり返った。

「ぞ、族長」

「我らは彼らに家族を殺された。報いは受けてもらわねばならぬ。…が、それは心優しき天使殿のが帰ってからにしよう。彼女には刺激が強すぎる。…それでいいだろうか」

「ああ、後はそちらで決めてくれればいい。アンリエットさえ巻き込まれないならな。な、ジャンヌ」

「はい、同意です」

ということで、星見教の狂信者達の処遇は決まった。
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