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ウィスタリア王子
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プローディギウム聖国が第五王子、ウィスタリア・プローディギウム。彼は今、プリエール皇国に留学に来ている。彼の国の売りはプローディギウム教そのものとそれがもたらす奇跡である。プローディギウム聖国の王族には奇跡を起こす血が流れている。ちょっとした幸運くらいのものなら指パッチンですぐに起こせる。例えばポーカーでロイヤルストレートフラッシュを出す、とか。だから王族が教皇になるのは至極当然の流れで。第五王子である彼は、教皇になるのを生まれたときから定められていた。そんな彼の最後の自由がこの留学である。友達でもあるレルザンやアンディーヴの『家』にお世話になりつつ満喫するつもりなのも仕方のないことである。勉強そっちのけで遊ぶつもりでいるのも仕方のないことである。
「レンー!アンディー!久しぶりー!」
「久しぶりだな」
「貴方は相変わらずですね」
久しぶりの再会に、レルザンやアンディーヴに抱きつく。ふと、可愛らしい女の子が目に入ってウィスタリアの動きは止まる。
「レン、アンディー。この娘は?」
「僕の専属占い師ですよ」
「お初にお目にかかります。プリュネ・ディヴィナシオンと申します。宮廷占い師をしております」
「へー。よろしくね」
「すごく有能な占い師だ。お前も何か占ってもらうか?」
「今はいいかな。気が向いたらよろしくね」
「はい。いつでもお申し付けくださいませ」
従順な様子のプリュネに、ウィスタリアは満足気だ。友達二人の側に、反抗的な人間は要らない。ウィスタリアは少し排他的なところがあるのだ。…それとは別に、可愛らしい女の子が目の保養になるというのもあるが。
ー…
「でさぁ、その時兄貴が可愛らしい女の子にワインぶっ掛けようとして、俺思わず兄貴を殴っちゃったんだよねー。そしたら教皇になるの一年早められちゃった」
「災難だったな」
「貴方の四番目の兄上は本当に乱暴な方ですね…」
「まあ仕方ないんじゃない?王位に就くのは絶望的で、教皇は俺がなるし。なりたくてなるわけじゃないけど」
「それでも将来は王弟になれるだろうに」
「あの人はそれで満足できる人じゃないよ」
けらけらと笑いながら爆弾を投下し続けるウィスタリア、それを受け入れるレルザンとアンディーヴ。プリュネはアンディーヴの横に立って黙って聞いていた。この三人の話はなかなかに刺激的で面白い。
「いやー、愚痴聞いてくれてありがとう!また今度付き合ってよ!もちろんプリュネちゃんも是非!」
「はい。その時はまたお誘いくださいませ」
「ありがとうー!」
満足してウィスタリアは用意された客室に戻る。
「リュリュ、もう無理しなくても大丈夫ですよ」
「プリュネ嬢、立ちっぱなしで疲れただろう。ここに座るといい」
「ありがとうございます!ウィスタリア殿下のお話はとても刺激的でしたね!」
「刺激的過ぎるのもどうかと思いますがね」
「まあ、ウィスは退屈しない相手だな」
「素敵な方ですね!」
「ええ、とてもね」
「可愛い弟分、かな」
「そうなんですね!」
ウィスタリアを気に入っている様子のレルザンやアンディーヴを見てうんうんと満足気に微笑むプリュネ。今日も平和に一日が終わる。
「レンー!アンディー!久しぶりー!」
「久しぶりだな」
「貴方は相変わらずですね」
久しぶりの再会に、レルザンやアンディーヴに抱きつく。ふと、可愛らしい女の子が目に入ってウィスタリアの動きは止まる。
「レン、アンディー。この娘は?」
「僕の専属占い師ですよ」
「お初にお目にかかります。プリュネ・ディヴィナシオンと申します。宮廷占い師をしております」
「へー。よろしくね」
「すごく有能な占い師だ。お前も何か占ってもらうか?」
「今はいいかな。気が向いたらよろしくね」
「はい。いつでもお申し付けくださいませ」
従順な様子のプリュネに、ウィスタリアは満足気だ。友達二人の側に、反抗的な人間は要らない。ウィスタリアは少し排他的なところがあるのだ。…それとは別に、可愛らしい女の子が目の保養になるというのもあるが。
ー…
「でさぁ、その時兄貴が可愛らしい女の子にワインぶっ掛けようとして、俺思わず兄貴を殴っちゃったんだよねー。そしたら教皇になるの一年早められちゃった」
「災難だったな」
「貴方の四番目の兄上は本当に乱暴な方ですね…」
「まあ仕方ないんじゃない?王位に就くのは絶望的で、教皇は俺がなるし。なりたくてなるわけじゃないけど」
「それでも将来は王弟になれるだろうに」
「あの人はそれで満足できる人じゃないよ」
けらけらと笑いながら爆弾を投下し続けるウィスタリア、それを受け入れるレルザンとアンディーヴ。プリュネはアンディーヴの横に立って黙って聞いていた。この三人の話はなかなかに刺激的で面白い。
「いやー、愚痴聞いてくれてありがとう!また今度付き合ってよ!もちろんプリュネちゃんも是非!」
「はい。その時はまたお誘いくださいませ」
「ありがとうー!」
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「まあ、ウィスは退屈しない相手だな」
「素敵な方ですね!」
「ええ、とてもね」
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「そうなんですね!」
ウィスタリアを気に入っている様子のレルザンやアンディーヴを見てうんうんと満足気に微笑むプリュネ。今日も平和に一日が終わる。
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