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僕の婚約者を奪おうとした者の結末

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僕はオデット・アダラール公爵令嬢並びに例の三人の男爵令嬢を、公爵令嬢殺害未遂の犯人として貴族裁判に掛けた。

まず三人の男爵令嬢は、公爵令嬢であり皇太子の婚約者でもあるエレナを殺害しようとした実行犯として一族郎党処刑が決まる。この階級社会で、男爵令嬢が公爵令嬢を殺そうとしたのだから当たり前である。…まあ、本人達は命令を実行しただけで、殺すつもりなどなかっただろうけれど。それは言い訳にはならない。

しかし…エレナが命令したオデットが悪いと、実行犯である彼女達には減刑を求めていたのだから僕もそのために尽力する。

オーギュスティナ嬢とジェシカ嬢がくれた、男爵令嬢三人が日常的にオデット嬢から奴隷扱いされていたという証言と、三人の日記、それにエレナの減刑を求める嘆願書をもとに減刑を求めた。裁判所に傍聴に来た貴族達は、そのエレナの寛大さを褒め称えているようだった。

そして処刑は確定したものの、ギロチンでの公開処刑と晒し首は免れて毒杯をくれてやることになった。これでせめてもの最低限の名誉は守られる。

そしてオデット嬢。アダラール公爵家の用意した凄腕の弁護士があの手この手でオデットを庇う。が、そうは問屋が卸さない。秘密兵器を証拠として提示した。

オーギュスティナ嬢とジェシカ嬢が改良に改良を重ねて作り上げた魔道具である。

それを使って、過去の映像…オデット嬢が男爵令嬢三人に命令を下すシーンを動画にしてスクリーンに写す。それを見てオデット嬢はついに敗北を悟り、無駄な足掻きはやめた。

オデット嬢も公爵令嬢殺害未遂の犯人として、犯罪奴隷に落とされることになった。

女性の犯罪奴隷の行く末なんて、決まりきっている。配属先はリュシアン帝国の一番の鉱山。いつかの、バルバラ嬢と同じ結末だ。

連帯責任として、アダラール公爵家は爵位と領地を没収され没落。さすがに、公爵令嬢兼皇太子の婚約者を傷つけようとした家を支援する貴族など居らず、その後はしばらく細々と生きていたがやがてスラム街へと消えて行ったらしい。

そんなこんなで事件も片付き、あとはエレナのアフターケアだ。

ということで、僕はなんだかんだと理由をつけてはセヴラン邸にエレナに会いに行く。父上と母上は優しい目で何も言わずにそんな僕を見守ってくれるので、有り難い。今日も今日とて、エレナの元へ足を運びエレナと共に時間を過ごす。
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