君が僕に心をくれるなら僕は君に全てをあげよう

下菊みこと

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夏休みはあっという間

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夏休みはあっという間に終わり、明日からまたコトハとマミは登校する。

「夏休み最終日だし、今日はのんびり過ごそう」

「うん!」

「はい」

夏休みの宿題をきちんと終わらせてあるコトハとマミは、最終日にはやることがなくのんびり過ごせることになった。

コトハはマミに宿題を通じて勉強を教えたことで、さらに理解が深まった様子。

マミはコトハに勉強を教わったことで、なんとか今までの遅れを取り戻し歳相応の学力をつけられた。

逆に僕は占いしてほしいという人が激増しており、二人が登校し始めたらかなりきついノルマをこなさねばならない。

まあ、それだけ売れっ子占い師になれたのは良かったけどね。

「でも兄様、夏休みの間お仕事は大丈夫だったの?」

「私たちが宿題している間しか占いや祈祷できてませんでしたよね?」

「大丈夫大丈夫。明日からちゃんとこなすからさ」

二人に心配されてしまった。

二人が心配せずとも済むように、頑張って明日から働こう。

「でも、明日から登校なんだなぁ…」

「なんだか早いね」

「長いようで短かったなぁ」

「はやく冬休みになるといいね」

「ね」

はやくも冬休みの話題になる二人。

「二人とも、この夏は楽しかった?」

「うん、とっても楽しかったよ!人生で一番楽しい夏休みだった!」

「すごく良い夏休みでした。ナギさんのおかげです、ありがとうございます」

「ありがとう、兄様!」

「いやいや、僕は見守りくらいしかしてないよ」

けれど、それでもこの二人の笑顔を見ると誇らしくなってしまうな。

「また来年も見守らせてね」

「もちろん!」

「よろしくお願いします、ナギさん」

来年の約束をして、目を閉じる。

シエスタして、目が覚めたら遊んで、そしてマミが家に帰っていく。

「本当に夏休み、終わっちゃうんだなぁ」

コトハが呟いた。

「寂しいかい?」

「うん、どうしてだかわからないけど寂しいな」

「そっか」

夏休みの終わりには、センチメンタルな気分になるものだよね。

僕はそんなコトハの頭を撫でる。

「大丈夫、また何度でも一緒に夏休みを迎えられるよ。ちょっとだけの辛抱だ」

「うん!」

ニコッと笑うコトハにニコッと笑い返す。

これから迎えることになるコトハの新学期も、コトハにとって良い思い出になればいいな。

もちろん、その隣にマミがいればもっといい。

こうしてずっとずっと、見守っていたい。
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