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本物のミレイユ様に交代するか聞くも、断られた

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マノンが遠縁の親戚の家に預けられることになった日の夜、夢の中で私は久しぶりにあの幻想的な世界に立っていた。そこにはもちろん、ミレイユ様の姿が。ミレイユ様は前に見た時よりも少しだけ幸せそうな微笑みを浮かべていた。

「ミレイさん、お久しぶり」

「お久しぶりです、ミレイユ様」

ミレイユ様とハグを交わす。

「今回はマノンを助けてくれてありがとうございます。あのまま好きにさせていたら、あの子きっといつか何か決定的なことをやらかしていたと思います。反省出来るならその方がいいですから。あの子に機会を与えてくれて本当にありがとうございました」

やっぱりミレイユ様は、マノンがなんだかんだで大切なんだなぁ。

「いえいえ。決めたのはミレイユ様のご両親ですから。ところでミレイユ様。ご両親と勝手に和解してしまいましたが良かったですか?」

それがかなり気掛かりだった。

「全部天の国から眺めていました。大丈夫ですよ。それよりも、記憶の継承をすっかり忘れていてごめんなさい。不便だったでしょう」

完璧そうなミレイユ様でもドジってするんだなぁ。

「フェリクス様に協力していただいたので大丈夫ですよ」

「あの冷血野郎に頼ることになるとは…不甲斐ない…」

ミレイユ様が頭を抱える。そんなにフェリクス様に頼るのが嫌か。

「あの、ミレイユ様」

「なんですか?」

「ミレイユ様に身体を返すことは出来るのでしょうか?」

「…」

ミレイユ様は困った顔をした後、質問に答えてくれた。

「一応出来ますよ」

「なら、交代しますか?今なら家族とも使用人達ともやり直しが出来そうですし」

「いいえ。私は天の国で幸せに暮らしていますから。私のことは気にせず、ミレイさんがそちらで幸せになってください」

「そうですか…ありがとうございます。ではお言葉に甘えます」

「それは良かった」

そして時間切れになる。

「そろそろ目覚めの時間ですよ、ミレイさん」

「ミレイユ様、ありがとうございました!またお会いしましょう!」

「ええ、いつかまたきっと」

「はい、いつかまたきっと」

私達は最後にハグをして別れる。

そうして夢は覚めたのでした。ミレイユ様にお会いできて、本当に良かった。そうじゃなければ、ミレイユ様の大事な妹を親戚の家に厄介払いしてしまった罪悪感で胸が張り裂ける所だったよ。
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