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新しい侍女
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お兄様に連れられて本邸に来て、ベッドに寝かされた後。お兄様は別邸の使用人達や家庭教師の先生に話があるから、と私の新しい侍女を紹介して早々に部屋を出ていかれました。ちょっと寂しいですが、お兄様は忙しいから仕方がありません。
新しい侍女はナタリア・ファルマンさん。ナタリーと呼ばせてくれるそうです。伯爵家の四女だそうです。年の頃は私に近いので、楽しくお話が出来そうです。前々からお兄様から私のお話を聞いていたそうで、ずっと会いたかったと言ってくれました。
「お嬢様、改めてこれからよろしくお願いしますね」
「はい、よろしくお願いします」
「お嬢様はどんな食べ物がお好きですか?」
「私は…そうですね。お肉全般が好きです。あまり出ませんが、ジビエもいけます」
「あら、意外ですね。そんなに細っそりしていらっしゃるのに」
「ふふ。食べる量は制限されていましたから」
私がそう言うと、ナタリーは私を見つめて私の両手をガシッと掴み言いました。その瞬間びくっと身を竦めてしまいましたがナタリーは気にする様子はありません。良かったです。
「お嬢様!これからは好きなものを好きなだけ食べましょう!おかわりも自由にしましょう!大丈夫です!太り始めたら忠言致しますから、ね!」
「は、はい…?」
勢いに押されてとりあえず頷きます。
「ちなみにナタリーはビーフシチューが好きです」
「分かります!とっても美味しいですよね!」
「はい!」
「私は肉全般の他にはチョコレートが好きです。ホットチョコレートを飲むと一日の疲れが吹き飛びます」
「ああ、分かります!あれは優しいお味ですものね!」
「もちろんチョコレート菓子やチョコレートケーキも好きです。フォンダンショコラとか最高です」
「お嬢様ー!私もフォンダンショコラ大好きですー!」
そんな会話をしながら、ふと思い出します。たしかに別邸では暴言や暴力を振るわれましたが、みんな仕事はきちんとしてくれていたなぁと。身の回りの世話もしてくれていましたし、教養も身につきましたし、食事やおやつも美味しかったです。そういえば、別邸では庭師とシェフからは嫌がらせも受けませんでしたね。そもそも会うこともなかったですし。お兄様、お話があると言ってましたがみんな仕事はきちんとしてくれていたとお伝えしておいたほうが良かったでしょうか?
「あの、ナタリー」
「どうかいたしましたか?お嬢様」
「お兄様がね、別邸の使用人達にお話があるとおっしゃっていたでしょう?」
「はい、そうですね」
「別邸の使用人達は私に対してすごく意地悪だったけど、仕事はきちんとしてくれていたなぁと思って。お兄様にそれをお伝えしたほうが良かったでしょうか?」
ナタリーが何故か目を見開いています。どうかしたのでしょうか?
「お嬢様!使用人ごときが主人に暴言を吐いた時点で職務違反です!情けをかける必要はありません!」
「で、でも…」
「お嬢様はお優し過ぎます!もうちょっとご自分を大事になさってください!」
「…う、うん。分かりました」
ナタリーの勢いに押されてこくりと頷きます。ナタリーは本当に私のことを考えて心配してくれているようです。優しい侍女に恵まれて、私は本当に幸せ者ですね。
新しい侍女はナタリア・ファルマンさん。ナタリーと呼ばせてくれるそうです。伯爵家の四女だそうです。年の頃は私に近いので、楽しくお話が出来そうです。前々からお兄様から私のお話を聞いていたそうで、ずっと会いたかったと言ってくれました。
「お嬢様、改めてこれからよろしくお願いしますね」
「はい、よろしくお願いします」
「お嬢様はどんな食べ物がお好きですか?」
「私は…そうですね。お肉全般が好きです。あまり出ませんが、ジビエもいけます」
「あら、意外ですね。そんなに細っそりしていらっしゃるのに」
「ふふ。食べる量は制限されていましたから」
私がそう言うと、ナタリーは私を見つめて私の両手をガシッと掴み言いました。その瞬間びくっと身を竦めてしまいましたがナタリーは気にする様子はありません。良かったです。
「お嬢様!これからは好きなものを好きなだけ食べましょう!おかわりも自由にしましょう!大丈夫です!太り始めたら忠言致しますから、ね!」
「は、はい…?」
勢いに押されてとりあえず頷きます。
「ちなみにナタリーはビーフシチューが好きです」
「分かります!とっても美味しいですよね!」
「はい!」
「私は肉全般の他にはチョコレートが好きです。ホットチョコレートを飲むと一日の疲れが吹き飛びます」
「ああ、分かります!あれは優しいお味ですものね!」
「もちろんチョコレート菓子やチョコレートケーキも好きです。フォンダンショコラとか最高です」
「お嬢様ー!私もフォンダンショコラ大好きですー!」
そんな会話をしながら、ふと思い出します。たしかに別邸では暴言や暴力を振るわれましたが、みんな仕事はきちんとしてくれていたなぁと。身の回りの世話もしてくれていましたし、教養も身につきましたし、食事やおやつも美味しかったです。そういえば、別邸では庭師とシェフからは嫌がらせも受けませんでしたね。そもそも会うこともなかったですし。お兄様、お話があると言ってましたがみんな仕事はきちんとしてくれていたとお伝えしておいたほうが良かったでしょうか?
「あの、ナタリー」
「どうかいたしましたか?お嬢様」
「お兄様がね、別邸の使用人達にお話があるとおっしゃっていたでしょう?」
「はい、そうですね」
「別邸の使用人達は私に対してすごく意地悪だったけど、仕事はきちんとしてくれていたなぁと思って。お兄様にそれをお伝えしたほうが良かったでしょうか?」
ナタリーが何故か目を見開いています。どうかしたのでしょうか?
「お嬢様!使用人ごときが主人に暴言を吐いた時点で職務違反です!情けをかける必要はありません!」
「で、でも…」
「お嬢様はお優し過ぎます!もうちょっとご自分を大事になさってください!」
「…う、うん。分かりました」
ナタリーの勢いに押されてこくりと頷きます。ナタリーは本当に私のことを考えて心配してくれているようです。優しい侍女に恵まれて、私は本当に幸せ者ですね。
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