2 / 16
グレースという人
しおりを挟む
グレース・イアサント・エルキュール。エルキュール公爵家の一人娘であったわがままな彼女は、この大国の王太子と生まれる前から婚約を結ばれていた。
「グレース様。貴方はいずれ王太子殿下と結婚するお方。この程度でめげてはいけません」
「…っ、はい!頑張りますわ!」
グレースは王太子と結婚する未来のために、努力を怠らなかった。
毎日王宮に上がっての勉強漬けの日々も笑ってこなしてみせた。
その分、両親からは甘やかされて育った。
グレースはやがてわがままで傲慢、しかし誰よりも完璧な淑女となった。
そんな彼女は、婚約者の王太子にも結構容赦がなかった。
「何故俺は王太子に生まれてしまったんだろうか…俺ももっと自由に幸せに生きてみたい」
「なにを弱音を吐いてますの?そんなことを言っている暇があるなら精進なさいな」
「…君は本当に、自分本位だな。慰めてもくれないのか」
「慰めても何にもなりませんわ。それよりしゃんとなさいな」
終始こんな感じだったため、彼女は王太子から嫌われていた。
だがそれでよかった。
自分が嫌われ役になって、それで王太子が将来立派な王となるなら本望だ。
ちなみに義弟にも容赦はなかった。
「姉上、一緒に遊んでください」
「私はそんなに暇ではないわ。貴方こそ遊んでいる暇があるなら勉強なさい」
「…姉上は、どうしてそんなに冷たいのですか?」
「冷たくなどないわ。貴方は我がエルキュール家を継ぐために引き取られた遠縁の親戚。本当の弟ではないもの」
「…っ」
そんな幼少期を過ごした彼女は、貴族の子供の通う学園に入る年齢になっても全く変わらなかった。
おかげで婚約者である王太子や義弟との仲は拗れていたが彼女は自分本位なので気にしない。
そんな時だった。
突然異世界から【聖女】が現れた。
聖女ユリア。異世界から来たという彼女は聖なる力を使い沢山の人を癒して人気を集めた。
そして特例として、貴族学園への入学も認められた。
自分の代わりに爵位を継ぐため養子縁組された遠縁の親戚である義弟ヒューゴ・イポリート・エルキュールと、自分の婚約者である王太子オノレ・エルヴェ・コンスタンタンを含むたくさんの貴公子から愛されるユリア。グレースはそれが気に入らなかった。
グレースはやがて、ユリアに対して学園内で陰湿なイジメを行う。
それはそれとして婚約者がいるのにユリアを愛するヒューゴやオノレは非難の対象にはなった。しかし、愛の前には関係ないらしい。
グレースはやがて、お決まり通りオノレやヒューゴを含めたたくさんの貴公子達に断罪された。それでも彼女が貴族令嬢であることには変わらなかったし、婚約破棄もされず、お咎めも謹慎処分だけだった。
「グレース様。貴方はいずれ王太子殿下と結婚するお方。この程度でめげてはいけません」
「…っ、はい!頑張りますわ!」
グレースは王太子と結婚する未来のために、努力を怠らなかった。
毎日王宮に上がっての勉強漬けの日々も笑ってこなしてみせた。
その分、両親からは甘やかされて育った。
グレースはやがてわがままで傲慢、しかし誰よりも完璧な淑女となった。
そんな彼女は、婚約者の王太子にも結構容赦がなかった。
「何故俺は王太子に生まれてしまったんだろうか…俺ももっと自由に幸せに生きてみたい」
「なにを弱音を吐いてますの?そんなことを言っている暇があるなら精進なさいな」
「…君は本当に、自分本位だな。慰めてもくれないのか」
「慰めても何にもなりませんわ。それよりしゃんとなさいな」
終始こんな感じだったため、彼女は王太子から嫌われていた。
だがそれでよかった。
自分が嫌われ役になって、それで王太子が将来立派な王となるなら本望だ。
ちなみに義弟にも容赦はなかった。
「姉上、一緒に遊んでください」
「私はそんなに暇ではないわ。貴方こそ遊んでいる暇があるなら勉強なさい」
「…姉上は、どうしてそんなに冷たいのですか?」
「冷たくなどないわ。貴方は我がエルキュール家を継ぐために引き取られた遠縁の親戚。本当の弟ではないもの」
「…っ」
そんな幼少期を過ごした彼女は、貴族の子供の通う学園に入る年齢になっても全く変わらなかった。
おかげで婚約者である王太子や義弟との仲は拗れていたが彼女は自分本位なので気にしない。
そんな時だった。
突然異世界から【聖女】が現れた。
聖女ユリア。異世界から来たという彼女は聖なる力を使い沢山の人を癒して人気を集めた。
そして特例として、貴族学園への入学も認められた。
自分の代わりに爵位を継ぐため養子縁組された遠縁の親戚である義弟ヒューゴ・イポリート・エルキュールと、自分の婚約者である王太子オノレ・エルヴェ・コンスタンタンを含むたくさんの貴公子から愛されるユリア。グレースはそれが気に入らなかった。
グレースはやがて、ユリアに対して学園内で陰湿なイジメを行う。
それはそれとして婚約者がいるのにユリアを愛するヒューゴやオノレは非難の対象にはなった。しかし、愛の前には関係ないらしい。
グレースはやがて、お決まり通りオノレやヒューゴを含めたたくさんの貴公子達に断罪された。それでも彼女が貴族令嬢であることには変わらなかったし、婚約破棄もされず、お咎めも謹慎処分だけだった。
222
あなたにおすすめの小説
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
遊び人の侯爵嫡男がお茶会で婚約者に言われた意外なひと言
夢見楽土
恋愛
侯爵嫡男のエドワードは、何かと悪ぶる遊び人。勢いで、今後も女遊びをする旨を婚約者に言ってしまいます。それに対する婚約者の反応は意外なもので……
短く拙いお話ですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
このお話は小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに対して、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載しております。
【完結】 ご存知なかったのですね。聖女は愛されて力を発揮するのです
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
本当の聖女だと知っているのにも関わらずリンリーとの婚約を破棄し、リンリーの妹のリンナールと婚約すると言い出した王太子のヘルーラド。陛下が承諾したのなら仕方がないと身を引いたリンリー。
リンナールとヘルーラドの婚約発表の時、リンリーにとって追放ととれる発表までされて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる