29 / 88
過保護
しおりを挟む
『コトハちゃん、帰ろうか』
『うん、帰ろう!』
マミちゃんとやらとコトハはまっすぐ家に帰る。
マミちゃんとやらと他愛もない会話をしながらのんびり帰宅するのもまた、コトハの新たな楽しみとなっていた。
その時だった。
コトハとマミちゃんとやらの目の前に、長ーいコートを着たサングラスとニット帽を装着しているおじさんが突如現れた。
そして、コートをパッと開いた。
「…っ」
ビービーと防犯ブザーがなる。マミちゃんとやらが鳴らしたらしい。
僕はコトハの目を塞ぐ。
幸いコトハは汚いものは目に映していない。
「…ナギさん」
汚いものを一瞬見てしまったマミちゃんとやらは気持ち悪そうな顔をしていたが、僕を見て少しホッとした顔をした。
目の前の変態は、突然目の前に現れた僕に唖然とする。
なお今日の占いは営業終了してあるので誰にも迷惑はかかっていないから安心だ。
…さてと。
「コトハによくも汚いものを見せようとしたね?」
「え…ぎゃあー!?」
即座に露出狂のコートを閉じて、悪夢を見せた。
昏倒して寝言で魘されているのでいい気味。
なお悪夢の内容は、異性愛者のこの男に同性のマッチョたちが迫るというある意味もっとも恐ろしい夢。
ざまぁみろ。
「さて、あの男は放置して帰ろうか」
コートも閉じて中は見えないので、コトハの目を塞ぐ手を下ろした。
コトハは状況がわかっておらず、きょとんとするがそれでいい。
「いや、警察に連絡しましょうよ」
「わかったわかった」
防犯ブザーを止めて、ポケットにしまうマミちゃんとやら。
防犯ブザーのおかげでほかの大人も集まってきたので、周囲にマミちゃんとやらとともに状況を説明した。
突然昏倒した露出狂のために救急車と、露出狂の被害に遭ったマミちゃんのために警察が呼ばれる。
露出狂の男は警察が付き添って救急車でどこかに運ばれ、マミちゃんとやらとコトハと僕は事情を事細かに説明。
なお僕はなんとなく嫌な予感がしてコトハを迎えに来たところだったことにした。
「それにしても、本当にすぐ駆けつけるなんて過保護」
マミちゃんとやらが僕に言う。
「でも、来て良かっただろう?」
「うん!ありがとう、兄様!」
コトハは無邪気に頷く。
可愛いなぁ。
「…ありがとう、ナギさん」
「おや」
マミちゃんとやら…もう面倒だからマミでいいや。
マミもお礼を言うので、頭を撫でてやる。
「汚いものを目に移して最悪だったでしょ、僕の顔でも見て元気だしなよ」
「自分の顔が良いのを自覚してるの、なぜか腹が立つんですけど」
「まあまあ、いいじゃない」
「自由人め」
マミはそう言いつつも僕をガン見して目の保養をしていた。
『うん、帰ろう!』
マミちゃんとやらとコトハはまっすぐ家に帰る。
マミちゃんとやらと他愛もない会話をしながらのんびり帰宅するのもまた、コトハの新たな楽しみとなっていた。
その時だった。
コトハとマミちゃんとやらの目の前に、長ーいコートを着たサングラスとニット帽を装着しているおじさんが突如現れた。
そして、コートをパッと開いた。
「…っ」
ビービーと防犯ブザーがなる。マミちゃんとやらが鳴らしたらしい。
僕はコトハの目を塞ぐ。
幸いコトハは汚いものは目に映していない。
「…ナギさん」
汚いものを一瞬見てしまったマミちゃんとやらは気持ち悪そうな顔をしていたが、僕を見て少しホッとした顔をした。
目の前の変態は、突然目の前に現れた僕に唖然とする。
なお今日の占いは営業終了してあるので誰にも迷惑はかかっていないから安心だ。
…さてと。
「コトハによくも汚いものを見せようとしたね?」
「え…ぎゃあー!?」
即座に露出狂のコートを閉じて、悪夢を見せた。
昏倒して寝言で魘されているのでいい気味。
なお悪夢の内容は、異性愛者のこの男に同性のマッチョたちが迫るというある意味もっとも恐ろしい夢。
ざまぁみろ。
「さて、あの男は放置して帰ろうか」
コートも閉じて中は見えないので、コトハの目を塞ぐ手を下ろした。
コトハは状況がわかっておらず、きょとんとするがそれでいい。
「いや、警察に連絡しましょうよ」
「わかったわかった」
防犯ブザーを止めて、ポケットにしまうマミちゃんとやら。
防犯ブザーのおかげでほかの大人も集まってきたので、周囲にマミちゃんとやらとともに状況を説明した。
突然昏倒した露出狂のために救急車と、露出狂の被害に遭ったマミちゃんのために警察が呼ばれる。
露出狂の男は警察が付き添って救急車でどこかに運ばれ、マミちゃんとやらとコトハと僕は事情を事細かに説明。
なお僕はなんとなく嫌な予感がしてコトハを迎えに来たところだったことにした。
「それにしても、本当にすぐ駆けつけるなんて過保護」
マミちゃんとやらが僕に言う。
「でも、来て良かっただろう?」
「うん!ありがとう、兄様!」
コトハは無邪気に頷く。
可愛いなぁ。
「…ありがとう、ナギさん」
「おや」
マミちゃんとやら…もう面倒だからマミでいいや。
マミもお礼を言うので、頭を撫でてやる。
「汚いものを目に移して最悪だったでしょ、僕の顔でも見て元気だしなよ」
「自分の顔が良いのを自覚してるの、なぜか腹が立つんですけど」
「まあまあ、いいじゃない」
「自由人め」
マミはそう言いつつも僕をガン見して目の保養をしていた。
64
あなたにおすすめの小説
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
【完結】離婚を切り出したら私に不干渉だったはずの夫が激甘に豹変しました
雨宮羽那
恋愛
結婚して5年。リディアは悩んでいた。
夫のレナードが仕事で忙しく、夫婦らしいことが何一つないことに。
ある日「私、離婚しようと思うの」と義妹に相談すると、とある薬を渡される。
どうやらそれは、『ちょーっとだけ本音がでちゃう薬』のよう。
そうしてやってきた離婚の話を告げる場で、リディアはつい好奇心に負けて、夫へ薬を飲ませてしまう。
すると、あら不思議。
いつもは浮ついた言葉なんて口にしない夫が、とんでもなく甘い言葉を口にしはじめたのだ。
「どうか離婚だなんて言わないでください。私のスイートハニーは君だけなんです」
(誰ですかあなた)
◇◇◇◇
※全3話。
※コメディ重視のお話です。深く考えちゃダメです!少しでも笑っていただけますと幸いです(*_ _))*゜
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる