妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ

下菊みこと

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初めて会うお嬢様はとても清らかな方でした

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私はナタリア・ファルマン。伯爵家の四女。お嬢様の新しい専属侍女です。年の頃はお嬢様に近いです。お嬢様と楽しくお話が出来そうということで抜擢されました。前々から旦那様からお嬢様の話を聞いていました。ずっと会いたかったお嬢様にお仕え出来て、とても嬉しいです。

そして緊張の初対面。初めて会うお嬢様はとても清らかな方でした。

まず見目が麗しいです。ちょっと線が細過ぎますが肉付きが良くなればモテモテ間違い無しです。何より顔が良い。あ、でも、今の雰囲気もすごく庇護欲をそそるのでそれはそれでモテそうですが、やはり健康も考えてもっと太ってもらいましょう。あと、背が低いのがもったいないですね。すらっとした体型の方が似合うと思うのです。これは就寝前のバスタイム、そしてその後のマッサージに力を入れねば…シェフ達にもたくさん栄養満点の食事を用意してもらいましょう。

脱線しましたが、次に所作が美しいのです。ちょっとした仕草がゆったりとして上品で、それでいてとても可愛らしいのです。見た目の美しさと合わせて、天は二物を与えたなぁと思うのです。叶うことなら一生ついて行きたい!と思うほどとても素敵なのです。

そして何より、優しいのです。今まで悪意に塗れて生きてきたとは思えないほど清らかな方なのです。侍女である私にまるで対等に接してくださいますし、今まで悪意をぶつけられてきた別邸の使用人達ごときにも情をかけるのです。あまりにも損な方だと思ってしまいます。だって、本来ならもっとわがままを言って、傍若無人な振る舞いさえも許されるような立場の方なのです。それが、こうも人に優しく、悪意を当たり前のように受け入れてしまわれる…本当に、損な方なのです。

だからこそ。そんな優しいお嬢様が損な目に遭わないようにお守りするのが私の役目なのでしょう。であればこのナタリー、全身全霊頑張ります!目指せ、世界一幸せなお嬢様!です!!!
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